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ライディングスキルや車種の垣根なくサーキットを楽しめる走行会「アストライド」

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ライディングスキルや車種の垣根なくサーキットを楽しめる走行会「アストライド」



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全長1.75kmの鈴鹿ツインサーキットを舞台に、オーヴァーレーシングとモトジョイの共催で行われる走行会「アストライド」。サーキット走行会というと「速く走らなければ…」「遅いとカッコ悪い…」と思われがちだが、自己申告制でクラスを選択して、自分のペースに応じて走行でき、慣れるに従ってペースアップも可能。市販レーサーやクラシックレーサーも多数エントリーしており、参加車両を見ているだけでも楽しいイベントだ。

●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:オーヴァーレーシングプロジェクツ

コツコツ製作したカスタム車や貴重なレーサーも多数参加。コースやパドックを見る楽しさもいっぱい

「アストライド」走行会は、ナンバー付き4ストローク250cc以上の車両で、サーキットビギナーを自認するライダーをAクラス、同じ車両条件で中級テクニックを自認するライダーをBクラス、2ストローク車と空冷250ccシングルをCクラス、F3/F1/クラシックレーサーをDクラスとして開催されている。

サーキット未経験者にとって、自分がいったいどのぐらいのレベルで走行できるのか、他車と混走して大丈夫なのかなど、不安に感じることも多いはず。しかしアストライドでは、上記のクラス分けを採用することで、ビッグバイクでもスーパースポーツでも、自分がビギナーだと思えばAクラスを選択できる。サーキット走行のため革ツナギやブーツなどの装備は必要だが、自走で来場してパドックで保安部品を取り外して走行する車両が、実際に何台もエントリーしている。

なお、Dクラスはモトジョイが得意とするクラスで、国産旧車や海外メーカーのマシンが数多く参加。一般的な走行会に参加しにくいクラシックレーサーオーナーにとって、絶好の機会となっている。

昔作ったサンデーレーサーがガレージにあったり、ツーリングの延長でサーキットを走ってみたいというライダーにとって、アストライドは最適なイベントだと言える。

ホンダNSR250R:純正外装とひねりの利いたカスタム。MC28は一生乗り続けられる1台(Tさん)

’90年代以降の絶版車の中で爆上がり中のNSR250R。人気はニコイチグレードではない(SEならSE/SPならSP仕様であること)ノーマル車で、フルオリジナルのMC28だと中古車価格が300万円超(!!)になることもあるという。10年前にNSR沼にハマったTさんのMC28は、貴重な純正外装車。ひときわ目を引くホイールは、「ボルトオンで他人がやってない仕様にしたい」とドゥカティ純正パーツを流用したカスタムだ。

―― ホイール/ブレーキ/ハルクプロのチャンバー/TSRのバックステップなど変更箇所は多いが、すべてボルトオンでいつでも完全純正状態に戻せるのが、カスタムのポイント。「NSRの現役当時ならいざ知らず、この時代にフレームやステーを切ったり貼ったりするカスタムは考えられないですよ」 絶版車のノーマル回帰傾向はカワサキZ系でも明らかだが、ついにレーサーレプリカ世代も純正仕様の価値が高まってきたようだ。 [写真タップで拡大]

ヤマハSDR:単身赴任先の室内で組み立て!? レストアを機に愛着が沸いたSDR(Oさん)

トラスフレームに水冷2スト200ccエンジンを搭載したヤマハSDRは、今も熱心なファンが多い1台。ドゥカティ/BMW/トライアンフを自宅ガレージで所有するOさんは、単身赴任先でのヒマつぶしのつもりでSDRを購入。自室で分解して、フレームやスイングアームを再メッキに出したり、スポークホイール化するなど、フルレストア&カスタムを満喫。部品取りのつもりで追加した1台も登録して、すっかりSDRの魅力に取りつかれている。

―― 「私が購入した頃は現在の相場よりかなりお買い得でしたが、全バラにして手を加えたら、車両代よりはるかにかかっちゃいました…」とOさん。完成したSDRであちこちにツーリングに出かけて、エンジンが潰れるとスペアエンジンを購入して積み替え、元のエンジンはいつでも戻せるように整備して保管するなど、現在ではバイクライフの中でもかなり比重の高い1台となっている。SP忠男製ジャッカルチャンバーがお気に入りだ。 [写真タップで拡大]

モリワキモンスター:憧れを実現するためにコツコツ製作。完成間近なモンスター(Sさん)

高校生時代に中型免許を取って初めて買ったZ400FXでカワサキと出会い、ヨシムラと並ぶコンストラクター・モリワキを敬愛するSさんにとって、モンスターは特別な存在である。’80年前後、モリワキは20数台のコンプリートモンスター(フレーム/フロントフォーク/スイングアーム/ホイール付きでエンジンレス)を販売し、今も熱心なモリワキファンによってコレクションされている。

Sさんが10年ほど前に手に入れたモンスターは、いわゆる市販バージョンとは異なり、’80年代初頭にスズキGSX1000のエンジンを搭載して全日本TT-F1クラスに参戦していたマシンだった。そこからZ好き/モリワキ好きからの情報やネットワークにより、カワサキエンジンを搭載したモンスター製作を開始。現在は数年前に知り合った’80年代当時のモリワキライダー・多田喜代一氏仕様にすべく、仕上げ作業を行っているところだ。

―― 関西のコンストラクターを経た後、スズキエンジンを搭載してTT-F1クラスにエントリーしていたモリワキモンスター。Sさんが入手した当時は現在とはまったく異なる状態で、潰れたアルミタンクが搭載されていた。そこで当時を知るモトジョイ佐藤会長に修理を依頼してタンクを切開すると、内面に「タダ」という文字があり、40年以上前に多田氏用に製作されたタンクであることが判明。これを見たSさんは、できる限り忠実に多田仕様を再現しようと奮闘中。角断面のスイングアーム/モリワキKYB/ビートマグ/TZローターなどの足まわりをはじめ、シリンダーヘッドやカムシャフトもモンスター用パーツを入手。Z1ファンクラブを通じて得た仲間の協力には感謝しかない、とSさん。現在のカウルは中/後期型のフォルムで、ずっと探しても見つからない前期型を装着すれば、完全なるモリワキモンスター多田レプリカが完成する。 [写真タップで拡大]

カワサキW1:オリジナリティ溢れるアイデアを具現化。カフェレーサースタイルの独創的なW1(Nさん)

NさんがW1と出会ったのは、10年ほど前。コンディション次第では、ワインディングも高速も現行車並みに走るポテンシャルがあることに魅了され、エンジンから車体まで自分の手で整備できるよう経験を積み、現在は2台のW1Sを所有する。

この間に購入した部品で製作したのが、このW1レーサー。海外から通販で購入したマーニ用フロントカウルとセパレートハンドルの組み合わせがスポーティかつスタイリッシュで、このまま街乗り仕様にしても良いのでは? と思えるほど。

驚いたのは、経年劣化で褪色したW1Sタンクのキャンディカラーに合わせたカウルの自家塗装テクニック。「紫外線の当たり方を考えて塗ったんですよ」という通り、ちょっと離れて見ると数年前に塗ったとは思えない枯れぶりがお見事。

地元のクラシックバイク仲間とLOC(レジェンドオブクラシック)にもエントリーするNさんは、サンデーメカニック魂溢れるW1オーナーだ。

―― レストアや整備のために購入した部品を組み合わせて仕立てたレーサーは、W1Sタンクを装着したW1フレーム車。W1の前はビンテージハーレー一色で、それも自分の手で整備できるよう腕を磨いたが、今ではすっかりW1に魅了されている。画像で見て「これが良いだろう」とアメリカから取り寄せたマーニのフロントカウルは、大きすぎたのでカットして装着。シートカウルも同じくアメリカからCB500R用を購入。それらを本文の通り褪色キャンディカラーに自家塗装した。タンクのエクステンションは、モトコ製BMW用テールカウルから型を取ったワンオフで、シートとともに何とも個性的な表皮で仕上げてある。純正エキゾーストマニホールドとアジア製格安サイレンサーを組み合わせたマフラーも、半ツヤブラックでバランスが良く、左サイドカバー内にオイルクーラーを潜ませるなど小技も効いている。どこかにありそうでどこにもない、独創性の高さが大きな魅力!! [写真タップで拡大]

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