■新型「キックス」は全車電動パワートレイン搭載で登場
日産が2020年6月に発売する新型「キックス」は、全車が電動パワートレインのe-POWERを搭載。ガソリン仕様は設定されないグレード展開となっています。
日産が「e-POWER」に続く技術を発表! その名も「e-4ORCE」ってなんて読む?
他社のコンパクトSUVはガソリン仕様とハイブリッド仕様を設定するなか、なぜ新型キックスはe-POWERというハイブリッド仕様のみに絞られているのでしょうか。
e-POWERは、日産が2016年に同社のコンパクトカー「ノート」から採用を始めたシリーズ式ハイブリッドシステムです。
エンジンの力が駆動輪へ直接伝わることはなく、搭載される1.2リッターエンジンは発電に専念。モーターがタイヤを駆動することで走行します。
ノートに続き、ミニバンの「セレナ」にも搭載されましたが、この搭載実績のある2車種は、いずれもe-POWER仕様のほかにガソリン仕様が存在しました。
2016年にノートe-POWERを新たに発売した際には、発売後2週間の購入者のうち8割がe-POWERを選択するなど、e-POWERの人気が高いことは間違いありませんでしたが、それでも価格が抑えられたガソリン仕様へのニーズは依然として存在します。
※ ※ ※
日産は新型キックスの発売時点で、同車にe-POWER以外の仕様を設定しない理由を明確にしてはいませんが、生産される工場や登場した経緯が、その理由になると推察されます。
まず、ノートとセレナは、それぞれガソリン仕様の後からe-POWER仕様が設定された形となります。ちなみに、日本向け仕様に関しては、ノートは神奈川県の追浜工場、セレナは福岡県の日産自動車九州の工場で生産されます。
一方、日本向け仕様の新型キックスは、日産がタイに設立した工場で製造されるモデルとなります。
日産のタイ法人は、日本に先行して新型キックスのタイでの発表を2020年5月15日におこないましたが、タイ市場で販売される新型キックスもすべてe-POWERとして登場したのです。
ブラジル市場や中国市場向けのフロントフェイスが異なるキックスにはガソリン仕様もあるものの、日本へ輸出されるタイ仕様のキックスがe-POWER仕様へ一本化されている以上、しばらくの間、日本市場ではe-POWER仕様の新型キックスのみが販売されると見られます。
また、新型キックスのe-POWERについて、チーフマーケティングマネージャーの小木曽氏は、次のようにコメントしています。
「e-POWERは日産独自のパワートレインで、踏んだ瞬間に違いがわかります。ノートとセレナでも好評をいただいているe-POWERを、ひとりでも多くのお客さまに体験してもらいたいです」
※ ※ ※
このように、タイでの生産過程や日本でe-POWERが売れ筋だという点から新型キックスはe-POWERのみで発売されることになったようです。
■日本仕様には「プロパイロット」が標準装備!
タイで販売される新型キックスと、日本で販売される新型キックスは、モーターの最高出力129馬力・最大トルク260Nmという動力性能をはじめ、多くの部分が共通しますが、一部仕様が異なる部分も存在します。
いくつか例を挙げると、まず日本仕様のグレードは「X」(消費税込275万9900円)と「X ツートーンインテリアエディション」(消費税込286万9900円)の2グレード展開ですが、タイでは「S」、「E」、「V」、「VL」の4グレード が展開されます。
装備の充実度によって差が設けられており、価格は88万9000バーツから104万9000バーツ(日本円で約308万円から約364万円、1バーツ=3.47円で計算)となります。
また日本だけの仕様として、「プロパイロット」や「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」が全車標準装備されています。
そして、日本仕様に設定されていてタイ仕様にないボディカラーとして、「サンライトイエロー」や「ダークブルー」などがあります。一方、シートの仕様は日本仕様よりタイ仕様の方が多いです。
※ ※ ※
新型キックスは、日産が国内市場へ投入する登録車としては2017年10月に発売された2代目「リーフ」以来約3年ぶりとなる期待の新モデルです。
ユーザーへ新たな話題を喚起するコンパクトSUVとして注目されています。
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みんなのコメント
ここが最大のポイントでしょう
つまり、日産としては売れるとは1ミリも考えていない
単なる新型導入ラインナップ数合わせ