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限定500台/500万円でも8時間で完売! スバル「WRX STI RA-R」の魅力とは

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限定500台/500万円でも8時間で完売! スバル「WRX STI RA-R」の魅力とは

■「WRX STI TYPE RA-R」はSTIコンプリートカーの最高峰

 SUBARUとそのモータースポーツを担当する関連会社であるスバル・テクニカ・インターナショナル(STI)は、これまでさまざまなコンプリートカーを世に生み出してきました。その最新作がWRX STI をベースにした500台限定の「TYPE RA-R」。2018年7月19日11時に発表されましたが、その日の19時には完売との発表がありました。その魅力や特徴はどこにあるのでしょうか。

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「サーキット走行を楽しみたい人、自分で手を加えてクルマを仕上げたい人、そして手が届きやすい価格で性能の高いクルマが欲しい人。そういった人に向けて性能、装備、価格を決めました。ポジショニング的にみると、プレミアム性は控えめですが運動性能はSTIコンプリートカーの最高峰です」

 開発をまとめたSTI商品開発部の森 宏志さんはそう言います。

 0-100km/hの加速性能がわずか4.8秒の動力性能、コーナリング時の限界G、スラローム通過速度、そしてブレーキ性能ともにSTIコンプリートカー史上最高のパフォーマンスを備えつつ、価格は税込みで499万8240円(税抜462万8000円でベース車の112万8000円高)。エンジンまで手を加えたSTIコンプリートカーとしては驚くほど安い価格に設定されているのです。

「TYPE RA-R」の注目ポイントのひとつがエンジンです。回転系部品の重量差を通常エンジンよりも減らす「バランス取り」をした部品を使って汲み上げ、ボールベアリング・ツインスクロールターボと専用ECUを備えたエンジンはノーマルの308psに対して21psアップの329psを発生。これは2017年秋に450台限定で販売されたコンプリートカーの「S208」と同じもので、同社のWRX STIをベースとしたモデルとしては最強のスペックです。

 対照的に「S208」と大きく異なるのが軽量化。S208はベースのWRX STIに対して何かをはぎ取るのではなく、様々な専用パーツを(ときには標準装着品と交換して)追加していく作り方でした。

■軽量化のため走行性能に関係のない部品をレス仕様に

 一方、今回の「TYPE RA-R」のテーマのひとつが軽量化。重量低減は「加速」「減速」そして「旋回」とすべての運動性能を高めます。そこで歴代の「RA」モデルがそうだったように、走行性能に関係のない部品のいくつかが、あえて装着されずに「レス仕様」となっているのです。

 その部品は後席センターアームレストやフロントフードインシュレーター(ボンネット内の吸音材)、などの快適部品にはじまり、スペアタイヤ、スペアタイヤパン内メルシート(制震材)、ヘッドランプウォッシャー、リアワイパー&ウォッシャー、リアフォグランプ、フロア下アンダーカバー、フロントドア開口部のステンレス製サイドシルプレートと多岐にわたり、ウインドウウォッシャータンクの容量削減(4L→2.5L)、BBS製アルミホイールの採用、ファブリック&トリコットシートの採用、ジュラコン素材シフトノブの採用などの軽量化策によりエアコンなどは装着したままノーマルよりも10kgのダイエットを敢行。パワーウェイトレシオは4.498kg/psを実現しました。

 アンダーカバー廃止に伴うチッピング(飛び跳ねた石などによる塗装の欠け)を防ぐためにベース車では施工しない部分にアンダーコートを吹くなど、ボディ自体も標準者とは異なる仕立てとなっています。

 ハード面において、前回のコンプリートカーである「S208」と大きく異なるのが足まわり。S208はスポーツ性能だけでなくコンフォート性も視野に入れてビルシュタイン製のサスペンションをチョイスし、タイヤは19インチのダンロップSPORT MAXX RTを履いていました。

 対して「TYPE RA-R」はカヤバ製のショックアブソーバーに18インチのミシュランパイロットスポーツ4Sを装着。「走行性能を高めつつ、乗り心地についてはS208ほど考慮していない設定。18インチなのはあえての選択で軽さとグリップを両立しています」と開発を担当したSTIの毛利豊彦さんは言います。

 また興味深いのがドアミラー。ドライカーボン製のドアミラーカバーは2つのフィンが付いていて、これがダウンフォースを生むことでフロントリフトを約4%低減する設計です。通常こういったパーツは標準装着のミラーの上にかぶせるように装着されますが、グラム単位の軽量化を施すというこのモデルのキャラクターから、今回は標準のドアミラーカバーを取り外し差し替えて装着する設計なのもポイントといえます。

 さて、走りはどうでしょう?

■走り始めたらガソリンが無くなるまで走り続けたくなる

 今回は狭くてタイトな峠道のようなコースで試してみました。まず驚くのはバランス取りしたエンジンのスムーズさ。回転フィールが滑らかで振動が少なく、レブリミットの8000回転までついつい回したくなってしまいます。ハンドリングは鋭いターンイン(サスペンションのほかに11:1とクイックなステアリングギヤボックスも効いている)とともに、曲がり込む印象が印象的でした。

 コースには大きく曲がり込むような場所も存在しましたが、走行ラインが外側へふくらむことなくハンドル操作に従ってどんどん曲がっていくので、とにかく爽快。これは標準車では前輪だけの採用ながら、TYPE RA-Rでは後輪にも作動するブレーキ制御(旋回中に内輪のブレーキをかけてトルクベクタリング効果を発生する)も効いているはずです。STIコンプリートカー最高峰という動的性能は、走り始めたらガソリンがなくなるまで走り続けたくなるほどの楽しさでした。

 どんな時でも挙動をコントロールできる腕を持つ人を除けば、最近はサーキット走行でもスタビリティコントロール(VDC)を解除しない人もいることでしょう。そんな人にとっては、オンとオフのほか「トラックモード」という通常のオンよりも介入を遅くするモード(標準車にも採用)が楽しさを広げてくれます。

「TYPE RA-R」を見て、スタイルに特別感がないことをさみしく思う人もいるかもしれません。しかし、それは見かたを変えれば自分で好きにカスタマイズできるということです。

「軽さとエンジン性能にこだわりつつ、エアロパーツなどはついていません。STIパフォーマンスパーツのなかからお客様の趣向に合わせて選んでいただければと思います」と森さんは言います。

 すでに完売してしまったので新車購入はできないのは残念ですが、もし中古車で見かけることがあれば、その凄さをぜひ確かめてみてください。

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