アロンソの依頼で誕生
F1ドライバーのフェルナンド・アロンソは、アストン マーティンの新型「ヴァリアント」誕生の経緯について、次のように語った。
【画像】アロンソも「傑作」と称賛するV12スポーツカー【アストン マーティン・ヴァリアントを写真で見る】 全30枚
「ヴァラーが欲しくて、少し変わった仕様にできないか、特別なバージョンを作ってもらえないかとお願いしたんだ」
最高出力745psの5.2L V12ツインターボを6速MTと組み合わせたヴァリアントは、可能な限りピュアなドライビング・エクスペリエンスを追求している。昨年公開されたヴァラーをベースに、さらにハードコアに仕上げた発展型だ。
アロンソはAUTOCARの取材に対し、「最終的には感動的な芸術作品に仕上がったと思う」と語った。
ヴァリアントはわずか38台の限定生産で、200万ポンド(約4億円)近い価格が付けられる。その誕生にはアロンソが深く関わっている。
英国で開催のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024(7月11~14日)で、2度のF1世界チャンピオンに輝いたアロンソに話を聞いた。
なぜマニュアルを選んだ?
――ヴァリアントはどのようにして生まれたのですか?
「すべてはヴァラーから始まった。僕はまずヴァラーが欲しくて、ちょっと変わったものにできないかと頼んだんだ」
「エアロディスクなどの機能が大好きで、僕のために特別なバージョンを作ってもらえないかとチームにお願いした。エアロディスクは明らかにホモロゲーションされていなかったし、リアウイングもホモロゲーションされていなかった。要望リストを見直したとき、彼らはこう言ったんだ。『それなら、新しい名前で新しいマシンを作ったほうがいいと思う。限定仕様車を作ろう』」
「もちろん僕は賛成して、それからエアロ、パワーアップ、軽量化など、レーシングドライバーが好むすべての要素に取り組み始めた。最終的には感動的な芸術作品に仕上がったと思う」
――走りはどんな感じですか?
「かなり過激だよ。サーキットカーでありながら、一般道でも走れるように作られている。マルチマティック・ダンパーのおかげでハンドリングはとてもいい。僕にとってV12のサウンドは、クルマを感じ、ハンドルを握る情熱を伝えてくれる特別な方法だ。特に驚いたのはサスペンションとハンドリングの2つだけと、サウンドも素晴らしいよ」
――普段マニュアル車に乗る頻度は?
「まったく」
――では、理想のクルマにマニュアルを選んだ理由は?
「若いころはフォーミュラ・ニッサンでもマニュアル車に乗って育った。これはコレクターズカーで、10年後、15年後に乗って、すべての始まりとロードカーの始まりを感じたいと思っている」
「僕は14歳か15歳のときから18歳になるまで、免許を取ってクルマを運転できるようになるのが待ち遠しかった。いろいろなシングルシーターに乗ったり、全速力で運転したりしたけれど、ずっとクルマと2人きりになれる瞬間を待っていた。高速道路に乗ったり、1人でレストランに行ったりしたことは忘れられない。それにV12でマニュアルというのは、普通のオートマチックよりも魅力があると思う」
――よく運転するストリートカーはありますか?
「毎日運転しているよ。モナコに住んでいるから、クルマよりもスクーターを使うことが多いけど、それでもよく運転するよ。毎週空港まで行くんだ」
要望はどれだけ反映されたのか
――ヴァリアントで「これはできない」と言われたことや、誇りに思えるところは?
「たくさんあるよ。普通の答えは “ノー” だけど、チームは優秀だから、特にギアスティックをあんな風に露出させたように、何か方法を見つけてくれる。構造を変えるのは大仕事だけど、今ではいい特徴になっているね」
「スプリッターやディフューザーのようなエアロデバイスは、サーキットでは難しくないけど、ロードカーでは段差を越えたり、メンテナンスしたりしないといけない。公道を走るクルマに組み込む価値があるのか、疑問符がつくようなチャレンジもあったけれど、僕たちが求めたものはほぼすべて搭載されている」
「そして、ヴァラーより100kgも軽い。これはとても大きな目標で、僕が100kgと言うと、最初はノーと言われた。でも、ここで1kg、あそこで1.5kg、20kgと落としていった。100kgは大変な挑戦だったけれど、最終的には達成できたよ」
――軽量化のプロセスやチューニングには、どの程度関わっているのですか?
「あまり関与していない。チームが優秀なんだ。彼らは多くのF1チームと接触していた。アストン マーティンのF1チームとロードカーチームの関係はこれまで以上に緊密で、F1で使っている素材の一部を応用している」
「軽量化の一例としては、重心を下げるためにクルマの高い部分で軽量化を図っている。コックピット、シート、ステアリングホイール、コンソールなどは、F1では重心を下げるために重要な場所で、それがロードカーにもフィードバックされている。シートとコックピットは、ヴァラーとヴァリアントの大きな違いだと思う」
――あなたがいつまでレースを続けるかはわかりませんが、ロードカーの設計というセカンドキャリアは考えられますか?
「それはないかな。というのも、週末にレーシングチームを手伝うよりも、ロードカーをデザインする方がずっと難しいと思うんだ。僕はあと数年はレースに出るだろうけど、アストン マーティンとの契約は長期的なもので、ドライビングを担当した後は週末のレースでチームを助けることができる。ドライバーがさまざまな局面で週末に臨めるよう、彼らの体調を整え、集中力を維持し、週末をアシストし、レースでの決断(インターミディエイトタイヤ/ウェットタイヤ)を下したりと、ロードカーよりもそういうところで役に立てると思う」
「でも、クルマのテストはいつでも喜んでやるよ。アストン マーティンに入って以来、僕が気に入っているのはDBXのハンドリングで、ロールもピッチもない。プラットフォームは超安定していて、あのクルマに乗るといつも驚かされる。僕がモナコで運転するクルマであり、すべてのアストン マーティンの中で一番好きなクルマでもある。こうしたフィードバックはチームにとって有益だと思う」
クルマへの愛情
――どんな人がこのクルマを買うのか、話せることはありますか?
「特にないかな。メッセージはいくつか見たよ。非常にコレクション性の高いクルマで、高い価値を保ち続けるだろうね。何人かの友人からメッセージをもらったけど、クルマはすべて割り当てられていると思う」
――あなたは注文したんですよね。違いますか?
「まだだけど、ヴァンテージGT3は持っているよ。昔のクラス1のDTMも持っている。(できれば)7月29日の僕の誕生日に間に合うようにヴァルキリーを納車してもらいたいね。あとDB5も探しているんだ」
「ヘリテージ・チームと連絡を取り合っているんだけど、ちょっとしたコレクションを作るのが楽しみなんだ。アストン マーティンはコレクターズカーや高価値で知られているし、僕も持ちたい」
――アストン マーティンに惚れ込んだ?
「そうだね、今はのめり込んでいるよ。以前からファンだったけれど、最近の製品を見ていると、これまでよりステップアップしていると思う。僕が過去に働いていた高級車ブランドのいくつかは、方向性を変えたり数字を追いかけたりしているけれど、アストンはまだ非常にエクスクルーシブなんだ」
「アストンは顧客を大切にしているブランドの1つだと思うし、僕もそうした価値観に共感している」
「この性能でこの台数のクルマを買うとき、37台のうちの1台であれ、1000台のうちの1台であれ、ワンオフとして扱われたいと思うものだよ」
――パドックでは、どのクルマに割り当てられるかで競争しているのでしょうか?
「そうでもないけれど、他の人たちのガレージに何があるかはみんな知っているよ。レトロスタイルのクルマ、オールドスクールなクルマを集めようとする人が増えている。V12でマニュアルシフトのヴァリアントもそうだ。新型車であっても、ちょっとレトロな感じがする。そして、ある意味ではみんなヴァルキリーが大好きなんだ。マックス(・フェルスタッペン)も持っている」
「でも、みんなクルマが大好きなんだ。僕たちはクルマに熱狂していて、2週間に1度は世界最高のクルマに乗っているけれど、普段の生活でもパワフルなクルマに乗りたいんだ」
――ヴァルキリーのアロンソ仕様は?
「クーペで、F1カラーにしたよ。F1に一番近いものを持ちたかった。2週間ごとにアストンに乗っているから、ヴァルキリーも同じようにライムのテイストを加えたクルマにしたかった」
――DB5は?
「シルバーグレーが欲しいけど、選択肢の中にはブルーやグリーンもあるから検討してみるよ。でも、完全にオリジナルさ」
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