ビジネスや教育など、近年、さまざまなシーンで進むオンライン化。そんななか一部の地域では、運転免許の更新時に必要となる講習がオンライン上で受講できるようになっているという。そのメリットとデメリットとは?
文/井澤利昭、写真/写真AC、警察庁
やっぱり運転免許センターに行かなきゃならない!? [免許更新講習のオンライン化]ってホントに便利なの!?
【画像ギャラリー】講習のオンライン化のハードルは高い!?(7枚)
■好きな時間に受けられるのが魅力のオンライン講習
2022年2月の開始当初は免許区分が「優良」、いわゆるゴールド免許を持つドライバーのみがその対象であったオンライン講習だが、2023年10月にはその対象範囲が拡大され、免許区分が「一般」のドライバーも受講ができるようになった
ドライバーであれば誰もが数年に一度必要となる運転免許証の更新手続き。
警察署や運転免許センターまで足を運び、視力測定などの適正検査や法定講習、顔写真の撮影など、多くの手続きをこなさなければならないだけに、スムーズに進んでも半日ほどの時間がかかってしまう。
なかでも法定講習は、免許区分によって30分から2時間と講習時間が決まっており、更新のための時間が長引く原因のひとつとなっている。
そこで2022年2月から試験的に始まったのが「オンライン更新時講習モデル事業」だ。
これは、免許更新時に時間のかかる法定講習を、オンラインで前もって受講できるという試みで、多く人が来場する運転免許センターへの集中を避けることで、更新業務の効率化を図るというもの。
時間や場所に縛られることなく講習を受けられるうえ、運転免許センターなどでの滞在時間を減らすことができるなど利便性も向上するため、受講者であるドライバー側にもそのメリットは大きい。
■更新時のオンライン講習は誰でも受けられる?
便利に思える免許更新時のオンライン講習だが、先ほども述べた通り、現在はモデル事業として北海道、千葉県、京都府、山口県の4道府県でのみ実施されており、これらの地域に住む人のみがその対象となる。
また免許区分にも制限があり、当初は優良運転者、いわゆるゴールド免許の人のみが受けることができたが、2023年10月からは一般運転者にもその対象が拡大された。
過去に複数の違反や人身事故を起こした違反運転者や、継続して免許を受けている期間が5年未満の初回更新者、初めて運転免許を受ける新規取得者などは残念ながらオンライン講習を受けることはできない。
加えて、更新期間満了時に70歳以上である高齢者もオンライン講習の対象とはならないので気をつけたい。
■始める前に揃えておきたいオンライン講習に必要なもの
対応する地域での更新でオンライン講習を受講するためには、前もって準備しておくものがいくつかある。
まず必要となるのが、本人確認用のマイナンバーカードだ。これがないとオンライン講習は受講できないため、まだ申請していないという人は、前もって取得しておこう。
ログイン時には、マイナンバーカー受け取り時に設定した、署名用電子証明書用暗証番号(パスワード)が必要となるので、こちらにあらかじめ確認しておきたい。
また、オンライン講習を視聴するためのスマートフォンやパソコンなどの機材ももちろん必要。
スマートフォンの場合は、ICカードの読み取りが可能なNFC対応のものが必須となるので、自分の使っている機種が、NFCに対応しているかをあらかじめ確認しておきたい。
パソコンの場合も同様で、マイナンバーカードを読み込むためのICカードリーダーと、自分の顔を撮影できるインカメラまたは外付けWEBカメラを備えたものが必要となる。
■やってみれば意外と簡単! オンライン講習の手順
オンライン講習を受講するする際は、モデル事業を実施している各地域の警察のホームページからリンクされている専用サイト「オンライン更新時講習モデル事業」へアクセス。トップ画面の「開始する」をタップまたはクリックし、画面の指示に従いながら講習を進めていく
では、実際のオンライン講習はどういった流れで行われるのだろうか?
まずは免許更新のタイミングで送られてくる通知ハガキで、自分の講習区分がオンライン講習が可能な「優良」または「一般」であることをチェック。
オンライン講習が受講できるのはモデル事業を実施している地域に住む対象者のみで、受講可能な時期はもちろん、更新の手続き期間内に限られる。
自分がオンライン講習の対象となることがわかったら、管轄する警察署のホームページにスマホまたはパソコンからアクセスし、そこからリンクされている専用サイトへと移行する。
画面の指示に従いながらマイナンバーカードをスマホやパソコンのICカードリーダーにかざし、署名用電子証明書用暗証番号(パスワード)や運転免許証番号などを入力すると、動画による講習がスタートする。
講習動画は3つのチャプターに分かれており、その都度顔写真の撮影や確認問題が出題されるので、気を抜くことなくしっかりと受講しよう。
免許区分が「一般」の場合はその後、運転適性診断が実施され、設問の回答に応じた複数の講習動画の視聴と再度顔写真が撮影が行われる。
その後アンケートに回答すれば、オンライン講習は終了。アンケート回答後に表示される画面で、受講状況の確認もできる。
■オンラインだけでは更新手続きは完了していない!?
オンラインでの講習が終わったからといって、免許証の更新が完了したわけではない。
その後は通常の更新手続きと同様、警察署や運転免許センターに足を運び、適性検査や写真撮影といった手順を経て、無事に新しい免許証が交付される。
便利なオンライン講習ではあるものの、マイナンバーカードや、対応するスマホ・パソコンを持っていないという人にとっては、オンライン講習のためにそれらの機材を揃えるのは少々ハードルが高い。
また、オンライン上ですべての手続きが完結せず、結局は警察署や運転免許センターに行かなければならないという点もやや不満が残るところ。
いっぽうで、実際にオンライン講習を受講したドライバーからはおおむね好評であり、講習を受ける場所や時間的な自由度が高い点や、免許センターなどに滞在する時間を短縮できるといったメリットがあることは間違いない。
2024年度末をめどに全国すべての地域で受講できることを目指しているというオンライン講習。
不満な点はまだまだあるものの、多くの人にとって利便性の向上がつながることが期待できるだけに、その導入が待ち遠しい。
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みんなのコメント
さらに、毎年30万人もの交通事故被害が発生していることを考えれば、試験も更新も真剣に実施するべきだ。仮に50年運転したら、その間に1500万人が傷つき命を落としているのだ。
車の運転は、そんなにお気軽なことではない。
当然、更新は対面で行うべきだ。