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V10協奏曲 ランボルギーニ・ガヤルド ポルシェ・カレラGT ダッジ・バイパー それぞれの魅力 後編

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V10協奏曲 ランボルギーニ・ガヤルド ポルシェ・カレラGT ダッジ・バイパー それぞれの魅力 後編

ガヤルドやバイパーより遥かに熱狂的

レーシングカーの様相といえるエンジンルームとは裏腹に、カレラGTのドアを開くと上質なポルシェの空間が広がる。身体をしっかり支えるシートは柔らかなレザーで覆われ、トリムにはカーボンが惜しみなく用いられている。

【画像】V10協奏曲 ガヤルド カレラGT バイパー 現行のウラカンとR8 名作レクサスLFAも 全120枚

運転席と助手席の間を、スリムなセンターコンソールが仕切る。高い位置にシフトレバーがレイアウトされ、丸いノブは往年のル・マン・マシン、917を想起させるウッド。ステアリングホイールは、想像より大きい。

メーターパネルには、5つのリングが重なる。ポルシェの伝統を守るように。ちなみに、カレラGTはすべて左ハンドル車だった。

5.7L V型10気筒エンジンを目覚めさせる。クラッチペダルは重く急に繋がるため、アクセルペダルはボディが進み始めてから優しく倒すのがいい。トルクが極めて太く、苦労なしに発進できる。

プッシュロッドのサスペンションは、明らかに硬い。路面の凹凸へ逐一反応する。

開けた道で速度域が高まると、カレラGTはドライバーとの距離を縮める。エンジンサウンドは、ガヤルドやバイパーより遥かに熱狂的。5000rpmを超えると音質がハードになり、前方へ吸い込まれるようなパワーが爆発的に生み出される。

シフトレバーは軽く素早く動かせる。ゲートの間隔はタイトだが、正確に次のスロットへ倒せる。発進時はやる気が感じられなかったカーボンセラミック・ブレーキも、質感と制動力が見違える。

今でも極めてモダンなスタイリング

ステアリングも素晴らしい。フェラーリほどクイックではないものの、リニアでスムーズ。好ましいフィーリングやフィードバックが手のひらへ伝わる。

グリップは甚大。姿勢制御にスキはない。カレラGTの本領を探るには、公道では許されない速度域へ踏み入れる必要がある。

この体験の後では、ランボルギーニ・ガヤルドが手懐けやすく感じられる。そもそもアウディ傘下になったことで、乗りやすさが大きく向上している。

現オーナーはアンドリュー・フィリップス氏。購入したばかりだが、グレートブリテン島から南フランスまで、往復3000km以上の旅行を既に楽しんだそうだ。

登場は20年も前だが、スタイリングは今でも極めてモダン。シャープなエッジで包まれた滑らかな面構成は、カウンタックのイメージとも重なる。

ドアを開くと、落ち着いたブラックのインテリアが出迎える。スーパーカーらしいドラマチックさは薄い。底辺がフラットになったステアリングホイールが、特別なモデルであることを静かに主張する。

低いフォルムから想像する以上に、人間工学は理想的。ポルシェと遜色ない。確かに、購入直後に長旅を計画したとしても不思議ではない。

発進させれば、V10エンジンが3000rpm辺りから有り余るパワーを放ち出す。6500rpmを過ぎると、エッジの効いた咆哮が勢いを増す。カレラGTの究極的な音響体験には届かないにしても、アルプス山脈にサウンドがこだまする様子が思い浮かぶ。

素晴らしくまとまりのいいマッスルカー

アンドリューのガヤルドにはeギアが組まれ、低速域での変速時にはアクセルペダルの加減が求められる。慣れが必要といえるが、ひとたびスピードが乗ってしまえばシームレスに動く。

ステアリングホイールに伝わる感触は薄いものの、反応は正確。レシオも、スーパーカーとしてはスロー側にある。グリップ力に不足はなく、カーブを攻め込んでいくと穏やかにアンダーステアへ転じていく。驚くほど乗りやすい。

四輪駆動システムを活用すれば、緊張することなく、エモーショナルに目的地まで目指せそうだ。ランボルギーニで。

かたやレッドのダッジ・バイパー RT-10はロードスターなこともあり、アメリカンなフリーダムに満ちている。試乗後の筆者のメモには、リスペクト、と走り書きされていた。英国のHPCクラシックス社が販売中の1台だ。

丁寧に運転すると、素晴らしくまとまりのいいマッスルカーという実像が見えてくる。ドアを開くため車内側のドアハンドルを引き、シートへ座ってみても、その実感は得られないかもしれないが。

バイパーはシンプル。ダッシュボードにはタコとスピードの他に、4枚のメーターが並ぶ。ヒーターの操作パネルとライトのスイッチ、シガーソケットも備わるが、車内にはその程度しかない。

3スポークのステアリングホイールには、エアバッグも備わらない。視覚的な印象を高める装飾トリムはなく、硬質なプラスティック製部品は隠されていない。大柄なシートは座り心地が良いが、製造品質が高いとは呼べない。

どれも魅力的なV10エンジン・マシン

重たいクラッチペダルを緩めると、怒涛のトルクでスルスルと速度が高まる。6速マニュアルのシフトレバーは驚くほど軽く、正確に次のギアを選べる。8.0Lという大排気量を考えると、ギアは4速でも足りただろう。

ステアリングホイールは重め。手のひらへしっかり情報が伝わってくる。電子的なアシストの介入なしに、正直に直接的に運転している感覚が湧いてくる。1522kgに405psだから、刺激もダイレクトだ。0-97km/h加速は4.6秒でこなす。

舗装の荒れた区間で激しい加速を試みると、バイパーが牙をむこうとする瞬間を垣間見れる。鋭く速度を高めていくには、まっすぐクルマを進めることへ集中する必要がある。何と強烈な個性なのだろう。

現在の取引価格を比べると、カレラGTは100万ポンド(約1億6100万円)をゆうに超える。残りの2台は、6万ポンド(約966万円)前後あればオーナーになれる。

その価格も踏まえて、3台で最も訴求力の勝るV10エンジン・モデルを選ぶなら、ガヤルドといえるかもしれない。季節を問わず乗れる、本物のイタリアン・スーパーカーだ。

もっとも、バイパーはガヤルドやカレラGTより10年以上も先に登場した。新車時の価格も大きく異る。直接的な比較は難しいとしても、V型10気筒ユニットはどれも魅力的だとは明言できるだろう。

協力:サイモン・ドラブル氏、マイルズ・ハーディ氏、HPCクラシックス社

ガヤルド、カレラGT、バイパー 3台のスペック

ランボルギーニ・ガヤルド(2003~2013年/英国仕様)のスペック

英国価格:11万7000ポンド(新車時)/7万ポンド(約1127万円)以下(現在)
販売台数:1万4022台
全長:4300mm
全幅:1900mm
全高:1165mm
最高速度:309km/h
0-97km/h加速:4.1秒
燃費:5.1km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1520kg
パワートレイン:V型10気筒4961cc自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:500ps/7800rpm
最大トルク:51.8kg-m/4500rpm
ギアボックス:6速マニュアル/6速セミオートマティック

ポルシェ・カレラGT(2004~2006年/英国仕様)のスペック

英国価格:33万ポンド(新車時)/130万ポンド(約2億930万円)以下(現在)
販売台数:1270台
全長:4513mm
全幅:1912mm
全高:1166mm
最高速度:329km/h
0-97km/h加速:3.7秒
燃費:5.6km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1472kg
パワートレイン:V型10気筒5733cc自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:620ps/8000rpm
最大トルク:60.0kg-m/5750rpm
ギアボックス:6速マニュアル

ダッジ・バイパー RT-10(1992~1996年/欧州仕様)のスペック

英国価格:5万5000ポンド(新車時)/5万ポンド(約805万円)以下(現在)
販売台数:6709台
全長:4448mm
全幅:1923mm
全高:1118mm
最高速度:265km/h
0-97km/h加速:4.6秒
燃費:5.3km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1522kg
パワートレイン:V型10気筒7997cc自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:405ps/4600rpm
最大トルク:62.1kg-m/3600rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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