もくじ
どんなクルマ?
ー 三菱独自開発による重要な1台
ー 充実した装備に加え、三菱らしいS-AWCを搭載
長寿車ランキング 世代交代なしに10年以上続いたモデルとは 前編
どんな感じ?
ー かつてのイメージより車内の質感は向上
ー 冴えないドライブトレインながら高速巡航は安定
ー 乗り心地はクロスオーバーらしい質感
「買い」か?
ー 総合的には否定する要素が少ない
スペック
ー 三菱エクリプス・クロス4WDのスペック
どんなクルマ?
三菱独自開発による重要な1台
今回試乗するこのモデルは、おそらく三菱自動車が単独で企画し、設計、製造される最後のクルマとなるだろう。
と言っても心配はご無用。ダカールラリーで幾多の勝利を重ねてきた自動車メーカーが幕を閉じるわけではない。むしろ、ルノー日産アライアンスの一員となることで、ふんだんなプラットフォームやパワートレインなどの共有を見込めると考えていい。
このエクリプス・クロスは、コンパクトなASX(RVR)と、アーキテクチャーを共有しているフルサイズのアウトランダーの間を埋める、ミドルサイズ・クロスオーバーとして重要なモデルとなる。おそらく収益の面でも期待できるはず。
スターティングプライスはかなり挑戦的で、2万1000ポンド(318万円)からと、お手頃になっており、上位グレードでも2万8000ポンド(425万円)を下回る見込み。ライバルが非常に多く存在している、全長4.5m程度のクロスオーバーとしては、重要な数字と言える。
モーターショーでのコンセプトカーのデザイン要素を、量産モデルに展開するという戦略をとっている。フロントバンパーのクロームメッキは若干安っぽくも見えるが、金属的な雰囲気はカッコ良くも見える。デザイナーは、ひとつのアルミニウムの塊から削り出したように見えるスタイリングを目指したと言うが、その意図は伝わってくる。
リアガラスはトヨタ・プリウスのように上下に分割されている。テールライトのガーニッシュが幅広く収まっているだけでなく、優れた視界も確保している。
充実した装備に加え、三菱らしいS-AWCを搭載
エントリーグレードは前輪駆動と6速マニュアルとなるが、多くのユーザーは4輪駆動とCVTを選択するだろう。この4輪駆動を、三菱はスーパー・オールホイール・コントロール(S-AWC)と呼んでおり、基本は前輪駆動だが、必要に応じて50:50の割合で後輪へもトルクを伝達することが可能。今年後半に追加されるショーグン・スポーツでは、より実践的な仕様となり、三菱の存在感を高める事になる。
ダッシュボードには、アンドロイド・オートとアップル・カープレイに対応したタッチスクリーンが備わり、レクサス風のタッチパッドからの操作もできる。三菱車にはナビゲーション・システムが備わらないから、スマートフォンを接続して、グーグルマップなどのアプリが役に立つはず。
一方で、ナビが無くても、その他の装備は充実している。
エントリーレベルのエクリプス・クロス「2」には、リアビューカメラにオート・ハイビーム、デジタルラジオ、LEDデイライト、オートエアコン、プライバシーガラスなどが備わる。
1300ポンド(20万円)高くなる「3」には、18インチのアルミホイルにフロントシートヒーター、パーキングセンサー、キーレスエントリーなどが加わる。さらに2400ポンド(37万円)高の「4」には、本皮内装にパノラミックサンルーフ、LEDヘッドライト、アメリカ・ロックフォード製のサウンドシステムが追加される。このグレードでの価格が、2万8000ポンド(425万円)となる。
ちなみに、なぜか「1」というグレードは存在しない。
車内を観察してみよう。
どんな感じ?
かつてのイメージより車内の質感は向上
三菱のデザイナーは、ダッシュボードを幅いっぱいに広がるシルバーのライナーで、上下に分割した。その上半分はインフォメーションに関するエリアで、下半分は操作に関わるエリアに分かれている。
7インチのタッチスクリーンは小ぶりだが、すっきりしていて操作性は悪くない。ヘッドアップディスプレイのリフレクターは大きいものの、戦闘機のコクピットの様には感じないだろう。全体的な質感は、かつての三菱車よりも上がったように感じられる。
スリークなデザインの代わりに、リアのラゲッジスペースは削られており、特にセアト・アテカなどと比較すると、その差を感じるはず。一方で前席のヘッドルームは充分広く、足元も広々。リアシートは最大200mmスライドするから、後席でも狭さを感じることはないと思う。ただし、ラゲッジスペースや座席の広さに関しては、購入する際の優先順位がどこにあるかで、受け取り方も異なるはず。
ディーゼルエンジンも秋には登場する予定だが、今のところは比較的力強い1.5ℓのガソリンエンジンのみとなる。三菱としては、ディーゼル車に対する規制強化などで、ガソリン車に戻ってくるユーザーへのアピールがあると思われる。
もしかすると、かつてのラリーカーによる栄光の記憶にも期待しているのかもしれない。
冴えないドライブトレインながら高速巡航は安定
エンジンは驚くほどスムーズで、スロットルレスポンスも丁度よい。公表されている燃費は14.3km/ℓで、二酸化炭素排出量は159g/km。特に驚くような数字ではなく、競合モデルのディーゼルエンジンよりは劣っている。
CVTは8段スポーツモード付きとなるが、想像以上に冴えない仕上がり。パドルでの変速も、ほとんど意味を感じない。この手のトランスミッションは往々にして、穏やかなスロットル操作による滑らかなドライビングスタイルが適していると思う。
最大トルクは1800~4500rpmで発生するから扱いやすい。少し賑やかなサウンドが耳に届くが、ソウルフルな音質ではないけれど、高負荷時に耳障りという程でもない。
最高出力は162psだから、エクリプス・クロスが俊足だとは感じないが、それ以上の加速も必要ないように思える。クルマの雰囲気に合っていると感じるし、追い越し時には必要十分な加速はしてくれる。
高速巡航時でもエンジン音の存在感は変わらないものの、大きなドアミラーにも関わらず、風切り音は高級感を感じるほどに小さい。
エクリプス・クロスは、意外にも高速道路での巡航走行が得意分野と言えそうだが、その乗り心地はどうだろうか。
乗り心地はクロスオーバーらしい質感
エクリプス・クロスのサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンクとなる。
英国の道路状況でも、多くの場面で良い乗り心地を提供するものの、ツギハギの多い荒れた路面では処理しきれていない様子。優れたロールコントロールと縦方向の柔軟性を期待してしまうが、あえて不平を言うほどでもないと感じる。
エクリプス・クロスを含めて、このサイズのクロスオーバーの場合、上質さに欠ける乗り心地には多くのモデルが手を焼いているようだ。設定には限界があるのだろう。
舗装路だけでなく、雪道や未舗装路にも柔軟に対応する4輪駆動システムを搭載するエクリプス・クロス。トラクションが効かなくなる事はなさそうだが、万が一に備えてブレーキを制御によるアクティブ・ヨーコントロールが備わる。かつてのランサー・エボリューションに搭載されていた、デフギアによる制御とは異なるけれど。
シャシー設定は、ダイナミクスの高さよりも安定性の高さに軸が置かれている。優れたグリップ力と素早いステアリングレスポンスを持ち合わせていても、心から楽しめるような乗り味には至っていない。
「買い」か?
総合的には否定する要素が少ない
ミドルサイズのクロスオーバーの購入を検討しているなら、エクリプス・クロスは充分にその候補にはなり得る。否定する要素が少ないクルマだ。
ピックアップトラックのL200でも知られる自動車メーカーによる最新モデルで、優れた安全技術を含む装備類も充実している。
燃費とラゲッジスペースの狭さは気になるポイントではある。しかし、数名の乗員と荷物を積んでの長距離ドライブを頻繁にするなら、ディーゼルエンジンを積んだクロスオーバーのライバルよりも、適していると言えるだろう。
三菱エクリプス・クロス「3」4WDのスペック
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