■北京汽車、200万円クラスの小型オフローダー「BJ30」をまもなくフルモデルチェンジか
中国の国営自動車メーカー「北京汽車」が販売する小型オフローダー「BJ30」がフルモデルチェンジを控えていることが中国政府系ウェブサイトより判明しました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
【画像】スクエアな斬新グリルがスゴイ! オフロードSUV「BJ30」の実車を見る!(20枚)
北京汽車は1953年誕生の自動車部品会社「北京第一汽車附件廠」に端を発する、国営の自動車メーカーです。
1958年6月20日に初の乗用車「井岡山」を完成させ「北京汽車制造廠」へ改称、完成車メーカーとして歩み始めました。
北京汽車は今まで多くの車種を生産してきましたが、中でも世界的に有名なのは通称「北京ジープ」としても知られる「BJ212」です。
ソビエト連邦が開発した小型軍用車「UAZ-469」を元に開発されたBJ212は1966年に完成し、以来、長きにわたり中国人民解放軍の軍用車として活躍しました。
最近までは北京汽車の関連会社「北京汽車製造廠(BAW)」から民生モデルも生産されており、累計で120万台以上生産された象徴的な中国製オフロード車として国内外で認識されています。
BJ212は少数ながらも1980年代に日本へ並行輸入された実績があり、四駆系雑誌にも何回か取り上げられています。
現在、北京汽車グループは中国で6番目に大きい自動車会社にまで成長し、2021年は145万台を販売しました。
メインブランドとなる「北京」以外に、傘下には純電動ブランド「アークフォックス(中国名:極狐)」や、かつてはスズキと合弁関係にあった「昌河」、商用車部門の「フォトン(中国名:福田)」などの部門が存在します。
そのなかでも、北京汽車のオフロード車「BJシリーズ」はグループ子会社「北汽越野車」(越野=オフロードの意)が製造を担当しています。
2013年に小型オフローダー「BJ40」のリリースを皮切りに、現在までにBJ30、BJ60、BJ80、BJ90などの車種を続々投入。
軍用車のBJ212を作っていたメーカーということもあり、北京汽車のオフロード車は中国国内で一定の支持を集めています。
そして今回、北京汽車最小のオフローダーとなるBJ30がフルモデルチェンジを予定していると判明しました。
この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトです。
工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。
2023年10月に公開された最新となる第376号のリストにて、北京汽車の最新オフロードSUVに関する情報が確認できます。
現行のBJ30はそれまで販売されていたBJ20に代わる新たなモデルとして2020年に発表されました。
全長4505mm×全幅1855mm×全高1710mm、ホイールベース2675mmのボディには4J15T型1.5リッター直列4気筒ターボエンジン+6速オートマチックトランスミッションを搭載。
BJ20では三菱製4A91型1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していましたが、BJ30より自社製エンジンに取って代わられた形になります。
ちなみに、2022年に登場したより大型の「BJ60」では三菱製4K31TD型2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載しています。
■次期BJ30はどんなクルマになるのか?
一方、判明した次期BJ30では新たにA156T2H型1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載するとしています。
これにより出力は154hpから185hpへと向上し、よりパワフルな走りをもたらすことが期待されます。
ボディサイズも全長4730mm×全幅1910mm×全高1757mm、ホイールベース2820mmと大幅に拡大されているのが特徴的です。
エクステリアは2022年に発売されたミドルサイズSUV「BJ60」から採用されているラギッドなデザインを採用しています。
現行のBJ30と比べてギラギラ感が抑えられたグリルを持ち、半円型のヘッドライトはどこかレトロチックな雰囲気も醸し出しています。
サイドシルエットはオフロード車らしく角張っていながらも、Cピラーの処理はランドローバーのような洗練された印象も与えます。
より縦長の形状へと変化したテールライトは以前の野暮ったさを排除しており、ひと目で北京汽車の最新モデルと判別できる美しいリアデザインを構成しています。
※ ※ ※
次期BJ30がいつ正式発表を迎えるかは不明ですが、工信部に届出されたということはもう間もなくの登場を控えていることを示します。
中国市場では空前のオフロード車ブームを迎えていますが、昨今投入されているモデルはどれもPHEVやBEVといった電動車で、サイズは全長5m超、価格も非常に高く設定されています。
それに対し、現行BJ30は10.58万元(邦貨換算:約216.5万円)からスタートと、お手頃な価格設定。
今回判明した次期モデルも同様の価格帯で販売されると見られ、中国におけるオフロード車市場をさらに盛り上げることが期待されます。
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