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ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識

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ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識

 11月21日に開幕を迎えたWRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2024』に参戦するTOYOTA GAZOO Racing(TGR)WRCチャレンジプログラムに所属する2期生の山本雄紀と小暮ひかる。初日シェイクダウン終了後に初参戦となる母国ラリーについて聞いた。

 山本と小暮は、現在は最高峰ラリー1で世界トップのWRCに参戦する勝田貴元の後輩として、2022年にTGR WRCチャレンジプログラム“2期生”に加入。ラリーの本場とも言えるフィンランドを拠点にトレーニングとラリー参戦を重ね、今季2024年からはラリー2マシンで争わわれるWRC2クラスにステップアップしたトヨタの育成ドライバーだ。

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 2022年以降は海外をメインに戦っていたふたりだが、今年はプログラム加入以来、初めてとなる母国日本でのWRCラリージャパンに挑む。まず2021年まで全日本ラリー選手権への参戦経験を持つ山本にシェイクダウン終了後に話を聞くと、まだ初日ではあるが今回のラリージャパンでは、改めて日本の道路の難しさを感じたようだ。

「路面に水曜日の雨が残っていたので、僕が想像していた10倍くらいタイヤが滑りましたね。日本の道は林道で日陰になっている場所が多く、路面が乾ききらないのでタイヤも温まらないですし、路面自体のμ(ミュー)も低いと感じました。そこに落ち葉が加わると、もうダブルでヤバいですね」

 初日はクリーンに走ることを心がけたと続けた山本とおなじく、小暮も「本当に影の部分に苔が多くてグリップしませんし、ハンドルを切っても全然レスポンスがないので、今週末は少し難しい路面になりそうです」と同調する。

「ひとつのコーナーのなかでも、進入で太陽光が当たっている場所はグリップするけど、コーナーに入ると日陰でいきなりグリップを失ってアンダーステアが出る場所が数カ所ありました。明日のSS2以降は、その部分を本当に気をつけないといけません」

 ライバルではありつつもチームメイトという関係の山本と小暮は路面状況などをともに共有している。しかし、今回のラリージャパンでは、それに加えてチームグラベルクルーの路面チェックが重要になると揃って語った。

■「けっこう変態」「頼れる存在」改めて聞くお互いの印象と、ラリージャパンの抱負
 2022年のプログラム加入以来、ここまで3シーズンをともに過ごしてきた山本と小暮。改めてお互いの印象を聞くと、まず山本が「小暮選手はターマックがめちゃめちゃ速くて、特に今回のような難しいターマック路面を得意としています。なので、けっこう変態なところがあるのでないかと思っています(笑)。でも、本当にシンプルに尊敬していますよ」と切り出す。

「一緒にフィンランドに住んでもう3年になりますし、小暮選手とはずっと同じステップをたどってきているので、一言で言うなら『戦友』だと思っています。負けたくないとていう気持ちはもちろんありますけど、お互いにその気持ちがすごく良い方向に働いていると思いますし、成長していくために必要な存在だと思っています」

 一方の小暮は「年が離れたお兄さんみたいな感じで、本当に頼れる存在です。ですが、ライバルでもあるので『負けたくない』という気持ちはもちろんあります。そういったことを含めて、お互いを高め合いながら、この3年間やってきたという感じですね」と、山本について語った。

 週末の走行では、先にSSを出走することになるラリー1のTGR WRTから情報共有を受けながらラリージャパンを戦うふたり。母国で開催される世界選手権では「いちばんを目標にして走っていきたいです。そのなかでも、豊田スタジアムの特設コースといったファンの皆さんが多くいるところでは、できるだけ良い走りができるように、願わくば良いタイムを出せるように頑張りたいです」と小暮。

 また山本も「3年ぶりに日本でのラリーを走りますし、今回はラリー2車両で走行するので、もちろん多くのファン前で良い走りがしたいです。また今季最終戦なので、今シーズンのベストパフォーマンスを引き出せるように頑張って完走したいと思います」と週末の活躍を誓った。

 将来のWRCトップドライバーを目指すTGR WRCチャレンジプログラム2期生のふたり。まずは初参戦となるラリージャパンでの走行を悔いなく終えて欲しい。

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