昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は、昭和54年発売の日産 セドリック ターボだ。
新時代を築く国産初のターボチャージャー車
日産 セドリック ターボS:昭和54年(1979年)12月発売
21世紀も20年近く経った現在ではまったく珍しい存在ではなくなってしまったターボモデルだが、日本で初めて乗用車の分野にターボチャージャーの技術が導入されたのは、昭和54年(1979年)のことだった。
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ここで紹介する1979年12月発表のセドリック ターボ、そして姉妹車として設定されていたグロリア ターボが、日本車では初のターボチャージャーを備えたモデルである。
自動車を製造し販売するためには、メーカーが型式認定を運輸省(当時)から取得しなければならない。当時は「ターボ=パワー」のイメージが先行していて、世を上げた省エネブームの中ではとても認可など下りそうになかったが、ターボの特質である「排気エネルギーの再利用はエンジン効率を高める」という点を、うまく省エネに結びつけることで、見事にターボの認可を勝ちとった。
前例があれば後は雪崩のごとく…というわけで、このセドリック ターボ登場以降、日本車にターボ時代の幕が開いた。
4ドアセダンと同HT(ハードトップ)の両ボディが設定されたセドリック ターボだが、その話題の中心は何といっても搭載されるパワーユニットにあった。
L20ET型と呼ばれた1998ccの直列6気筒SOHCエンジンが発揮した最高出力は、実に145ps/5600rpm。そのベースとなったL20E型エンジンの最高出力が130psだったから、ターボ機構を導入したことで15psのパワーアップが実現したことになる。
さらに顕著な違いを見せるのは最大トルクで、L20ET型エンジンは21.0kgm/3200rpmを発生した。これはL20E型に対してプラス4kgmにもなる。
とかくターボエンジンというと純粋なスポーツモデルを想像しがちなのも当然だが、まず高級車と位置づけられるセドリックからそれを導入した日産の狙いは、豪華で重厚なイメージだけが先行するセドリックにスポーツイメージを持たせることにあったようだ。
実際、セドリック ターボの走りは相当に余裕のあるもので、本格的な高速セダンモデルの登場として、ユーザーからも高い評価が得られた。
セドリック HT ターボS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4690×1690×1410mm
●ホイールベース:2690mm
●重量:1390kg
●エンジン型式・種類:L20ET型・直6 SOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:145ps/5600rpm
●最大トルク:21.0kgm/3200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/70HR14
●価格:226万3000円
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