KTM、ハスクバーナ、GASGASの2022年エンデューロモデルはさほど大きな変更点はなく、全体的にサスペンションのセッティングの見直しが行われるに留まった。だからこそ、敢えて今問いたい。いったいこの豊富すぎるラインナップから何を買うべきなのか…を!
GASGASがKTMグループの傘下になって、1年が経過した。ベースを同じくするKTM、ハスクバーナ、GASGASの3ブランドのどの車種に乗るべきなのか、今回はハードエンデューロG-NET2020チャンピオンである水上泰佑にその比較試乗を依頼、その素性を分析してみた。
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レースで勝つためのマシン、KTM
まずはKTMだ。言わずと知れた「Ready to Race」をコンセプトとして掲げるメーカーであり、世界中のあらゆるレースでの栄冠がそれを証明している。
「KTMはやっぱりスポーティですよね。エンジンのフィーリングはハスクバーナと大きな差異はありませんが、足回りの動きが、ハスクバーナともGASGASとも全然違います。アクセルを開ければ開けるだけサスペンションがよく動いてくれて、前へ前へと押し出してくれます。アクセルを開け続けている時のトラクション、グリップはピカイチです。リンクレスとPDSサスを組み合わせる伝統的な足回りですが、ハードエンデューロでヒルクライムする時や、マディ路面にマッチするんです」と水上。
水上の生家であり現在の勤務先は北九州に店を構えるバイクショップ、ダートバイクZIM。2003年にKTMジャパンができる前からKTMを扱っており、累計販売台数は優に1000台を越える。
KTMのエンデューロモデルを語る上で外せないのは、やはりリンクレス式のリアショックだ。かつてはジャンプで前転しやすいなどリンクレスに対してネガティブな印象を抱くライダーも多かったが、海外のエンデューロレースがハイスピード化するに従って改良が進み、最新モデルではそういったネガは特に感じなくなってきている。
「あえてKTMを一言で評価するなら、やっぱりレースですね。それもファンライドではなく、成績にこだわって走りたい人。ISDE(シックスデイズ)モデルやエルズベルグロデオモデルがラインナップされていることからも分かるとおり、KTMは極めて純粋な『レーサー』なんですよね」と水上。
アメリカ市場を席巻する、絶大なブランド力「ハスクバーナ」
次にハスクバーナについて触れていこう。ハスクバーナはロイヤルエンフィールド、トライアンフ、ハーレーダビッドソンらと並ぶ世界最古のバイクメーカーの一つ。そのモーターサイクル史は1903年まで遡る。かのスティーブ・マックイーンが愛したブランドということもあって、北米の信仰ぶりは凄まじいもの。ハスクバーナがラグジュアリーな路線を担うのは、そういった歴史を踏まえたものだ。
とはいうものの、KTMとハスクバーナどちらを選ぶか、というのは、日本のエンデューロライダーにとっては答えの出ないテーマのようなもので、各地で議論が交わされてきた。大きな違いとしてピックアップされるのは、リンクの有無だ。リンクレス機構を採用するKTMに対し、ハスクバーナは世界の他のメーカーと同じようにリンク機構を備えている。
「リンクレスのデメリットが解消されてきたとはいえ、やはり両者の特性には大きな違いがあります。それが顕著に分かるのが、JNCCなどでよくある荒れた長い下り坂ですね。こういうシチュエーションではリンク式の方が圧倒的に疲れません。ギャップの吸収性がよく、優しく包み込んでくれる感じです。また、ハスクバーナとKTMの違いで言えば、サブフレームですね。KTMはアルミですが、ハスクバーナはカーボンを採用していて、その形状も3ピース構造になっています。カーボンって、アルミよりも柔らかそうな印象がありますが、実はかなり硬いんです。構造のせいもあって、ハスクバーナのサブフレームはものすごく剛性が高いんですよ。だからハイスピードでコーナーを立ち上がっていくようなJNCCのトップライダーは、メリットを感じるかもしれませんね」
ハスクバーナはKTMよりも、前述したカーボン製サブフレームなど高価なコンポーネントで仕立てられており、価格も高い。いわばKTMファミリーの中ではプレミアラインなのだ。
「高級路線のイメージのためなのか、メーカーのバックボーンや世界観からか、ハスクバーナはガチガチにレースに出るだけじゃなく、街乗りに使ったり、ラリーや林道ツーリングに使ったりしてもオシャレに決まりますよね。ディーラーも福岡のスピードモーターガレージさんや埼玉の原サイクルさんなど、幅広い遊び方を提案しているところが多いイメージです」と水上。
驚くほどフレンドリー、でも物足りなさは感じない
初心者から上級者まで優しく包み込む、GASGAS
GASGASは日本のエンデューロ界でも古くから親しまれてきたスペインのメーカーだが、2020年にKTM傘下になってからは外観だけでなく「新生GASGAS」と呼ぶに相応しい性能を手に入れている。
昨年から「GASGASはエンジンフィーリングがマイルドだ」という話は散見していた。しかししっかりと同じシチュエーションで乗り比べたわけではなく「なんとなくそう感じる」という噂程度の話だった。それが今回は、完全に証明された、と言っていいだろう。KTM、ハスクバーナと比べ、GASGASは明らかに異なっていた。
「こうしてKTM、ハスクバーナと乗り比べてみると、明らかにGASGASだけマイルドですね。誤解のないように言うと、パワーがないわけではありません。優しくて、フレンドリー。でも、開ければしっかりパワーがあります。車体の方もこのエンジン特性とマッチしていて、サスペンションの動きも柔らかくて疲れにくいですね。あとシート高が明らかに低い。スペック上の数値は同じなんですが、体感でKTMよりも1.5cmくらいは低く感じます。僕はKTMをローダウンして乗っていたんですが、この足つきの良さはハードエンデューロには向いてますね。あとハンドルが低い。それのせいでコンパクトに感じます。日本人向きと言っていいと思いますよ。これはエンデューロモデルだけでなく、モトクロッサーも同じでした。あとブレーキやクラッチレバーのタッチがKTMよりも柔らかいですね。マスターシリンダーのブランドが違います」と水上。
GASGASについてはすでに別記事をリリースしているが、水上のインプレも稲垣の感想とほぼ同じ。モデルに限らず、全体的に優しくて、フレンドリー。みんなで楽しくファンライドしたいというユーザーや、ハードエンデューロ用途にも使いやすそうだ。
ちなみに今回インプレを担当してくれた水上が務めるダートバイクZIMは、今月(2021年9月)からGASGASディーラーへと生まれ変わった。近々、真っ赤になった姿をお披露目してくれるだろう。
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