スーパーフォーミュラの2024年最終戦が鈴鹿サーキットで行なわれ、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が優勝。このレースの結果、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が2024年のシリーズチャンピオンに輝いた。
3月に開幕した2024年のスーパーフォーミュラも、ついに最終戦を迎えた。ここまでチャンピオン獲得の可能性を残していたのは、坪井と牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のふたりだけ。しかしこのふたりのポイント差は19.5であり、坪井が1点でも獲得すれば、自力でチャンピオン獲得を決められる状況だった。
その坪井は、3番グリッドを獲得。一方で牧野は予選で10番手に沈んでおり、絶体絶命の状況でスタート時刻を迎えた。牧野が優勝を逃しても、その時点で坪井のチャンピオンが決定するという状況であったのだ。
なおポールポジションにマシンを並べたのは、前日に行なわれた第8戦でチャンピオン獲得の可能性が潰えた野尻智紀。その悔しさを予選に存分にぶつけ、最速タイムをマークした。
EXILEのTAKAHIRO氏が歌う「君が代」がサーキットに響き渡ると、程なくして全21台がフォーメーションラップへと駆け出していった。そして各車がスターティンググリッドに並び直し、隊列が整うと全31周の最終戦の火蓋が切って落とされた。気温は20度、路面温度は25度。気温は前日とほぼ同じながら、路面温度は上空に雲が広がっていたこともあり、前日よりも6度ほど低かった。
抜群のスタートを切ったのは2番グリッドの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。前日の予選で遺恨が残った太田と野尻が1コーナーにサイドバイサイドで飛び込んでいったが、ここは太田に軍配。先頭に立った太田は、順調にリードを広げていった。
ポジションを落とした格好となった野尻はペースが上がらず、2周目には坪井と福住仁嶺(Kids com Team KCMG)に立て続けに抜かれてしまい、後に佐藤にも先行されることとなった。
タイヤ交換義務のウインドウが開かれる10周を完了した段階で、太田は後続に5秒以上の差をつけるセーフティリードを築いた。一方で後続のマシンは続々とピットイン。ピットに入った中で最上位は福住。山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)はピット作業の間に笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)に先行を許したが、アウトラップで抜き返し、ポジションを取り戻した。
先頭の太田は、12周を終わった段階でピットイン。しかしコースに戻った太田の背後には、1周前にピットインを済ませていた坪井が迫った。
太田は坪井に対して徹底抗戦。なんとかポジションを守ってみせた。そしてタイヤが温まった後は、再び坪井を置き去りにする、独走態勢へと入っていった。
多くのマシンが10~13周を走り切ったところでタイヤ交換を済ませた一方、タイヤ交換を遅らせる選択を採ったドライバーもいた。岩佐歩夢(TEAM MUGEN)と木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)の2台は、その戦略を採った。クリーンエアを得た岩佐は、まずまずのペースで周回を重ねていった。
その岩佐は21周を走り切ったところでピットイン。8番手でコースに復帰した。タイヤが温まるまでに山下健太(KONDO RACING)には先行されたものの、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)の攻撃は抑え切った。オーバーカットを成功させた格好だ。
ただ一旦タイヤが温まった後の岩佐のペースは圧倒的で、山下を抜き返すと、さらに前のマシンを狙っていった。
岩佐のピットストップにより先頭に返り咲いた太田は、坪井に約4秒のリードを広げて爆進。さらにその差を広げていった。
太田は最後まで後続を寄せ付けず、トップチェッカー。前日に続いての勝利で、JAFグランプリを完全制覇した。太田が連勝したことで、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが、2024年のスーパーフォーミュラのチームチャンピオンに輝いた。
2位には坪井が入り、2024年のスーパーフォーミュラ王者に輝いた。トムスとしては、昨年の宮田莉朋に続いて連覇ということになった。3位には福住、4位にポールポジションからスタートした野尻が入った。
今回のレース限りでスーパーフォーミュラから引退する山本は、6位でのフィニッシュ。7位には最終ラップで牧野を抜いた岩佐が入った。
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みんなのコメント
坪井以外のトヨタ勢がもう少し頑張って欲しい。
jujuも今シーズン良く頑張った。来年は契約ないからまた海外で頑張って。