この記事をまとめると
■東京オートサロン2024に静岡工科自動車大学校が「ROTY」を展示
まさかの「ド新車」発掘? 美しすぎる「2代目ソアラ」は学生が意地で仕上げた逸品だった
■基本的なカスタム手法は「チョップトップ」
■「ROTY」の中身はフォーミュラマシンである「フォーミュラ・スズキ隼」を使用
キャッチフレーズは「農道最速のケッパコ誕生」
さまざまなカスタム車両が並ぶオートサロンの会場のなかでも、ひときわ目を引かれる異様な佇まいの車両がありました。
あまりに異質な雰囲気だったので、最初はアメリカンな雰囲気のトレーラーが置いてあるのかと思いましたが、よく見るとヘッドライトがあり、4輪で走行しそうな車両だということがわかってさらに驚かされました。
車両の名前は「ROTY」。静岡工科自動車大学校の生徒達の卒業制作として製作された車両だそうです。
キャッチフレーズは「農道最速のケッパコ誕生」。ケッパコとは後ろが荷室のクルマという意味です。製作メンバーのひとりが所有していた車両を使って、ワン&オンリーのマシンを作り上げてくれました。
ベースになったのは「ホンダ・ストリート」。言われてみれば、ルーフやウインドウの形状、そしてヘッドライトの形状にその面影が感じられますが、もはや自動車の範疇に収まっているのかと疑問を覚えるほどに大胆なモディファイが施されています。
この車両のボディの基本的なカスタム手法は、ウインドウ部分の上下を切り詰めて短縮して車高を低く見せる「チョップトップ」というものです。
チョップトップというのは、単に真ん中を切り詰めるという単純なものでなく、斜めになったAピラーのつながりなどの辻褄を合わせるために、上から見てタテヨコに4~6分割するのが基本で、かなり面倒な作業を伴います。
中身は「フォーミュラ・スズキ隼」
さらにこの車両は、ボディの真ん中から下の部分も切り詰め、車幅も25mmワイド化されているとのことなので、ボディだけでもかなりの手間を掛けて切った貼ったして仕上げていることが窺えます。
その苦労の作のボディは、言わばカバーに過ぎません。中身はというと、スズキの誇る世界最速の市販車のうちの1台である「GSX1300ハヤブサ」のエンジンを使ったフォーミュラマシンである「フォーミュラ・スズキ隼」を使用しています。
エンジンだけでも175馬力、レッドゾーンは1万1000回転というモンスターユニットで、そのユニットをスチールのパイプフレームに搭載してサーキット専用のフォーミュラパッケージに仕立てたのが「フォーミュラ・スズキ隼」というマシンです。
そのマシンをベースにして、ボディに合わせてホイールベースを延長。サスペンションアーム類を加工してトレッドも延長してフィッティングしています。
クッションのないアルミ製のボマーシートや、ムーンアイズ製のステアリング、そしてWORK製グッカーズHEMIというホットロッダー向けのホイールに履かせたフージャー製ドラッグスリックタイヤなど、アメリカのドラッグレースの方程式を押さえた方向性で、しっかりとしたキャラ作りが成功していますね。
見る側としては「シートに収まるのに5分くらい掛かりそうだな」なんて余計なことを考えてしまいますが、実際にバーンナウトをしながら、超高回転のエンジンサウンドを響かせながらドラッグストリップを駆け抜けていく姿も見てみたいと思いました。
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