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徹底した改良メニュー ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテへ試乗 47kg減量 後編

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徹底した改良メニュー ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテへ試乗 47kg減量 後編

荷重移動のマナーに唸らされる

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテのインテリアは、ベースとするウルス Sからの変化が大きい。従来以上に運転へフォーカスしたデザインに仕上げたということだが、その狙いは果たされている。

【画像】47kg減量 ウルス・ペルフォルマンテ 競合の高性能SUV フェラーリ・プロサングエも 全154枚

ブラックのアルカンターラが車内全体を覆い、カーボン製トリムが随所を引き締める。雰囲気は至ってシリアスだ。

ドアハンドルやスタートボタン、ステアリングホイール中央の目印のレッドが、差し色として効いている。ドアハンドルなどはブラックも選べるというが、どこを引いてドアを開くのか、暗がりでは手間取りそうに思える。筆者はレッドの方が好きだ。

一通り確認を終えたところで、アルカンターラ巻きのステアリングホイールを握り、ウルス・ペルフォマンテを発進させよう。インテリアと同じ変化が、走りにも表れていた。

通常のウルスが軟弱ということはまったくない。だが、ウルス・ペルフォマンテではすべてが別次元に引き上げられている。あらゆる動的能力、旋回性や加速力、制動力に至るまでが、一層シャープさを増している。

特に筆者が唸らされたのが、コーナリング時の荷重移動のマナー。素早く左右へステアリングホイールを回しても、ボディロールが抑え込まれ、ピタリと追従し安定性を失いにくい。遅めの左コーナーでも、その片鱗を確かめられるほど。

高速コーナーの処理能力は驚異的

コーナーの頂点を過ぎれば、出口に向けて一気呵成にパワーを掛けていくことも可能。ハイスピードで次のコーナーへ突っ込むと、トルクベクタリング機能でリアタイヤが積極的にボディの向きを変化させていく様子も感じられる。

より軽く低い、スポーツカーのようにドライバーを軸に旋回するような挙動ではない。ペルフォマンテだとしても、ウルスは高く重すぎる。それでも、高速でサーキットを駆け巡ることを想像以上に楽しめる。舌を巻くほど。

無論速い。ウルス・ペルフォマンテは2150kgのSUVとしては実現不可能に思える勢いで、高速コーナーをヒタヒタと突っ走る。驚異の処理能力といえる。これで一般道での乗り心地が損なわれていなければ、感服させられるに違いない。

カーボンセラミック・ブレーキは、サーキットでの積極的な走りを見事に受け止める。試乗時は、加熱し過ぎフェードするような兆候もなかった。ブレーキペダルの踏み始めの反応と、感触が一層明確になればいうことはない。

今回の試乗はサーキット限定だったため、普段の道での印象は確かめられなかった。少なくともバネ下重量が削られているから、粗野な振る舞いではないと予想できるが。

ウェットでの能力にも興味が湧く。セミスリック状態のピレリ・トロフェオRは、ドライ・コンディションでは素晴らしいグリップ力を発揮していたが、雨がちな英国のアスファルトは苦手なはず。実際に試してみたいところだ。

ラリー・モードでオフロード性能も上昇

さて、サーキットでの試乗に続いて、後日にオフロードでもウルス・ペルフォマンテを試す機会があった。ラリー・フィンランドほど過酷なコースではなかったものの、不満ない能力を確かめることができた。

従来のウルス Sに実装されていた3種類のオフロード・モードは、ペルフォマンテではラリー・モード1本へ絞られている。トラクションコントロールの制御が控えめになり、ダンパーの減衰力が穏やかになり、ボディロールも大きくなる。

トルクベクタリングや後輪操舵のシステムも、ラリー・モードとして再調整されている。泥まみれの不整地へ全力で挑むために。この甚大な能力を、オーナーが最大限に引き出すことはないと思う。それでも、ウルス・ペルフォマンテはオフロードでも楽しい。

最も感心したのが、ドライバーズシートに多くのフィードバックが伝わること。クルマの挙動を体感として得られるため、積極的な運転をしやすくしている。路面の凹凸も難なく処理し、サーキット以上に荷重移動も効果的に機能していた。

ウルス・ペルフォマンテの仕上がりを、称賛しないわけにはいかないだろう。ランボルギーニの技術者は、ドライバーズカーとして足かせになる、重さや大きさといった物理的な縛りへ果敢に立ち向かった。開発を重ね、磨き込み、見事な仕上がりを達成している。

その反面、これほど能力の高い大型SUVが本当に必要なのか、疑問も抱かなくはない。少なくとも、筆者が心で描く理想モデル・リストの上位へは、入らないかもしれない。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(欧州仕様)のスペック

英国価格:20万9000ポンド(約3448万円)
全長:5137mm
全幅:2026mm
全高:1618mm
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:7.0km/L
CO2排出量:320g/km
車両重量:2150kg(予想)
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:666ps/6000rpm
最大トルク:86.5kg-m/2300-4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • この馬力でこのタイム出せるってやっぱすごいな。
    BMのSUVが見た目も含めてゴミに見える。
    同じエンジン屋でもBMはダメだな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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