もくじ
どんなクルマ?
ー 3代目 安全性とラグジュアリー感を主張
ー テスト車は1.6ℓガソリンターボ
トヨタ・ハイラックス 13年ぶりに日本市場へ 走破性/洗練性を重視
どんな感じ?
ー 高速でなければガソリンのメリットなし
「買い」か?
ー とくに無関心な向きは「買い」
スペック
ー 日産エクストレイル1.6 DIG-T テクナのスペック
どんなクルマ?
3代目 安全性とラグジュアリー感を主張
われわれ英国編集部は、去る8月に行われた国際試乗会において、エクストレイルのフェイスリフトモデルに触れているが、改めて概要を紹介しておこう。
2014年に初代モデルが英国に導入されたエクストレイルは現行モデルで3世代目に当たり、このクルマは少しアグレッシブなスタイリングとオプションで用意される特別色(コロナ・オレンジ)を与えられた、そのフェイスリフトモデルである。加えて、若干全長と全高が延長されているが、利便性を考え全幅は不変である。
日産がこのフェイスリフトモデルのキャビンで主張したかったのは、安全性とラグジュアリー感である。かつては、購入者の半数が選択した、最上位グレードの「テクナ」には、Bose製のスピーカー、自動的に進行方向を照らすアダプティブ・ヘッドライト、リアとフロントのシートヒーターが奢られる。
ほかにも、テクナのシートには上質なレザー(タンかクリーム)を選択することができるほか、DABラジオは全てのモデルに標準で搭載される。下側がフラットで若干太巻きのステアリングは、ドライバーの乗降性を改善するものであるが、プレミアム感を醸しだすことにも一役かっている。
テスト車は1.6ℓガソリンターボ
プレミアムクラスのライバル達から顧客を獲得するために、日産は、プロパイロットと呼ばれる自動運転技術を新型エクストレイルに搭載している。
メーカーによると、渋滞や高速巡航において走行しているレーンに留まる限り、アダプティブ・クルーズ・コントロールとレーン・キープ・アシスタンスを協調介入して、ステアリング、アクセル、ブレーキを制御するという。
搭載されるエンジンは、127psの1.6ℓと176psの2.0ℓの2種類のディーゼル・ターボ・エンジン、163psを生みだす1.6ℓのガソリン・ターボ・エンジンがラインナップされる。
変速機は、6速マニュアルかCVTが選択でき、また4輪駆動か前輪駆動の選べる。ただし、ガソリンエンジン車は、マニュアル変速機と前輪駆動の組み合わせに限定される(いわゆるエントリーグレードだ)。
オーストリアで行われた国際試乗会では、パワフルなディーゼルモデルのエクストレイルに感銘したが、今回のテストで、英国に導入されたほかのモデルについてよく知ることができた。
どんな感じ?
高速でなければガソリンのメリットなし
やや実用主義のミッション・ステートメントによると、このクルマを運転するのに気を遣う必要は全くないとのこと。どのエンジンを選択しても、エクストレイルは、快適で、その大きさに反して、気持ちいい回頭性を示し、気難しさを排した巡航性能を約束する。
日産は、風切音と特徴的なディーゼルエンジンの騒音の改善に努めるべきでだと思うが、ステアリングの操舵感や締め上げられた車体コントロールといった項目が余り意味をなさないのであれば、それらはあなたにとって問題になることもないだろう(実際にそういうオーナーは少なくないはずだ)。
163psを発生するDIG-Tが搭載するガソリンエンジンは、柔軟性の面でも、パワーでも勝る、ほかのふたつのディーゼルエンジンと比較にならない。24.5kg-mの最高トルクは、2000rpmという低回転で発生するが、2.0ℓのディーゼル・エンジンは同じ回転域で、さらに14.2kg-mのトルクを苦も無く発生する。
経済的なエンジンではないうえ、ディーゼルモデルのように、エクストレイルの英国における売れ筋を占めるモデルに搭載されるエンジンでもない。
たしかにガソリンエンジンのパンチのなさを挽回するのは、よく躾けられたエンジン音だろう。とはいえ、最も調律されたエンジンには程遠い。気力がなく、単調なエンジンに鞭打つも、その効果はそれほどでもない。購入者の15%しか、低オクタン燃料を使用しないだろうという英国の日産の予想もうなずける。
ガソリンエンジン車を選ぶなら、その活動の場を、舗装路に限定すべき。だからといって、ほかのクルマを追い越す必要性にも駆られないはずである。
しかしもしあなたが、このクルマで高速道路中心に距離を重ねるつもりならば、その真値を発見することができるはず。郊外で走行した時の燃費は、リッター16.2kmであり、2.0ℓディーゼルモデルのリッター17.7kmに迫る。
「買い」か?
とくに無関心な向きは「買い」
フェイスリフトされたエクストレイルは、十分に容量を確保しており、頑丈でもあり、このセグメントにおける大半の購入者の期待に応えるだろう。加えて、小回りの良さやアダプティブ・ヘッドライトは、細い道であっても、よい眺望に変えてくれるだろう。
日産は、このクルマを素晴らしいバランスでまとめあげた。ならばファミリー・アドベンチャーに最適のクルマであろうか? あなたがドライブを楽しむ向きなら違うだろう、また、あなたが完璧な洗練を望むのなら、それも違うだろう。
日産エクストレイル1.6 DIG-T テクナのスペック
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