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【スズキ スイフト試乗記】実用領域を重視した作り込みのBセグメントハッチバック

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【スズキ スイフト試乗記】実用領域を重視した作り込みのBセグメントハッチバック

2023年12月にスイフトがモデルチェンジを行ない、同年12月13日にCVTモデルが、そして2024年1月17日に5MTモデルが発売された。今回は最初に発売されたCVTモデルに試乗できたのでお伝えしよう。

新型スイフトに求められる性能や個性、またユーザー属性を見ると30代を中心に若い世代が多いことが特徴と説明され、Bセグメントサイズの中でも他社にはない特徴だとスズキは見ている。また一方でスイフトスポーツがあるためか、スポーティな印象が強く、走りのイメージがあるという声もあり、じつは「普通に走ればいい」というユーザーのほうが多いこともスイフトの特徴だという。

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スズキでは、この四代目スイフトはZ世代をターゲットとし、日常的にクルマを使う人、自分ひとりの時間を大切にする人、デザイン優先度が高い人などをターゲットとしている。

個性的なデザインと実用性を備える仕様

そのためエクステリアデザインではクラムシェル・ボンネットのような、ボンネットフードからボディ全体につながる独特なデザインを持ち、グリルもひと目でスイフトと分かる顔になっている。さらにフェンダーの盛り上がりなど力強さや踏ん張り感などワイド&ローなスタイリングで存在感を出している。

ボディサイズは全長3860mm、全幅1695mm、全高1500mm(AWDは1525mm)、ホイールベースは2450mmでBセグメントサイズ。LEDヘッドランプ、LEDフォグランプ、LEDストップランプなどを採用し、デザイン的にもボディのワイド感を作り新しさと存在感を狙っている。

インテリアではディスプレイ・オーディオを搭載し、ローカルにもナビソフトがデフォルト装備されているので、スマホリンクをしなくてもナビゲーションは使える。若いユーザー層はApple car playやAndroid autoを使い、高齢者はローカルナビで対応といったあたりも、スズキらしい実用性を考えた設定だ。

一方で、E/Eアーキテクチャーが進化していくごとに、できることが増えていき、表示されるデータも増えてくる。そしたインターフェイスや視認性、操作性においては他社と同様、整理する必要を感じた。必要な情報と今は必要ない情報、そして不要な情報といったドメインの明確化は求めたい。

スポーティな印象を持つスイフトだが、シートに座ってみると、なるほどスポーティな感触はある。シートバックサイドのサポートや座面の両サイドのサポートなど、スポーツシートのようにホールド性があり、走りを予感させる座り心地だ。

低速トルクもしっかりある実用性

試乗エリアは千葉県の郊外路で高速道路や市街地は走行しておらず、信号の少ない郊外路を走行した。そうした環境だと、エンジン音は小さく、静かな印象だがアクセルを踏み込むと、そこはサウンドとは言えないエンジン音が聞こえてきて、静粛性はクラスレベルだ。それは車格の位置付けが実用車であることに徹底していると感じられるわけで、しっとり感や高い静粛性を求め車両価格が上るより「普通に走ればいい」というユーザーの声を反映しているといった印象だ。

それでもハンドリングは悪くない。リヤタイヤの追従性も感じられ普通に走るのではなく、よく走るという印象。ただし、エンジンは1.2Lの3気筒NAで、ISGのマイルドハイブリッドなので、パンチの効いた走りよりは実用車領域。

搭載するZ12E型のエンジンは新開発され、高効率燃焼を目指す最新の技術を投入している。高ターンブル流を発生させ、膨張比を大きく取りながら点火時期を早められるように設計しているという。そのエンジンは、ロングストローク化され出力は82ps/108Nmというスペックで、WLTCモード24.5km/Lという省燃費設計となっている。合わせてCVTも新設計され、高効率かつスポーティドライブが楽しめる狙いという。

実際の郊外路での走行では、ラバーバンドフィールは薄く、かと言ってスポーティに走れるかというと、やはり実用車レベルで、車体の軽さやエンジン自体の軽さなどからの軽快感はある。またロングストローク化やISGでの駆動アシストによって低速度域でのトルク感もある。まさに実用域での走りに注力していることが伝わってくる。そしてステアリング操舵も軽く、誰もが運転しやすいと感じるだろうが、スポーティな走行でトレースすると手応えや切り戻しのフィールは薄く感じる。

乗り心地では微低速域での渋さがあるが、ここをしなやかな領域に持ち込むには高価格帯のダンパーが必要になるし、ハンドリングのレベルも一段高く設定することに繋がり、結果、車両価格に跳ね返ることは明白。捉え方としてはシートの形状に見合った「走りそうな雰囲気」を作っているという演出の部分と捉えてみるのはいかがだろうか。

したがって、走行してみての印象は「普通に走ればいい」というユーザーに対して、期待以上の走りは提供できるというポイントをゴール地点に設定していそうだ。よりスポーティな領域にはスイフトスポーツがあるわけで、標準のスイフトは実用領域にこだわり、だれもが扱いやすいと感じるレベルにまとめていると感じた。

そしてクルマに求める新たな価値として運転支援や安全機能の充実という点では積極的だと高評価になった。Bセグメントでは初搭載のドライバーモニタリングシステムや誤発進抑制機能は前後に搭載され、ペダルの踏み間違い事故抑制に役立つ。またACCなどの運転支援機能の主な機能類は標準装備されていることも高評価になった。

価格

諸元表

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