気持ち高まるボクサーサウンド
text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
photo:Masakatsu Sato(佐藤正勝)1997年式のスバル・レガシィ・ツーリングワゴンGT-B。そのオドメーターには96000kmという走行距離が刻まれていが、各部に走行距離を裏付けるようなヤレは見当たらない。
ロイヤルブルー・マイカのボディには深い艶があり、ゴム類は総じて新品に換えられているように見える。
インテリアのコンディションもすばらしい。クルマの走行距離は運転席のサイドサポート部の擦れでわかることが多い。だが2トーンのモケットが使用されている若干バケット風にサイドサポートが立ち上がったシートに擦れた跡は見当たらない。
ATは4速だし、オーディオもスマホと連携することなどできるはずもない。とはいえポータブルナビやETC車載器を付けてしまえば、装備的には現代でも十分に通用しそうだ。
面白いのはシフトレバー横の格納式カード入れである。高速道路のチケットやクレジットカードを入れておくものだと思われるが、今どきの若者がカード入れを見つけたとしても、どうやって使うものなのか見当がつかないのではないだろうか。
コクピットに座って水平対向4気筒エンジンのフィーリングを確かめる。ノーマルマフラーなので3000rpmくらいまではおとなしめだが、それより上ではドコドコドコッという特徴的な「ボクサーサウンド」が響き渡る。
直列4気筒横置きのパワートレインよりはるかにキャラが立っていて、ワクワクさせられる。純正装着されているエアバッグ付きのMOMOを握りレガシィを発進させてみる。
新鮮な速さ、装備の懐かしさ
GT-BのMTモデルは280psユニットを搭載するが、今回の撮影車輛はATなので260psに留まる。とはいえ車重1460kgで260psと聞けばそれなりの速さを期待してしまう。
ところが、走りはじめは少し肩透かしを食らったような気になる。エンジンのレスポンスはなかなか鋭いし、ターボの高まりもしっかりと感じられるのだけれど、オートマの性格がその角をしっかりと削り落とし丸みを帯びたものにしてしまっているからである。
首都高に合流すると、その速さがしっかりと感じられるようになる。最高出力の発生回転数は6500rpm、最大トルクは5000rpmと高め。それでも現代車と比べれば車重が軽いので、気づくと結構なスピードが出ているのだ。
またグラスエリアが広く、ボンネットが低くて視界が良いこともスピード感のなさ=予期せぬ速さ、につながっているのだと思う。
速度計と回転計の間に縦一列で「PRND321」というシフトポジションが表示されているのが少し懐かしい。ABSブレーキは付いているが、トラクションコントロールは装備されていないので、例えば雪道で2速発進したいような時にはシフトポジション2は重宝するに違いない。スノーホールドスイッチなんていう装備もわざわざついている。
またシフトレバーにあるPOWERスイッチでシフトアップポイントを上げるというのも、現代ならば「スポーツモード」で一括で変化させてしまう部分なので、20世紀的と感じてしまう部分だ。
古さ感じさせる箇所、そう多くない
カタログによればビスカスLSD付きのセンターデフが装備されている他、GT-BとGTという260~280psのパワフルなグレードだけにはリアにもビスカスLSDが組み込まれている。
とはいえ都内近郊のドライ路面でAWDシステムの核心に触れることなどできるはずもない。
シンメトリカルAWDのシステムを透視するように思い描きながらドライブしてみると、確かにフロントの重心が低く感じられる。エンジン縦置き、FRベース的な4駆なので、総じてリアタイヤの方に大きなトラクションが掛かっている印象で、ハンドリングも非常に素直だ。
そして何より、10万キロ近い走行距離にも関わらず、ウインドウまわりがミシリとも言わないことに驚かされる。おそらく「乗りっ放し」の個体ではこうはいかないだろう。
現代車に慣れていると、3速1.00から4速で一気に0.694まで高くなってしまうギア比の離れ方が気になった。あと高速巡行している時、「このクルマにアイサイトや音声認識が付いていたら」なんて真剣に考えてしまった。
だが裏を返せば古さを感じさせる箇所はそう多くないのである。昔乗っていたとか、憧れていたなんていう人にはぜひお薦めしたい。
2代目レガシィのようなネオクラシックをドライブしていると、中古車に乗っているというより好きなクルマに乗っているという印象の方が勝るように思う。
偉大な初代の陰に隠れがちだが、2代目レガシィも現代のスバルのイメージを確立した立役者なのである。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
「財布を忘れて帰ろうとしたら、免許不携帯で捕まりました。今取りに帰るんですよ。私が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「事実でしょ」「非常識」の声も…「うっかり」でも許されない理由とは
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?