パナソニックは、ジャパンモビリティショー2023で自転車の安全・快適運転をサポートする機能として、ITS(高度道路通信システム)による自転車とクルマの車車間通信技術を活用した取り組みを公開した。
これは、V2Xとして知られる、クルマと道路もしくはクルマとクルマを無線通信を用いて相互に情報を共有し、自動運転や円滑な交通社会のために活用する技術を応用したもの。
自転車にITS通信端末を搭載し、クルマとの車車間通信により、見通しの悪い交差点でお互いの接近を把握。事故リスクがある場合に、同じくITS通信に対応するクルマと相互に通知することで、事故を未然に防ぐというもの。
会場ではB2Xと称したITS搭載サイクルモビリティに乗って、ITS通信のないヒヤリハットな体験とITS通信がある車車間通信をバーチャルで体験できる。
見通しの悪い交差点への進入では、ITS通信がないと自転車も横からくるクルマも当然のように回避不能でぶつかるようなシチュエーション。これをまず体験。
次にITS通信ありで走り出す。交差点に差しかかるより前に、スマートフォンのような端末の画面に「クルマが接近」と注意を促す画面が表示される。これに気付いて停車すると、クルマも減速して停車した。ITS通信により互いを認識し、未然に事故リスクを回避したということだ。
その後、向こうのクルマから「お先にどうぞ」というメッセージが送られてきた。これに応えて交差点を通過すると「お礼を伝えましょう」と表示。このように意思疎通も図れ、感謝の気持ちを伝えることで互いが気持ちよく、安全運転の意識を高められる仕掛けで、今回パナソニックがテーマに掲げる「笑顔が循環するくらしへ。」に沿ったものとなっている。
今回のバーチャルデモンストレーションでは、スマートフォンのような端末を搭載していたが、実際に製品化する際にはもっとコンパクトな形状になるようだ。例えば電動アシスト自転車のコントロールボックスのようなサイズに、ITS通信装置やバッテリー、注意喚起を表示するディスプレイなどを搭載することを検討しているとのこと。
パナソニックでは今年に入ってITS通信設備のある公道で実証実験を開始しており、2025年の実用化を目指しているという。
また、デモンストレーション展示では、自転車へのITS通信装置の実装化を提案しているが、ほかにも電動キックボードなどへの搭載も視野に開発を進めているとのこと。さまざまなモビリティが安全に、安心して移動できる交通社会を目指している。
〈文と写真=ドライバーWeb編集部〉
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みんなのコメント
逆走してきて右に曲がる自転車とこんにちわ。
チャリンコが逆走しなければ出会い頭に衝突なんかしませんよ。