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ブリヂストン・ポテンザ新タイヤ「S007A」 ドライウェット・コース/高速・一般道を試す

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ブリヂストン・ポテンザ新タイヤ「S007A」 ドライウェット・コース/高速・一般道を試す

もくじ

どんなタイヤ?
ー グランツアラー向け銘柄が先祖
ー RE系とレグノ系の中間

『ブリヂストン・ポテンザ新タイヤ「S007A」』すべての画像をみる

どんな感じ?
ー 高速/一般道の直進性
ー ドライ/ウェットは?

「買い」か?
ー 三拍子揃った魅力

どんなタイヤ?

グランツアラー向け銘柄が先祖

ポテンザS007Aは8年前に登場したS001の後継として開発された。ポテンザなら「RE」じゃないの? なんで001から007に飛ぶの? とふたつの疑問が浮かぶ。実はこれがS007Aのコンセプトを理解する上の要点でもある。

ポテンザRE71/710系がスポーツラジアルのトップエンドとして展開していた頃に、BSから別志向の高性能ラジアルとしてエクスペディアS-01が登場する。サーキット走行までカバーするポテンザに対してエクスペディアは超高速ツーリングも視野に入れた高性能高級車、つまりグランツアラー向けのモデルだった。これがS007Aの先祖だ。




RE系とレグノ系の中間

そのエクスペディアは一代ブランド名となり、後継として登場したS-02からは「ポテンザ」の名称が海外でも受け入れられたことから同ブランドに組み入れられた。余談だが、「ポテンザ」を用いなかったのは、その語感が英語圏では性的な連想を引き起こす可能性があると考えたためだが、結果的には単なる杞憂でしかなく、国際ブランドとして確立されている。

「007」はBSラインナップではRE070の後継にもなり、そこから「7」を引き継いだとのこと。ただし、S001はRE050の後継でもあり、ならばS005でもよかったわけで、命名の真意は今ひとつ不明。8年を経た時の重みと考えてもいいだろう。

「A」はブランドしての意味合いはないのだが、OE供給(新車装着)用に対してリプレース用を示す。OE用とはトレッドパターンが多少異なり、そのため認証もOE用とは別となり、識別のための名称変更が必要なのだ。

要するに最新のグランツアラー向けに開発された最新の高性能ラジアルがS007Aである。スポーツ&サーキットのRE系に比べるとコンフォート寄りに向けたと理解してもよく、ラインナップ上ではRE系とレグノ系の中間に位置する。

しかし、試乗した印象ではグランツアラー向けのトップエンドと考えるのが妥当と思えた。




どんな感じ?

高速/一般道の直進性

スポーツラジアルとは違う設計

トレッド中央部には4本の太い縦溝、ショルダー部には細溝を配し、トレッドの顔付きは高負荷での接地性を追求したオンロード用高性能ラジアルそのもの。タイヤの形を保持する骨格とも言える「ケース」は高剛性設計。限界性能志向のスポーツラジアルにも似た設計思想である。

ところが実際に走らせてみるとグリップ限界と限界でのコントロール性を重視したスポーツラジアルとは異なる設計であることに気付く。

冒頭で述べたとおり、グランツアラー向けの高性能が身上なのだから当然とも思えるが、操安面の最大の特徴は急激な変化を抑えた反応と据わりのよさにある。

高速道路と一般道では直進の据わりのよさが印象的だ。

中立をきっちりを押さえるような神経質な操舵を必要としない。ステアリングに軽く手を添えていればいい。操舵の微妙な揺れや路面の起伏に無反応というわけではないが、唐突な動きはなく、「だいたい」くらいの按配でステアリングを保持していれば、狙った走行ラインを維持する。

レーンチェンジやコーナリングでの操舵感も同様であり、タイヤ踏面の接地が安定しているのが走行感覚からも伝わってくる。




ドライ/ウェットは?

テストコース内ではドライとウェットのハンドリング路で滑らせた状態からの回復まで試してみた。どちらも滑り出しでの急激なグリップダウンは少なく、回復も早く穏やかである。急激なグリップ変化がないのは心理的には安心であり、操縦面では修正のタイミングや操作量の厳しさを減らす。精神的なストレスも高いウェット路ではその恩恵も一入だ。

ただ、設計要点として語られている高剛性の「ケース」やブロックだけが、この特性をもたらしたとは言い難い。どちらかと言えば変形を抑えるだけでは接地面圧中心の移動が大きくなり、ピーキーな特性になりやすい。S007Aが示した特性は、横力やスリップアングルの変化による接地面圧中心の移動が少ないタイプのもの。接地性の安定が素晴らしい。

「高剛性ケース」だけじゃない

これについて開発陣に尋ねたところ、サイドウォールは横力を受けた時にトレッド面接地角が大きく変わらないように屈曲部を設定。つまり、ケースはリンクサスのように作用する設計なのである。大きな横力を受けた時にも中央部の接地圧抜けを予防するため踏面のクラウンRを強めにしているとのこと。

コンパウンドは硬め、かつ摩擦力の高いものを用い、ブロック剛性とグリップ力を両立させているという。S001からの進化はこういった工夫によってもたらされたものであり、それがグランツアラー向けのトップエンドたる性能をもたらしたわけだ。




「買い」か?

三拍子揃った魅力

グリップ限界は高く、限界付近を維持するのも容易、ならば本格スポーツには? タイヤのクッションストロークは抑えられているが、路面当たりは穏やかであり、舗装状態によるロードノイズの音質変化も少ないので、乗員に優しい乗り味とも言える。

もちろん、サーキット走行など追い込んだ時の微妙なコントロール性を求めたり、路面状態を意識しない快適性を求めれば、その分野のスペシャリストとなるRE-71RやレグノGR-XIには及ばない。

ただ、高速域の扱いやすさは群を抜いている。クルマや乗り手を選ばない懐深いグリップ特性や操縦感覚、良質な乗り味などは長距離ツーリングにおける運転ストレスを大きく軽減する。

高性能車の走りを苦もなく引き出せる、あるいは「高性能」「安心」「容易」の三拍子揃いは多いに魅力的であり、走りの質感も向上する実践的な高性能でもある。高級高性能のグランツアラーはもちろん、長距離用途の多いドライバーにはイチ押しである。



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