現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 故パーネリ・ジョーンズがF1に挑んだ3年間。マリオ・アンドレッティを乗せたチームUSAの戦い

ここから本文です

故パーネリ・ジョーンズがF1に挑んだ3年間。マリオ・アンドレッティを乗せたチームUSAの戦い

掲載 1
故パーネリ・ジョーンズがF1に挑んだ3年間。マリオ・アンドレッティを乗せたチームUSAの戦い

 アンドレッティ・グローバルのF1参入申請をめぐる議論が白熱するなか、火曜日にひとりの元F1チームオーナーが90歳で亡くなった。

 パーネリ・ジョーンズは、主に偉大なインディカードライバーとしていつまでも記憶されるだろう。ストックカーからスプリントカーレースまで、3つの異なるカテゴリーで4つのタイトルを獲得した彼のキャリアにおいて、1963年のインディ500制覇は最大の勝利だった。

1963年のインディ500ウイナーのパーネリ・ジョーンズが90歳で亡くなる

 しかし、1974年の秋から1976年の春までの18カ月間、ジョーンズはアメリカを拠点とする珍しいF1エントラントでもあった。

 偉大なマリオ・アンドレッティのために1台のマシンを用意し、ヴェルズ・パーネリ・ジョーンズ・レーシングとして16回のグランプリに参戦したのだ。パーネリとロジャー・ペンスキーが、同時期にF1に参戦することを決めたのは偶然ではなかった。インディカーにおける彼らのライバル関係は知られていたし、互いに優位に立つことを望んでいた。最初は、パーネリの方が有利だった。

 1974年シーズン終盤のカナダGPとアメリカGPへのエントリーは、翌年に向けたテストの延長だったようだった。しかし、ペンスキーは翌年すべてのレースに出場するつもりだったが、ジョーンズとアンドレッティはベルギーGPとオランダGPを欠場した。

 それは、彼らの主要プログラムであるアメリカでのレースと日程が重なっていたためだった。興味深いことに、アンドレッティはグランプリを欠場した後のレースでシーズン最高の成績を収め、スウェーデンGPではペンスキーのドライバーのマーク・ドナヒューに決定的な差をつけて4位となり、フランスGPでは5位につけた。

 しかし、チームのリソースを過度に圧迫していることと、メインスポンサーが撤退しようとしていることを認識していたジョーンズは、アンドレッティがブラジルで1ポイントを獲得した後、1976年シーズンの最初の3レースが終わったところでF1プログラムを中止することを決定した。

 有名な話だが、パーネリ・ジョーンズは、ロングビーチでのレース後にチームを閉鎖することをアンドレッティに伝える前に、アメリカのメディアにそのニュースを伝えていた。ドライバーはグリッドに座っているときに、アメリカの有名なテレビレポーターのクリス・エコノマキを通じて初めてそのことを知ったという。

 そして、それは10年以上の友人であったアンドレッティとジョーンズの関係に深刻な冷え込みをもたらしたが、実はアンドレッティは幸運な顛末を迎えた。ロニー・ピーターソンが、ロータスでの4シーズン目の1レースのみでチームを離れることを決めており、アンドレッティがフリーになるとすぐ、コーリン・チャップマンが彼と契約したのだ。

 翌年の1976年には『F1世界選手権イン・ジャパン』で優勝を飾り、1978年にふたりは両チャンピオンシップを制覇することになった。つまり意図せずして、パーネリ・ジョーンズはアンドレッティの目標達成の一助となった。

 しかし彼は、非常に小規模なチームと限られたリソースで信頼できるF1チームを編成し、1レースにつきマシンは1台のみの状態で、ふたつのグランプリを欠場したものの1975年のF1コンストラクターズ選手権で10位につけるという、素晴らしい業績を残した。

関連タグ

こんな記事も読まれています

テオ・プルシェールがインディカーで残した爪痕。復帰への道筋と後任ノーラン・シーゲルの才能
テオ・プルシェールがインディカーで残した爪痕。復帰への道筋と後任ノーラン・シーゲルの才能
AUTOSPORT web
WTRアンドレッティ、2024年限りでアキュラ/HRC USとの提携を終了「別の方向に進む必要がある」
WTRアンドレッティ、2024年限りでアキュラ/HRC USとの提携を終了「別の方向に進む必要がある」
AUTOSPORT web
ヒョンデのLMDhプログラムが近く決定か。チップ・ガナッシ・レーシングとの提携が有力視
ヒョンデのLMDhプログラムが近く決定か。チップ・ガナッシ・レーシングとの提携が有力視
AUTOSPORT web
早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
AUTOSPORT web
後任“お漏らし”騒動の直後にブリスコのJGR加入が正式発表。複数年契約でトヨタ陣営へ/NASCAR
後任“お漏らし”騒動の直後にブリスコのJGR加入が正式発表。複数年契約でトヨタ陣営へ/NASCAR
AUTOSPORT web
HRC USが2025年からメイヤー・シャンクと提携しIMSAでの役割を拡大。2台のARX-06を投入へ
HRC USが2025年からメイヤー・シャンクと提携しIMSAでの役割を拡大。2台のARX-06を投入へ
AUTOSPORT web
レギュレーション延長が新たなメーカーを呼び込むか「早ければ2026年にも」とIMSA代表は期待
レギュレーション延長が新たなメーカーを呼び込むか「早ければ2026年にも」とIMSA代表は期待
AUTOSPORT web
10年ぶりの勝利を目指すチームWRT、スパ24時間で使用するBMWのマシンカラーリングを公開
10年ぶりの勝利を目指すチームWRT、スパ24時間で使用するBMWのマシンカラーリングを公開
AUTOSPORT web
大雨で終盤に赤旗中断。波乱のワトキンス・グレン6時間をポルシェ7号車が制し今季2勝目/IMSA第6戦
大雨で終盤に赤旗中断。波乱のワトキンス・グレン6時間をポルシェ7号車が制し今季2勝目/IMSA第6戦
AUTOSPORT web
レッドブルF1が今年のグッドウッドに登場。フェルスタッペンはタイトル獲得マシン『RB16B』でデモランを実施へ
レッドブルF1が今年のグッドウッドに登場。フェルスタッペンはタイトル獲得マシン『RB16B』でデモランを実施へ
AUTOSPORT web
2戦連続で表彰台を獲得も、ライバルとの差は縮まっていないとメルセデスF1代表「それを埋めたら勝利を目指せるはず」
2戦連続で表彰台を獲得も、ライバルとの差は縮まっていないとメルセデスF1代表「それを埋めたら勝利を目指せるはず」
AUTOSPORT web
説明が異なるメルセデスのタイヤ戦略「計画どおり」とラッセル、エンジニアは「やむを得ず」分けたと主張
説明が異なるメルセデスのタイヤ戦略「計画どおり」とラッセル、エンジニアは「やむを得ず」分けたと主張
AUTOSPORT web
驚速パロウが大荒れのレースを制す。ポール・トゥ・ウインで今季2勝目/インディカー第8戦ラグナ・セカ
驚速パロウが大荒れのレースを制す。ポール・トゥ・ウインで今季2勝目/インディカー第8戦ラグナ・セカ
AUTOSPORT web
アルピーヌF1のブリアトーレが、サインツ獲得に動く。ウイリアムズ、アウディとの争奪戦を展開
アルピーヌF1のブリアトーレが、サインツ獲得に動く。ウイリアムズ、アウディとの争奪戦を展開
AUTOSPORT web
骨折でル・マンを欠場したコンウェイ、サンパウロでの復帰は未確定。WEC第5戦のエントリーリスト発表
骨折でル・マンを欠場したコンウェイ、サンパウロでの復帰は未確定。WEC第5戦のエントリーリスト発表
AUTOSPORT web
アストンマーティンF1、ストロールとの契約延長を発表。2026年までアロンソとのコンビを継続へ
アストンマーティンF1、ストロールとの契約延長を発表。2026年までアロンソとのコンビを継続へ
AUTOSPORT web
レッドブル&HRC密着:マシンストップでガレージに緊張感。幸運も味方につけ復活の初日“全セッショントップタイム”
レッドブル&HRC密着:マシンストップでガレージに緊張感。幸運も味方につけ復活の初日“全セッショントップタイム”
AUTOSPORT web
ルノー陣営がビリクム初制覇。伏兵の予選初ポールから“王者の息子”が連勝を達成/TC2000第5戦
ルノー陣営がビリクム初制覇。伏兵の予選初ポールから“王者の息子”が連勝を達成/TC2000第5戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
  • tnw
    これでは、フル参戦している現在のF1チームには太刀打ちできない。楽しい勝ち方ではないかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村