アウトモビリ・ランボルギーニはモントレー・カー・ウィーク2024において、まったく新しいスーパースポーツカー「テメラリオ」を発表しました。「実はウラカン好き」の色眼鏡で見るとこの最新モデル、「画期的」の濃度でいうならもしかすると「兄貴分」を凌いでいるかもしれません。(写真:アウトモビリ・ランボルギーニ)
レーシングスペックの技術で内燃機関を素養から磨く
ランボルギーニ テメラリオは、レヴエルトに続くハイパフォーマンス電動車(HPEV)シリーズの第二弾。車格としては、「ウラカン」の後継モデルに当たります。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ウラカンは2014年に正式発表して以来、ペルフォルマンテ、EVO、STO、テクニカ、ステラート、STJとその世界観を拡げながらスパイダー、RWDといった豊富なバリエーション展開を背景に、およそ10年で2万5000台以上を売りまくってブランドの歴史に残る人気モデルとなりました。
思うに「かなり重い」そのバトンを受けとったテメラリオですが、最大の進化は伝統のV10から独創のV8ハイブリッドユニットにスイッチしたことでしょう。
ミッドに搭載される4L V8ツインターボは、量産車として初めて毎分最大1万回転まで回すことを許されました(最高出力は9000~9750rpmで発生)。ウルスに搭載される4L V8とは異なる新開発ユニットで、ボアストロークは90×78.5mmのショートストローク仕様(従来型は86.0×86.0mmのスクエア)、圧縮比9.3(同9.7)となっています。
180度の角度を持つフラットプレーンクランクシャフト、DLC(Diamond Like Carbon)で覆われた堅牢で信頼性の高いフィンガーフォロワー式ロッカーアーム、チタン製コンロッドなど、レーシングスペックのテクノロジーが惜しみなく盛り込まれました。
このエンジンとデュアルクラッチトランスミッションとの間に配置された電気モーターには、シフト時のトルク変動を抑制する「ギャップフィラー」としての役割が与えられています。低回転域から優れたレスポンスを最大300Nmの太いトルクでアシスト、強力なトルクを高回転域までシームレスに生み出すことを可能にしました。
ちなみにこのコンパクトな電気モーターはスターターモーター、ジェネレーターとしての機能も兼ね備えています。
一方でフロントアクスルに配されたふたつの電気モーターも同様にブレーキ回生を行いつつ、より「最適かつ強力な駆動力」を担っています。
フロントモーターにも小型軽量で(1個当たりの重量はわずか15.5kg)、高出力化に最適なアキシャル型を採用しています。こちらはそれぞれ110kWの最高出力もさることながら、トータルで最大トルク2150Nmもの最大トルクを発生するというから、驚きです。
突き詰められた「自在感」をさらに進化させるeアクスル
フロントモーターが必要に応じて前輪に圧倒的なトルクを配分する、フルタイム全輪駆動・・・と言ってしまえば簡単ですが、内燃機関だけでも800ps/730Nmのハイスペックなのに、さらに高応答性、強トルクの3つの電気モーターで構成されるハイブリッドシステムがもたらすであろうドライバビリティの進化への期待値は、高まるばかりです。
そもそもブランド独自のビークルダイナミクス制御技術「LDVI=ランボルギーニ ディナミカ ヴェイコロ インテグラータ」を採用した先代ウラカンEVOから、ランボルギーニは単なる力強さだけでなく、それを意のままに扱うことのできる優れた「コントロール性能」を実現したように思えます。
とくにハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルなどの操作から姿勢変化などを20ミリ秒先まで予測し、あらかじめ各デバイスの制御を行うフィードフォワード制御によるサポートは、次元の違う安心感につながるものでした。その効果は、サーキットはもちろん日本のタイトなワインディングなどでも実感することができました。
以前、サーキットでのベストラップを狙ったドライビングモード「コルサ」で、河口湖に沿って走るワインディングロード、芦ノ湖スカイラインで試乗したことがあります。ドライバーは常にニュートラルな車体姿勢による安全マージンに守られながら、操る楽しさを十二分に満喫させてもらえたのでした。
テメラリオのパワートレーンは、eアクスルとの組み合わせで進化版LDVI(ver2.0)が採用されています。これまでランボルギーニが突き詰めてきた「自由自在」感を、確実にレベルアップしてくれるでしょう。圧倒的瞬発力、効率的かつ「攻めた」回生コントロールもさることながら、こうご期待は電動化による精緻かつ絶妙なトルクベクタリングの味にあるように思えます。
「高回転のV8ツインターボと軸流フラックスタイプの3つの電気モーターを組み合わせることで、これまでの量産モデルでは見られなかった非常に洗練されたアプローチをとっています。その成果は、世界中のランボルギーニファンを感動させるでしょう。テメラリオからスーパースポーツカーは、新たなパラダイムに突入したのです」
テメラリオの最高技術責任者であり、アウトモビリ・ランボルギーニのChiefTechnical Officerを務めるルーヴェン・ムーア氏のそんなコメントが、いやおうなく期待値を煽ってくれます。もちろん、ウラカン比で最大50%削減されたというCO2排出量にも、注目べきなのですが。
未来に向けて大きな一歩を踏み出したデザイン・フィロソフィ
ダイナミック性能の革新とともに、テメラリオはデザイン、インターフェイスなど「カッコよさ」の面でも、時代の変化に寄り添って大きく生まれかわっています。
たとえばエクステリアデザイン。一見した印象は、レヴエルトが比較的トラディショナルな「ランボルギーニらしさ」を感じさせるのに対して、テメラリオはさらにもう一歩、新しいステージに踏み出した感があります。
「六角形」と「Y字」のモチーフはランボルギーニにとって、生み出された当初から受け継がれてきたデザインエレメントです。スポーティでありながらエレガント、という独自の個性が、ブランドとして強みのひとつであることは言うまでもありません。
テメラリオでもまた、六角形のコンセプトが随所に用いられています。フロントのデイタイムランニングライトシグネチャーをはじめ、テールライト、エキゾーストパイプ、サイドエアインテークなど、全身で主たるデザインテーマとして用いられていることがわかるでしょう。
一方でやや控えめ感があるのが「Y字」のエッセンスです。フロントバンパーの左右に配されたダクトワークやサイドのエアインテーク、ボンネットの大胆不敵なプレスラインなどにその片鱗は漂いますが、ライトまわりを含めたアピールはややマイルドになっているように思えます。
アウトモビリ・ランボルギーニのデザインディレクター、ミティア・ボルケルト氏による「すっきりとした、しかしエキサイティングなテメラリオのスタイリングにより、ランボルギーニの本質的で象徴的なデザイン言語に新たな形を与え、未来に向けて大きな一歩を踏み出しました」というコメントは、なかなかに意味深ではないでしょうか。
同様のグラフィックコンセプトは、実はインテリアにも採用されています。従来に比べるとややスリム化されながらも情報量に富んだ3つのディスプレイを中心とするHMIは、非常にスマートな印象があります。「のんびりドライブ好き」としては、ブランド史上もっとも先進的と謳われるマルチメディア体験にも興味津々です。
アウトモビリ・ランボルギーニの会長兼CEOであるシュテファン・ヴィンケルマン氏は、テメラリオについて「正真正銘の『フオリクラッセ』です」と語りました。
スポーツ選手としてひときわ優れた才が与えられた「超一流」を意味するそのイタリア語をあえて使っていることにブランドとしての圧倒的な自信を感じるのは、きっと私だけではないでしょう。
公表されている「テメラリオ」全データ(2024年8月21日現在/欧州仕様)
【Lamborghini Temerario TECHNICAL SPECIFICATIONS】
■Powertrain
エンジン種類:4L V8 ツインターボ <Hot-V>
排気量: 3995.2cc
ボア×ストローク: 90mm×78.5mm
圧縮比:1:9.3
エンジン最高出力: 800ps/9000-9750rpm
エンジン最大トルク: 730Nm/4000-7000rpm
システム総合出力:920ps
冷却システム:Liquid cooled - dedicated circuit for HV components
エンジンマネジメントシステム:Central DI - Bosch
潤滑システム:ドライサンプ
■Transmission
変速機:8速DCT
■Hybrid System
バッテリー:Lithium-ion high specific power battery with pouch cells
ジェネレーター:P1 eMotor
フロント e-axle 最高出力(総合):220kW /3500rpm
フロント e-axle 最大トルク(総合):2150Nm
■Performance
最高速度: 343km/h
0→100 km/h加速:2.7秒
100→0 km/h 制動距離:32m
■Body and chassis
フレーム:フルアルミニウム
ボディ: アルミニウム
■Wheels
タイヤサイズ フロント・リア:255/35ZR20 ・325/30ZR21
装着タイヤ:ブリヂストン ポテンザ スポーツ
ホイールサイズ フロント・リア:20×9J・21×11.5J
■Braking system
ブレーキ:CCB Plus (Carbon Ceramic Brakes Plus) brakes with fixed monoblock calipers in
aluminum with 10 pistons (front) and 4 pistons (rear)
フロントブレーキ ディスク径:410×38mm
リアブレーキディスク径:390×32mm
■Dimensions
全長: 4706mm
全幅(ミラーを除く):1996mm
全高:1201mm
ホイールベース: 2658mm
乾燥重量:1690kg
ウェイトtoパワー レシオ: 1.84kg/ps
[ アルバム : はオリジナルサイトでご覧ください ]
[ アルバム : ランボルギーニ テメラリオ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
9500回るV12も凄いけど。最近のランボルギーニには期待。