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【30年間の物語】 何がどう変わった? 平成元年 vs 30年 日本のクルマ対決

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【30年間の物語】 何がどう変わった? 平成元年 vs 30年 日本のクルマ対決

 1年の終わり、そして平成の終わりが近づいてきた。歳を重ねるごとに時間の進み方がどんどん早くなってゆくが、あれもあった、これもあったなんていろいろと思い起こせば、30年はやっぱり長い。かつて常識だと思っていたことすらもたくさん変わってしまった。

 ためしに、いろんなものの数値がどんな風に変わったかをご覧いただこう。

いざホンダF1完全復活へ!! 新体制1年目の評価とレッドブル・ホンダへの期待値

●大卒初任給


1989年 → 16万900円


2018年 → 21万1039円

●東京の人口


1989年 → 1189万551人


2018年 → 1385万7664人(11月1日現在)

●サラリーマンの月平均小遣い額


1989年 → 5万3000円


2018年 → 3万9836円

●日系平均株価


1989年 → 3万8915円(12月29日の終値)


2018年 → 2万1676円(11月1日現在)

●ベストカー本誌の価格


1989年→ 260円


2018年→ 390円

 さて、ではクルマ界はどうだろうか。平成最初の年、1989年と最後の年2018年のクルマ関連のトピックを比べてみた。バブル経済最盛期と、混迷と言われる現在。比較して見えてくるものはなんだろうか。

※本稿は2018年11月のものです


文:ベストカー編集部/写真:NISSAN、ベストカー編集部


初出:『ベストカー』 2018年12月10日号

■人気車種

 バブル真っ盛りの1989年はとにかくクルマがよく売れていたのだが、今年9月までの販売台数ランキングTOP10と比較してもトヨタ車の上位ランクインは変わらず。

 なのだが、現在はアクアやプリウス、ヴォクシーにC-HRなどコンパクトにミニバン、SUVなどのカテゴリー、そしてハイブリッド車が中心。

 これに対し、1989年はカローラやスプリンターなどコンパクトセダンが上位に来るのは納得としても、クラウンやマーク2のアッパーサルーンがベスト3にランクインしているあたりがバブルの香りがする。

 ともあれ30年前の販売台数トップ10のうち、現在でも車名が残っているのがカローラとクラウンとシビックしかないことに、やや寂しさも感じてしまう。

■最速ゼロヨン車

 編集部の計測で1989年のR32スカイラインGT‐Rはゼロヨン12.98秒、最高速248.0km/hという記録を残している。これに対し、今年(2018年)6/10号でのJARIテストで計測した現行GT‐Rはゼロヨン11.22秒、最高速311.1km/hをマーク。現行型が570㎰/65.0kgmで、R32は280ps/36.0kgmというエンジンパワーの違いはあるにせよ、あまりの差の大きさに慄然……。

■ヒット車の傾向

 この対決で興味深いのは、ヒット車の傾向が1989年と現在の2018年とではまるで違うということだ。

 まず、1989年はカローラ、サニー、クラウン、マーク2、コロナ、カリーナ、ブルーバード、スプリンターとセダンがファミリー層から圧倒的な人気を集めていた。各社から車種ヒエラルキーが構築され、トヨタならカローラ→コロナ→マークII→クラウン、日産ならサニー→ブルーバード→ローレル→セドリック/グロリアといったピラミッド構造となっていた。

 翻って現在はそのようなヒエラルキーはもはや消失し、当時はニッチだったSUVが台頭し、ハイブリッドを中心とするコンパクトカー、ミニバンがかつてのセダンの役割を担っている。

 その傾向は後述する「各社の販売ラインナップ」を比較してみてもわかってもらえることだろう。

■ボディサイズの肥大化

 スカイライン同士で比べると、8代目R32スカイライン4ドアGTS-tタイプM(当時251万110円)は全長4580×全幅1695×全高1340mm、ホイールベース2615mm、車重1315kg。現行スカイライン200GT-tタイプsp(471万3000円)は全長4815×全幅1820×全高1450mm、ホイールベース2850mm、車重1690kgと雲泥の差だ。肥大化が進む。

■エントリー価格の違い

 こちらも同じくスカイラインセダン同士で比べてみることにしよう。

 まず、現在のスカイラインのベーシックグレード、ベンツ製2Lターボを積む200GT‐tは416万4000円。ベーシックグレードとはいっても、かなりの高額車となる。快適装備はひととおり装着されていて、上位グレードとなるタイプP(443万3000円)、タイプSP(471万3000円)との差はさほど感じなくてもすむだろう。カーナビが標準装備されないのは上位グレードも同じワケだし。

 これが1989年のR32スカイラインだと、ベーシックグレードは1.8GXi(154万1910円)となる。現在の200GT‐tと比べると260万円以上も差があるのはまあ現在は車格の向上などしかたない面があるとして、哀しいのはせっかくスカイラインを買ったのに、搭載エンジンが直4、1.8L SOHCのCA18i(91ps/14.5kgm)となってしまうこと。さらに哀しいのは装備も貧弱でパワーウィンドウ以外ほぼなにも付いていないのだ。

■AT/MT比率

 自販連のデータによると、今年4月時点の新車販売でのAT/MT比率は98.4%/1.6%。まあ、MT車自体が新車ラインナップで設定している車種は数えるほどだから納得。で、1989年はというとAT/MT比率が72.5%/27.5%だったから、ほぼ3人に1人はMT車を買っていたワケだ。ちなみに、その4年前の1985年は48.8%/51.2%だったからほぼ半分がMT車だった。

■冬用タイヤの違い

 1989年当時はスパイクタイヤが常識だった。が、舗装路が削られその粉塵による健康被害が懸念されたことから1991年4月以降使用禁止に。

 1989年当時のスタッドレスタイヤ性能は酷いものだったが、それを革新的に変えたのが発泡ゴムを使ったブリヂストンのブリザックシリーズ。ゴムの強度を高めるシリカの配合は技術的に難易度が高いのだが、現在はドライ&ロングライフまで視野に入れて開発が進む。

■年間販売台数

 こちらは乗用モデルが対象となる登録車と軽自動車の総販売台数で比較してみた。

 自販連と全軽協の統計データによれば、1989年は725万6836台(登録車556万1594台、軽自動車169万5242台)を販売していたのに対し、昨年は523万4166台(登録車339万824台、軽自動車184万3342台)にとどまった。その差、200万台以上! 

 同じ車種同士で比べるとクラウンが昨年はロイヤルとアスリートで2万270台だったが、1989年は18万5877台と9倍以上も売れていた。事情は違うとはいえ……。

■販売車種ラインナップ

 現在8メーカー、9ブランドから157車種が販売されているのに対し、1989年は9メーカーから135車種を販売。1989年はまだいすゞが乗用車を販売していた(※1993年には撤退)。

 1989年当時のディーラーはトヨタがトヨタ、トヨペット、カローラ、オート、ビスタの5チャンネルで、現在はオートとビスタが統合してネッツとなり4チャンネルに。また、日産は日産、プリンス、チェリー、モーター、サニーの5つあったが、現在はすべてひとつに統合。

 ホンダはクリオ、ベルノ、プリモの3チャンネルだったが、現在はホンダカーズに統合。三菱はギャラン、カープラザの2チャンネルだったが、現在はこのふたつが統合されている。

 マツダは1989年にマツダ、アンフィニ、ユーノス、オートザム、オートラマと5チャンネル化。が、現在はすべて統合されている。スズキはカルタスとスズキの2チャンネルあったが、カルタスがアリーナに再編成された後、ひとつに集約された。

*   *   *

 いかがだっただろうか。

 ちなみに1989年当時、日産マーチの最廉価グレード、3ドアハッチバックのi・Zは70万3000円。現行マーチの最廉価グレード、1.2Sは115万1280円。ほかのモノと比べると、どうもクルマの高額化が激しいような気がする……。

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