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【自動車博物館へ行こう】いすゞ117クーペはいかにして生まれたのか、その原点を聖地「いすゞプラザ」で知る

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【自動車博物館へ行こう】いすゞ117クーペはいかにして生まれたのか、その原点を聖地「いすゞプラザ」で知る

1970年代の日本車を代表する傑作のひとつとされる「いすゞ117クーペ(ISUZU 117 Coupe)」。その初期型モデルがファンの間で聖地とされる「いすゞプラザ」に展示されていた。(Motor Magazine 2017年12月号より)

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いすゞ117クーペの原点とされるのは、1966年のジュネーブオートサロンに参考出品されたプロトタイプ「ギア いすゞ117スポーツ アッソ デ フィオーリ」。デザインは当時カロッツェリア・ギアのチーフデザイナーを務めていたジョルジョ・ジウジアーロの手になるもので、その美しさは世界的に評価が高く大きな反響を呼んだ。

1968年に登場した117クーペはそれを市販化したモデルで、先行して登場していた117サルーンことフローリアン(117は開発コードでこちらもジウジアーロ デザイン)をベースにした豪華な4座GTカーだった。

ただ、一部生産化に向けて変更されているとはいえ、大きなグラスエリアに細いピラー、ヘアライン仕上げのドリップモール、微妙にうねるボディラインなど、当時のプレス技術では正確にデザインを再現することができず、多くの部分の生産を手作業で行なっていた。

そのため大量生産できず、当初は1日の生産台数は30~50台ほどにすぎなかった。それゆえ車両価格はベレットGTの2台分にあたる172万円もしたが、これがさらに117クーペの人気を高めることにもなった。

エンジンは120psを誇る1.6L 直4 DOHCを搭載、ゼロヨン16.8秒と最高速190km/hを謳った。

1973年3月のマイナーチェンジで通常のプレス加工のボディに変更されるとともにエンジンを1.8Lに変更。さらに1977年11月にヘッドライトを角型に変更、1978年12月にはエンジンを2Lに拡大。その後、2.2Lディーゼルも追加している。

1968年に発売されて以来、117クーペは1981年にピアッツァが登場するまで長きにわたって販売され、いすゞを象徴するモデルとなったが、それでもこの間の生産台数は8万6192台とされている。

今もその人気は高く、1968年から10年間1台も廃車にされなかったという逸話も残る。いすゞプラザには1968年生産の初期型が展示されている。

いすゞ 117クーペ(1968年) 主要諸元

●ボディサイズ:全長4280×全幅1600×全高1320mm ●ホイールベース:2500mm ●エンジン:直列4気筒 1584cc ●最高出力:120ps / 6400rpm ●最大トルク:14.5kgm / 5000rpm ●車両重量:1050kg ●車両価格:172万円(1968年当時)

いすゞプラザ(ISUZU PLAZA)

いすゞ自動車の創立90周年を記念して、2017年4月に藤沢工場隣接地に開設されたミュージアム。いすゞが生み出してきた数多くの車両を時代背景とともに紹介、今では乗用車のイメージは薄くなっているが、かつて日本を代表する乗用車メーカーでもあったことを思い出させてくれる。

いすゞが初めて生産したトラック「ウーズレーCP型」、初めてオリジナルで開発した乗用車「ベレル」をはじめ、歴代の名車を展示。いすゞの歴史やものつくりの哲学を大人から子供まで実感できるスペースとなっている。一般に広く開放されていて、入場は無料となっている。また誰でも利用できる宿泊施設やカフェなども併設する。

●住所:神奈川県藤沢市土棚8 
●入館料:無料
●開館時間
【月~金・完全予約制】9:00~17:00(受付16時まで)
【土、祝日・自由見学日】10:00~17:00(受付16時まで)
●休館日:日曜日、ゴールデンウィーク、夏期休暇、年末年始 
●駐車場:あり
●問い合わせ先:☎ 0466-41-5811
●電車でのアクセス:小田急江ノ島線/相鉄いずみ野線/横浜市営地下鉄ブルーライン「湘南台駅」下車/湘南台駅から無料送迎バスを運
●クルマでのアクセス:圏央道 海老名ICから約10km/横浜新道戸塚料金所から約11km
●展示車両は入れ替えの場合あり

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