セダンタイプのクラウンがなくなる!? 90年代に隆盛を極めた名セダンを振り返る
先日、一部で報道されたセダンタイプのクラウン廃止のニュース。どこまで事実なのかは分からないが、セダン需要の冷え込みはここまで深刻なのかと考えさせる一件であることは間違いない。
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確かに現在ではファミリーカーの選択肢としてはミニバンはSUV、そして軽自動車が中心となっており、以前のように一家に一台セダンという状況ではなくなっているのは事実。
そこで、今一度セダンの良さを振り返ってみる意味でも、90年代に隆盛を極めた名セダンたちをピックアップしてみることにしたい。
専用足まわり&あえてのNAの「アンフィニ」グレードが存在した【マツダ・ファミリア】
現在ではプロボックスのOEM車である「ファミリアバン」にのみその名を残すだけとなってしまったファミリア。
そもそもファミリアのスタートが商用バンからだったので運命的なものを感じないわけでもないが、やはりファミリアはセダンがあってこそバンやハッチバックも輝いたと言えるだろう。
90年代のファミリアは、89年に登場したBG型、そして94年に登場したBH型が中心となるが、中でもやはり注目したいのがBG型に設定されていた「アンフィニ」だろう。
FC型RX-7にも存在していた(ちなみにカペラにも存在)グレードだけに知名度は高いかもしれないが、実はファミリアセダンにも設定されていた。このモデルには専用チューニングがなされた1.8LのNAエンジンが搭載され、フロントLSDや専用足回りがおごられたスペシャルなもの。あえてターボエンジンではなく、NAエンジンとしたところからもツウ好みのマシンということが伺いしれたのだ。
「世界一の技術を目指す」という錦の御旗のもとに生まれた【日産・プリメーラ】
「90年代までに技術の世界一を目指す」という日産のいわゆる901運動の象徴とも言えるのが、1990年にデビューした初代プリメーラではないだろうか。
欧州市場をメインマーケットとして開発されたプリメーラは、欧州車テイストを色濃くしたモデルに仕上がっており、マルチリンクサスペンションがおごられたフロントサスペンションの評価は非常に高く、一部では欧州車を超えたという評価も与えられたほどだった。
また、シートにも一般的なレバー式ではなく微調整が可能なダイヤル式の調整機構が備わるなど、細かな部分まで欧州車を手本としたところが伺い知れたが、前述のシャープな足回りも含め日本の一部ユーザーからは不満の声が出たことから、日本車風への改良が進んでしまった点が残念なところだった。
7代目のGTには「4A-G型エンジン」搭載【トヨタ・カリーナ】
「足のいいやつ」というキャッチコピーでデビューしたカリーナは、当初はセリカと多くのコンポーネンツを共有しており、セリカのセダン版と言えるようなスポーティさを持ち合わせていたモデルとなっていた。
しかし、1992年に登場した6代目モデルはそれまで存在していたスポーティグレードを廃止し、丸みを帯びたデザインと大型化したボディとなってしまっていた。ボディサイズの割に安価だったために販売台数的には一定の成果を上げていたが、カリーナらしさは失われてしまっていたのだ。
そのため、兄弟車関係にあったコロナとの差別化が曖昧になってしまったことを反省し、次の7代目ではより若々しいデザインに立ち戻り、トヨタの名機4A-G型エンジンを搭載したGTグレードも復活。往年のファンを喜ばせていた。
4台の中で唯一、現行のセダンモデルがある【ホンダ・アコード】
今回ピックアップした車種の中では唯一、セダンとして車名が継続されているアコード。とはいえ現行モデルの存在感は薄く、往年ファンからしてみれば物足りなさを感じてしまうことだろう。
そんなアコードが最も輝いていたのは、1993年から97年まで販売されていたCD型ではないだろうか。 それまでの5ナンバーサイズの呪縛から離れたアコードは、3ナンバー車らしい伸びやかなフォルムを実現し、最もスポーティなSiRグレードには190PSを発生させるH22A型 VTECエンジンが採用されていた。
そんなアコードのスポーティイメージを決定づけたのが、96年に全日本ツーリングカー選手権に投入されたことだろう。それまでシビックフェリオで苦戦続きだったホンダであったが、アコードを投入するやいなや2年連続でドライバーズチャンピオンを獲得。97年にはチームタイトルを獲得するほどの活躍を見せたのである。
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