FIA国際自動車連盟はWMSC世界モータースポーツ評議会をスペイン・コルドバで開催し、現地時間6月20日にABB FIAフォーミュラE世界選手権の2023-2024年「シーズン10」の暫定カレンダーを発表した。その中には東京E-Prixもカレンダー入りしており、日本で初めてラリー以外の本格的な公道レースが行われることが決定した。(文:河村大志)
日本初の、公道におけるフォーミュラカーレース開催が決定!
2022年の10月、東京都庁でフォーミュラEの開催協定を締結され、大きな話題となった。続報が待たれていたフォーミュラEの東京開催だが、ついに2024年3月30日に日本で初開催されることが決定した。開催場所はお台場の東京ビッグサイト周辺を予定している。
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フォーミュラEが発足した当時から、日本での開催を目指していると関係者から声が上がっていたが、ZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)の普及を目指す東京都の意向が合致したことにより、開催に向けて本格化に動き出した。開催協定の締結から今回の正式発表まで間は開いたものの、ある程度のスピード感で決まった印象だ。
深刻な環境問題に世界中で対策が練られる中、都市部の大気汚染対策として電気自動車の普及を狙って発足されたカテゴリーであるフォーミュラE。環境問題に大きく関わるモータースポーツというスポーツにおいて、電気自動車を用いて世界中の都市部でレースを行うというチャレンジはセンセーショナルであり、画期的であった。
2014年から始まったフォーミュラEの進化は凄まじく、バッテリーの小型化、充電設備の充実、マシンの性能向上など技術の進化は目を見張るものだ。大都市の中で行われるチャレンジングで刺激的なレース、都市部のアクセスの良さ、ファン参加型の新しい取り組みも相まって、着実にファンを獲得していった。今や、世界選手権として世界中で多くの観客動員数を誇る一大イベントに成長した。
環境の大切さとレースの楽しさを、より広く知ってもらうチャンスだ
日本開催が実現したのは、環境問題に対してフォーミュラEと東京都の考え方が一致したのが最大の要因だが、日本におけるモータースポーツの認知向上、新しいファンの獲得に大きく貢献することも大きな魅力のひとつだ。
モータースポーツは基本的に「サーキット」で行われる。サーキットは騒音問題への配慮や広大な敷地が必要なため、郊外に建設されていることがほとんどだ。つまりモータースポーツは「わざわざ遠出しなければいけない」のだ。
モータースポーツの魅力を知ったファンにとっては、道中も楽しい旅になるが、新規ファンにとって現地観戦のハードルはかなり高いと言えるだろう。
一方、電気自動車のフォーミュラEに騒音問題はなく、都会の街中でレースを行うことができる。日常生活を送る中で、「自然と目に入ってくる」環境はこれまでのモータースポーツにはなかったことだ。いかに認知してもらえるかが競技の普及に大きく関わるため、モータースポーツ後進国である日本での開催は、自動車レースというスポーツを普及するにあたり、とても意味のあることである。
2024年3月30日、東京がフォーミュラEで盛り上がることを、そしてモータースポーツの魅力が多くの方に伝わることを願いながら、日本初の公道レース(ラリーは除く)を待ちたいと思う。
フォーミュラE 2023-24 暫定カレンダー
1. メキシコシティ:メキシコ 1月13日
2. ディルイーヤ:サウジアラビア 1月26日
3. ディルイーヤ:サウジアラビア 1月27日
4. 未定 2月10日
5. 未定 2月24日
6. サンパウロ:ブラジル 3月16日
7. 東京:日本 3月30日
8. ローマ:イタリア 4月13日
9. ローマ:イタリア 4月14日
10. モンテカルロ:モナコ 4月27日
11. ベルリン:ドイツ 5月11日
12. ベルリン:ドイツ 5月12日
13. 未定 5月25日
14. ジャカルタ:インドネシア 6月8日
15. ポートランド:アメリカ 6月29日
16. ロンドン:イギリス 7月20日
17. ロンドン:イギリス 7月21日
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