この記事をまとめると
■2023年11月1日からヒョンデが新型BEV「KONA」の販売を開始した
日本に入れば「軽自動車」の脅威となる可能性も! いま韓国で増加中の「軽車=キョンチャ」とは
■試乗すると日本車のような細やかな内装や最新デバイスに驚きを感じた
■ひと昔前の日本車が得意としていた分野で中国や韓国メーカーが勢いをつけている
カローラクロスやヴェゼルサイズのSUV
11月1日より韓国ヒョンデ自動車は日本国内において、新型BEV(バッテリー電気自動車)「KONA(コナ)」の販売を開始した。といっても、このコナは日本ではBEVのみとなるが、世界的にはBEV専売車ではなく、ICE(内燃機関)仕様もラインアップしている。ちなみにアメリカ仕様でのスペックを見ると、ICE車では2リッター直4と、ハイパフォーマンス「N Line」向け、高出力(190馬力)1.6リッター直4ターボが用意されている。
また、今回日本で発表されたコナは2代目となり、2023年にデビューしたばかり。初代は2017年にデビューしており、初代にもBEV仕様はラインアップされている。
特徴的な「シームレスホライゾン」と呼ばれる顔つきもBEVだからというわけではなく、ICE車をラインアップする、大型ミニバンの「スターリア」や、新興国向け小型MPV(多目的車)となる「スターゲイザー」、コンパクトセダンの「エラントラ」、ミッドサイズセダンの「ソナタ」、フルサイズセダンの「アジーラ」などでも共通イメージが採用されている。
全長4355×全幅1825×全高1590mmとなる、クロスオーバーSUVスタイルのボディサイズからすると、トヨタ・カローラクロス(全長4490×全幅1825×全高1620mm)や、ホンダ・ヴェゼル(全長4330×全幅1790×全高1580mm/FF)と同車格といっていいだろう。
そのヒョンデ・コナに試乗する機会を得た。巷では、中国・比亜迪汽車(BYDオート/以下BYD)のBEVが話題となっているが、BYD車の内外装のデザインについて専門家に聞くと、「まだまだ、まとまりがいまひとつのようにも見えますが、クルマ作りへの高い意欲というものを感じます。それもあり、これからドンドン改善されていくのだろうなぁというものは感じます」とのことであった。筆者としても、昔の日本車を見るような一球入魂ではないが、作り手の熱い気持ちを感じ取ることができた。
それに対しヒョンデ・コナは、1975年にヒョンデは韓国初の国産車として「ポニー」を送り出してから、すでに50年近く自動車の開発及び生産に関わってきたノウハウも活かされれており、その意味ではBYDなどの中国勢に比べると、見た目はかなり個性的なのだが、どこか安定感のようなものを感じてしまう。
そもそもヒョンデは2009年に発表した6代目ソナタが当時ではかなりアグレッシブなエクステリアでデビューして以来、ほぼ一貫して車種を問わずアグレッシブ路線を歩んできているので、その意味では先進的なスタイルについては「作り慣れている」というものもあるのかもしれない。
インフォテイメントシステムも充実
インテリアはエクステリアに比べれば、おとなしいイメージを受けた。インパネセンター部では、少々物理スイッチが多いようにも見えるが、タッチスクリーン操作とのすみ分け(空調は物理スイッチ、オーディオはタッチスクリーンなど)ができており、ヒューマンインターフェースも良好であった。
シフト操作はメルセデス・ベンツ車のように、進行方向右側ステアリングコラムにあるレバーで操作するのだが、こちらもすぐに操作に慣れるほど使いやすかった。
足まわりは少し柔らかい印象を受けるが、個人的には好きなフィーリングであった。ちなみに装着タイヤは韓国クムホ製であった。
BEVながら抑制の利いた加速は違和感もなく、「少し速いICE車」とも感じてしまうほど、BEVに慣れていない筆者でも戸惑うことなく運転できる。
コナに限らず、ヒョンデ車は細かいデバイスの採用という面でも注目している。計器盤は大型ディスプレイにデジタル表示されるのだが、二連メーター表示で走行し、ウインカーを出すとウインカーを出したほう(右に出せば右側)のメーター表示部分に右側方の映像が表示されるのはかなり便利(それでも目視確認忘れずに)であった。
センターディスプレイに映し出されたフロントカメラ映像に、矢印などの情報が表示される「ARナビゲーション」はあまりに面白すぎて、ガン見しそうなのを押さえながら運転をした。
また、コナのようなBEVでは、エネルギーマネージメントに関する情報をわかりやすく表示することも大切なのだが、これは大画面ディスプレイにわかりやすく表示されている。日本では「ディスプレイ=テレビ視聴(走行中は見てはいけない)」のようなイメージが定着してしまっているが、あくまでコネクティッドシステムが発達するなか、さまざまな情報を表示するために、車内ディスプレイの大型化などが進んでいる。日系ブランド車全般をみると、コネクティッドシステムに関しても少々苦手なのかなぁとも思ってしまう。
話をヒョンデ車に戻すと、アメリカで見たテレビCMでは、日本車でもお馴染みとなってきた、スマホの「置くだけ充電」が、センターコンソールに立てに差して充電するタイプになっているモデルもあり、スペース効率がいいなあと感じた。また、子どもをサッカー教室に送るシーンでは、車道側のリヤドアを子どもが開けようとしたら、後続車が近づいていたのでドアを開けさせないために再ロック(アメリカでは防犯の意味もあり、車速感応型ドアロックの装着が当たり前であり、停車してPレンジに入れるとドアロックを解除するケースが多い)するようなシステムも紹介されていた。
何が言いたいのかというと、あくまで市販ラインアップベースでいけば、日系ブランドより、ヒョンデのほうがBEVでは先を行っており、しかも日本ではBEVとFCEV(燃料電池車)のみを販売していることに話題が集中してしまうが、本来なら日系ブランド車のお家芸でもあり、積極的に、しかも先んじて採用してもいいような便利なデバイスを、ヒョンデ車では多く採用しているということ。この点についても筆者は驚かされている。
「購買意欲をそそらせる姑息な手段」と思う人もいるかもしれないが、ヒョンデや同じ韓国ブランドの起亜では、「おっ」と言わせる存在感のあるエクステリアをメインに、日本車ではなかなか採用されない便利デバイスの採用などでブランドステイタスを上げてきたのは間違いない。かつては「激安ブランド」ともいわれた起亜だが、いまや南カリフォルニアで自動車業界関係の人と話すと、「起亜は~」とその一挙手一投足に注目が集まっているのである。
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