2022年9月の乗用車全体(軽自動車を含む)の販売台数は32万4,901台、前年比126.4%と大幅に巻き返しました。国産9ブランドすべてが前年を上回り、なかでもスバル(184.1%)、ダイハツ(170.6%)、マツダ(157.6%)の好調ぶりが目立ちます。不振が続いていたトヨタも130.8%と久しぶりに前年を上回りました。
軽自動車を除く9月の新車販売ランキングでは、トヨタ車がヤリスを筆頭に8台をTOP10へ送り込むなか、2位の日産ノート、8位のホンダフリードが存在感を示しました。軽自動車(乗用車)は、ホンダN-BOXが大差で王座を守り、ダイハツタントが2月以来の2位となりました。
【2022年最新版】カーリースのメリット・デメリットを徹底解説!
今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。
国産乗用車販売台数 2022年9月(軽自動車を除く)
順位 車名 ブランド名 台数 前年比
1 ヤリス トヨタ 15,979 125.9
2 ノート 日産 9,776 143.1
3 カローラ トヨタ 9,039 114.4
4 ライズ トヨタ 8,829 285.6
5 ヴォクシー トヨタ 8,241 274.7
6 シエンタ トヨタ 7,785 162.0
7 ノア トヨタ 7,770 377.2
8 フリード ホンダ 7,763 126.5
9 ルーミー トヨタ 6,791 186.7
10 アクア トヨタ 6,732 60.4
11 アルファード トヨタ 6,072 81.6
12 セレナ 日産 5,854 85.7
13 ソリオ スズキ 4,656 187.5
14 CX-5 マツダ 4,642 302.2
15 ランドクルーザーW トヨタ 4,182 167.5
16 フィット ホンダ 4,001 107.3
17 ヴェゼル ホンダ 3,967 101.7
18 RAV4 トヨタ 3,708 123.6
19 エクストレイル 日産 3,395 326.8
20 プリウス トヨタ 3,011 82.2
21 ステップワゴン ホンダ 2,792 84.5
22 ハリアー トヨタ 2,583 69.8
23 アウトランダー 三菱 2,368 2276.9
24 スイフト スズキ 2,363 123.8
25 MAZDA2 マツダ 2,355 230.0
26 レヴォーグ SUBARU 2,281 201.1
27 インプレッサ SUBARU 2,132 118.2
28 パッソ トヨタ 2,068 217.9
29 ロッキー ダイハツ 1,984 214.3
30 フォレスター SUBARU 1,736 243.8
31 ジムニーW スズキ 1,618 192.8
32 デリカD5 三菱 1,400 77.9
33 CX-8 マツダ 1,382 290.3
34 クロスビー スズキ 1,294 254.2
35 キックス 日産 1,249 37.3
36 クラウン トヨタ 1,246 86.3
37 リーフ 日産 1,177 80.9
38 ロードスター マツダ 1,048 374.3
39 レガシィ SUBARU 988
40 GR86 トヨタ 974
41 シャトル ホンダ 891 84.8
42 CX-30 マツダ 890 54.5
43 C-HR トヨタ 868 76.7
44 マーチ 日産 858 108.7
45 シビック ホンダ 854 101.7
46 CX-60 マツダ 813 22年9月発売
47 ハイエースW トヨタ 801 107.8
48 NX350H レクサス 775 21年11月発売
49 エクリプスクロス 三菱 742 95.9
50 トール ダイハツ 741 146.7
※ 上記の台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含みます。
※ 例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含んでいます。
※ 前年比欄について、前年の台数がない場合や、前年比の桁数が5桁を超える場合は空白で表示しています。
9ブランドすべてが前年超え、総力戦だった9月
トヨタHPより
販売台数の数字は、人気のあり/なしのバロメーターの側面があると同時に、その月にそのクルマを“どれだけ売ることができたか”の結果でもある。もちろん今は半導体不足などの影響が販売台数を左右しているのはご承知のとおりで、売りたくてもクルマが思うに任せて作れず、結果として販売台数の数字が伸ばせない……のが実情。人気のあり/なしではなく、作れて売れた台数が数字となって表れる。目下、各車ごとの生産の事情は各車(各社)まちまちだが、たとえば同一メーカー内でもA車は前月より今月のほうが生産体制を整えられたから台数が伸ばせ、B車はA車の生産が優先されたために今月の数字は伸ばせなかった……といったことも起こる。毎月の販売台数の増減は、リアルタイムでそのクルマの人気を判断する材料には必ずしも完璧にはならないということだ。直近ではトヨタ車、レクサス車で、納車時の車両に付属のスマートキーを、通常2個のところ1個(とメカニカルキー)にする措置を発表した。
2022年9月の販売台数を数字で見ると、乗用車全体では32万4,901台、前年比は126.4%と、8月の88.8%に対して、大きく巻き返すことができた。まさに“総力”というべきか、9ブランドのすべてが前年比を上回る結果を出しており、とくに前年比の数字をアップさせたのはスバル(184.1%)、ダイハツ(170.6%)、マツダ(157.6%)、レクサス(156.0%)など。トヨタも9月は販売台数こそ10万台にあと一歩の9万9,179台だったが、前年比は130.8%となった。ちなみに調べてみると、トヨタの前年比100%超えは2021年8月の104.4%(この時の台数は93万528台)以来じつに13ヵ月ぶりのこと。しかもその翌々月の2021年10月には55.4%と底を打つ状況だった。以降も70~90%台の前年割れが続き、この9月も70.7%に留まっていたから、いかに久しぶりのことかがわかる。
シエンタ、ノア/ヴォクシーなどトヨタの巻き返しが目立つ
前段で“総力”と書いたとおり、各車ごとの販売台数は、ほとんどが8月に対して数字を伸ばしている。1位のトヨタヤリス、2位の日産ノート、3位のカローラ、4位のライズはいずれも8月と順位が変わらず台数も8月に対して上乗せした。そして今回5位(8月は14位)のヴォクシー、6位のシエンタ、7位のノアというトヨタ勢の新型車3車は、順位、台数とも上げており、とくに8月に新型を登場させたシエンタが6位に浮上、僅か22台と僅差ながら、8位のホンダフリードよりも上の順位につけた。
ヴォクシー(5位/8,241台)とノア(7位/7,770台)は、ここにきてようやく供給体制が整ったのか、両車ともざっくりと8月の倍程度の台数がカウントされている。結果、上位10位中トヨタ車は8車種と強みを発揮した。ちなみに11位にはアルファードがつけており、この期に及んで9月は6,072台と、8月のおよそ3倍近くに台数を伸ばしている。
エクストレイル、アウトランダー、フォレスターなどミドルサイズSUVが好調
そのほかホンダステップワゴンは2,792台と勢いが感じられない。同じホンダのフィットは4,001台だったが、マイナーチェンジでどこまで巻き返しが図れるか?前年比で見ると、新型が登場した日産エクストレイル(326.8%/3,395台)、三菱アウトランダー(2276.9%/2,368台)、スバルフォレスター(243.8%/1,736台)や、改良前のマツダCX-8(290.3%/1,382台)、スズキクロスビー(254.2%/1,294台)、ロードスター(374.3%/1,048台)などが堅調。ジムニーW(シエラ)は9月も1,618台の安定ぶりだった。
軽乗用車販売台数 2022年9月
車名 ブランド名 台数 前年比
1 N-BOX ホンダ 19,411 164.4
2 タント ダイハツ 9,878 186.4
3 スペーシア スズキ 8,619 122.0
4 ワゴンR スズキ 7,822 103.3
5 ムーヴ ダイハツ 7,549 194.6
6 ハスラー スズキ 6,715 113.8
7 アルト スズキ 6,600 137.8
8 ミラ ダイハツ 6,576 168.8
9 ルークス 日産 6,209 64.0
10 タフト ダイハツ 5,324 136.5
11 サクラ 日産 4,247 22年6月発売
12 ジムニー スズキ 3,978 145.4
13 N-WGN ホンダ 3,466 77.8
14 デイズ 日産 3,195 68.7
15 eK 三菱 2,417 51.2
※ 通称名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)
N-BOXは盤石、タントがスペーシアを逆転!
9月の軽自動車の販売台数は別表のとおりで、1位から15位までの顔ぶれは8月と同じだった。しかも台数を見ると、すべての車種が8月に対して台数を伸ばしている点が見逃せない。そんな中で1位は相変わらずホンダN-BOXだったが、8月の1万1,130台に対して9月は1万9,411台へと数字を伸ばし、前年比で言うと8月の84.1%から9月はおよそ倍の164.4%に。まったく盤石、安泰というほかない。一方で2位には、7、8月の5位から上昇したダイハツタントがつけた。台数は9,878台だったが、マイナーチェンジモデルはオンエア中のTV-CMでもあれだけ訴求されているから、これから勢いづくことが期待される。
3位はスペーシアで、7月の3位から8月に2位に返り咲いたが9月は再び3位に収まった。8月に追加設定されたスペーシアベースは4ナンバー登録なので、乗用車の数字には反映されてこないが、この後タントを追撃できるか離されるか成り行きが注目される。
白熱するワゴンRとムーヴの攻防
注目されるといえば、初代以来の宿命のライバルのワゴンRとムーヴも実は競り合っている。9月でいえば7、8月に続きワゴンRが4位の座を堅持、ムーヴは2位、3位と順位を下げ、9月はワゴンRに上位を譲り5位となった。台数はワゴンRが7,822台、ムーヴが7,549台といい勝負なのが現状だが、ムーヴはキャンバスを登場させたばかり、ワゴンRも改良モデルを入れているので、この2車の攻防はこのあとも続きそうだ。
軽自動車はこの10月の法改正で乗用車での貨物運送が解禁となり、そのことが今後、乗用車の販売台数にどう影響してくるかも気になるところだ。
※記事の内容は2022年10月時点の情報で制作しています。
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