F1前半戦が終了した段階で、ベテランジャーナリストのピーター・ナイガード氏が、全10チームそれぞれの良かった点と悪かった点を挙げる形で、ここまでの14戦の戦いを振り返った。今回は、コンストラクターズ選手権で9位に位置するウイリアムズの前半戦レビューだ。
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【F1前半戦レビュー:アルピーヌの“プラス”と“マイナス”】困難下でマシンを改良/内部はあからさまな戦争状態
■プラス:より良い未来への種まきの時期
ウイリアムズは2024年前半を統合のために費やした。過去6シーズンのうち4シーズンでコンストラクターズ選手権最下位10位だったウイリアムズは、昨年は着実に進歩し、7位に浮上した。
経験豊富なパット・フライが2023年11月1日にチーフテクニカルオフィサーとしてチームに加わり、ほぼ即座に野心的な採用活動を開始した。
今年の夏休みの後には、アルピーヌのテクニカルディレクターを務めたマット・ハーマンがデザインディレクターに就任し、今後数カ月の間に合計25人の新しい人材がチームに加わる予定だ。
このうち4人はレッドブルから、10人はアルピーヌから、数人ずつがメルセデスとフェラーリからの移籍となる。この多くの新しいエンジニアの採用は、ウイリアムズの上昇傾向を継続させるとともに、少し時代遅れで保守的になりすぎていたかもしれない組織に新風を吹き込むことにもなるだろう。
これはまた、オーナーである資本ファンドのドリルトンがチームに多額の投資をする用意があることの証明でもある。2024年前半の結果は期待ほど良くなかったかもしれないが、舞台裏では多くの良いことが起こっている。ウイリアムズは有望な未来への種まきをしているところなのだ。
■マイナス:スペアシャシーがなく、サージェントに欠場を強いる
チーム代表ジェームズ・ボウルズとチーフテクニカルオフィサーのフライは、ともに中期から長期の視点で物事を見ている。その影響で、2024年シーズン序盤には、数レースにわたりスペアシャシーなしに戦い、短期的には恥ずかしい出来事に直面した。
オーストラリアGPのプラクティスでアレクサンダー・アルボンがクラッシュ、スペアシャシーがないために、チームはローガン・サージェントのマシンをアルボンに与え、サージェントは欠場させられた。
そのサージェントは、ここまで36回のグランプリウイークエンドに参加してきて、今年のイギリスGPでは良いレースをしたが、全体的なパフォーマンスはチームを納得させるだけのレベルではなかった。いくつか大きなミスを犯し、予選では常にチームメイトより遅い。結局、ウイリアムズは2025年に向けてカルロス・サインツを獲得、サージェントの離脱が決まった。
■データ(2024年シーズン第14戦終了時)
コンストラクターズ選手権の順位:9位
チームメイト勝敗(予選):アルボン対サージェント 13:0
(サージェントはオーストラリアGPを欠場)
チームメイト勝敗(スプリント予選):アルボン対サージェント 1:2
チームメイト勝敗(ポイント):アルボン対サージェント 4:0
2025年の予定ラインアップ:アレクサンダー・アルボン、カルロス・サインツ
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