メルセデス・ベンツの新型車「CLE」に試乗してきた。2023年7月にドイツで発表されたニューモデルで、従来のCクラスクーペとEクラスクーペを統合した新しいクーペモデルだ。
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ボディサイズは全長4850mm、全幅1860mm、全高1420mmで、ホイールベースは2865mmとなっており、先代のEクラス・クーペとほぼ同じ大きさがある。そしてCLEは、メルセデス・ベンツのクーペモデルの伝統と歴史を受け継ぐ新しいクーペとなり、ロングノーズには二つのパワードームと呼ぶ膨らみを持ち、フロントのオーバーハングは小さく、いかにも走りの良さそうなインパクトを与えるデザインだ。
試乗モデルはCLE200 Coupe SportsでISGを搭載したモデル。このCLEシリーズの国内導入モデルはAMG ラインが標準装備となっており、また試乗車にはドラバーズパッケージが装備されたモデルだった。ボディカラーはスペクトラルブルーで、とてもスタイリッシュ。メルセデス・ベンツの多彩なモデルが多く走る都内でも、一際目立つ存在で、振り返る歩行者もいたほどだ。
シャークノーズには立体的なスターパターンを配したグリルを持ち、スリムなLEDヘッドライトなど、やる気を感じさせる顔つきになっている。足元は20インチのオプションを履き、全身が丸~くツルッとしたサーフェイスはいかにも空力特性が優れていることを感じさせる。
Eクラスセダンのプラグインハイブリッドを試乗した時は、20インチサイズは突き上げがあったのだが、このクーペモデルは見事に履きこなしているのだ。
20インチサイズのタイヤも履きこなし、快適な乗り心地つまり、シャシーはセレクティブ・ダンピングシステム付きのスポーツサスペンションが標準で、オプションでダイナミック・ボディコントロールサスペンションを搭載している。これはドライブモードと連動して、シフトポイントの違いや足さばきの違いを作り出しており、いかに優雅に走りらせるかはドライバーのキャラクター次第と言えそうだ。
大柄なボディで2ドア。ルーフラインはなだらかな曲線を描き、ノーズは長くダイナミックで力強い、そしてエレガントなボディライン。これだけの美貌を備えたCLEのパワートレインを語るのは野暮な気もするが、お伝えすると2.0Lの直列4気筒ターボエンジンで、150kW(204ps)/320Nmというスペック。このエンジンとミッションの間に第2世代のISGを搭載し、電動ブーストとして23ps(17kW)/205Nmをアシストする。ミッションは9速の9G-Tronicを搭載している。
2.0L4気筒ターボに9速の9G-Tronicを搭載もちろん、暴力的な走りは見せないが、十分なパワーとトルクを兼ね備え、ダンディズム溢れる走行シーンを描くことができる。とりわけ女性が乗りこなす姿を想像してしまうのはアメリカ映画を見すぎたせいかもしれない。
またリヤ・アクスルステアリングも装備していた。これはリヤ操舵機能で、かつては違和感しかなかったものが、技術の進歩は凄まじく、快適そのものへと進化している。もちろん駐車場での最小回転半径は5mと小さく、コンパクトカーよりも小さく曲がれると感じる。また高速走行でのどっしり感は、リヤ操舵ならではの安定感で、下半身がしっかりしている安心感は落ち着いた態度につながる印象を持つ。
インテリアは専用開発のスポーツシートで、リラクゼーリョン機能(マッサージ)を備えた新設計のシートを装備している。ホールド性もありつつ、適度なゆるさもあるので、スーツを着たままでも快適に過ごせるシートだ。一方、後席はある程度実用性を備えていることに驚いた。こうしたスタイルのモデルでは、後席の居住性は犠牲になるものだが、CLEでは少しの時間であれば問題なく利用できる空間が確保されている。お世辞にも長距離OKとは言い難いが。
個人的には大きなボディなのに、2ドアでクーペボディというモデルが最も贅沢なクルマだと思っているが、こうした何らかの犠牲を作るからこそ手に入れられる魅力だと妙に納得してしまうのだ。昨今、クルマの所有の仕方も変わりつつある中で、1000万円を切る価格は所有欲をそそるモデルではないだろうか。
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The post メルセデス・ベンツCLE 2ドアクーペならではのエレガントさと美しさに魅了される【試乗記】 first appeared on オートプルーブ - Auto Prove.
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