Porsche 356 1500 Pre-A Aluminium Cabriolet
ポルシェ 356 1500 プレA アルミニウム カブリオレ
ロータスのワンメイクレースにレンタル車両で参加する「エリーゼ参戦パッケージ」のススメ
ロイター社によって製造されたアルミボディ
時に、忘れ去られた宝物が突然世の中に現れることがある。 今回紹介する「ポルシェ 356 1500 プレAカブリオレ」がそんな1台だ。この美しいカブリオレは、ロイター社製アルミボディが採用されており、ワンオフモデルとして製造された。
目の前をこのカブリオレが走り去ったとしても、その出自を想像するのは難しいだろう。1953年、ポルシェが製造したカブリオレがわずか394台であることを考えても、このクルマが特別であることは間違いないが、真に“スペシャル”な理由はアイボリーの塗装の下に隠されている。
そう、アルミニウム製ボディが採用されているのだ。今から半世紀以上前、このカブリオレは、ロイター車体製造(Karosseriewerke Reutter:現在のレカロ)によって製造された。当時アルミ製ボディは軽量化を目的として、主にモータースポーツ用車両に採用されていた。しかし、356クーペならば分かるが、なぜカブリオレにアルミを採用したのだろう?
なぜ、アルミボディのカブリオレが作られたのか?
6年間に及ぶレストア作業を終えて、このワンオフモデルは完璧なコンディションに復元された。あるカスタマーからの要望により、ポルシェ・エクスクルーシブを立ち上げたロルフ・スプレンガーの監督のもと、丁寧な作業が行われたのだ。
レストアに時間がかけられたのは、日常の足として使い倒されていたことに加えて、この356 1500 プレA カブリオレがワンオフモデルであったことが大きかった。実際の修復作業においては答えの出ない多くの疑問が浮かび上がることになった。例えばこのクルマを製造した際、スチール製フレームとアルミニウム製ボディの接触腐食をどのように解決したのか・・・? そして「なぜ、アルミ製カブリオレが作られたのか?」という、最初の疑問に立ち返ることになる。
ポルシェとロイターに残る資料を徹底的に調査しても、答えは出なかった。あとは推測するしかないだろう。ひとつの可能性としては、1892年にケルンで設立された機械技術者協会(VdM)が、アルミニウム製車両の小規模生産の可能性を調査するため、この仕様のクルマをオーダーしたということ。しかし残念ながらこの説を検証することは不可能だ。
ロイター社に1台のみがオーダーされたアルミボディ
話は遡って1952年。この年は15台のアルミ製ボディの356 アメリカ ロードスター(そしてスチール製ボディのロードスター1台)が製造されたものの、ポルシェは生産モデルへのアルミ製ボディ採用を断念することになる。後のスピードスターの前身となるこのモデルの生産コストはあまりにも高額だったのだ。
しかもその高コストにより、ボディの製造を担当したグレイザー・カロッセリー社(Gläser-Karosserie GmbH)は倒産を余儀なくされている。
フェリー・ポルシェは後に回想録の中で、ロイターがアルミ製ボディの溶接に乗り気ではなかったことを記しており、大規模な製造発注がなかったことを示唆している。実際、今回紹介するカブリオレを除いて、ポルシェが1953年にロイターへオーダーした個体はないようだ。
このクルマに関して分かっているのは1953年7月、フランクフルトの有名なポルシェ・ディーラー「グロックラー(Glöckler)」に納車されたこと。初期の車歴についてはほとんど明らかになっていない。その足跡が記録に浮上するのは、1970年代の英国・グロスター。
1000ポンドの価格を付けられて、以下のような広告が掲載されている。
「歴史を持ったユニークなポルシェ カブリオレ タイプ356、1953年3月にツッフェンハウゼンのロイター社で特別にワンオフで製作されたアルミニウム製ボディ、ボディカラーはホワイト、新しいグレーのインテリア、新しいレッドのシート、すべてがオリジナル仕様に基づいている」
段階を踏んでじっくり進められたレストア作業
この356は、ある時点でドイツへと向かった。現在のオーナーは投機的な目的で所有するのではなく、レストアするという条件で前のオーナーから購入を許可されている。オーナーはこの紳士協定を守り、6年前にレストアチームを結成。複雑な修復作業は完遂された。
様々な作業を調整したのは、前述のロルフ・スプレンガー。彼はヒストリックカーの知識が豊富なだけでなく、適切な会社の連絡先も知っている。そしてレストアに携わったすべての人がスピードではなくクオリティを重視し、6年間、のべ何千時間もの困難な作業に取り組むことになった。
驚くべきことに、これだけ貴重な個体にもかかわらず、このカブリオレは長年にわたり日常使いされていた。そのため、かなりの経年劣化が進んでいる。
「最初にチェックした段階で、このユニークな個体を完全に解体しなければならないことが明らかになりました。各コンポーネントのオーバーホールを行って、それぞれが正常に動くか確認する必要があったのです」と、スプレンガーは振り返った。
調査の過程で様々な疑問が浮かび上がった。スチールとアルミの接触腐食を防ぐにはどうしたらいいのか? シートの金具が本来の機能を果たしていないのはなぜか? そして、古いコンポーネントをできるだけ残して、再び元の状態に戻すにはどうすればいいのか?
時間をかけたステップ・バイ・ステップで疑問は解決。その解決法のすべてがポルシェのユニークな歴史につながっていた。そして、このメーカーがいかに早い段階から新たな技術を模索し、特別な希望に応えようとしていたかを伝えているのである。
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