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勝田が訪問先のル・マン24時間で感じた新しい視点と刺激。初挑戦WRCポーランドは難渋の8位

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勝田が訪問先のル・マン24時間で感じた新しい視点と刺激。初挑戦WRCポーランドは難渋の8位

 勝田貴元が初めて挑んだラリー・ポーランドは、総合8位完走という悔しい結果となった。

 大会後に日本のメディアへ向けて開いたオンライン会見にて勝田は、今大会の苦戦の要因や次戦以降への改善点、さらに大会前の6月15~16日に決勝が行われたWEC世界耐久選手権のル・マン24時間レースで現地観戦をした時に得た刺激について語った。

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 今大会の勝田は、序盤の金曜日で思うようにペースを上げられず、出走順が総合順位の降順に入れ替わる土曜日からはステージの“掃除役”となったことでさらにタイムロス、という苦しい状況での戦いとなった。

「今回は、走り始めからものすごくアンダーステアが強くて、持ち込みのセットアップを外してしまった印象でした」

「そこからはデフの調整でいい方向が見つかってタイムは上がっていったのですが、根本的に持ち込んでいたセッティングの悪い点を改善することはできず、差は取り返せませんでした」

 金曜日はミッドデイサービスの設定がなかったために大掛かりなセット変更ができず、総合8番手でこの日はフィニッシュ。出走順が入れ替わる土曜日以降は、午前は2番目に、午後は先頭のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)のデイリタイアしたため1番目にコースインする立場となり、ステージに溜まった砂を除ける“掃除役”となってしまった。

「クルマ自体は、金曜の夜にセッティングを大きく変えたので良くなったのですが、出走順で思うようにタイムが伸ばせず、ものすごくもやもやする土曜日でした」

「同じ状況の日曜日は、“スーパーサンデー”は犠牲にしてパワーステージに照準を合わせたのですが、肝心のパワーステージでブレーキングミスをしてしまったので、辛うじて3ポイントを獲得という結果になりました」

「やはり基本的には、金曜朝の遅いタイムで走ってしまったロスを、すべて引きずってしまったのが敗因だったと思います」

 チームメイトが善戦するなか、ペースを掴み切れず悔しい一戦を終えた勝田。今大会と似たような高速ラリーとなる次戦ラトビアや、続くフィンランドへ向けては、先にアラを出すことができた週末にもなったといえる。

「次のラリー・ラトビアは、今回と違ってほとんどの選手が初参戦になるので、結果を狙いやすいと思っています」

「なので、今回外してしまった部分を次に繋げて、最初からしっかりと100%の状態でプッシュできるようにしていきたいと思います」

■ル・マン現地観戦で触れた重圧と刺激

 また大会前には、WRCと並んでトヨタが注力しているWEC第4戦のル・マン24時間レースをチームメイトのセバスチャン・オジエとともに現地観戦。勝田自身も大親友にあげる平川亮の応援としてトヨタのピット内でその走りを見守り、フェラーリやポルシェとの激しい優勝争いを見届けた。

「今回は、トヨタ初優勝の2018年大会以来6年ぶりに現地に行って、TGR(TOYOTA GAZOO Racing)さんにいろいろと用意してもらって応援に行きました」

「現地は、画面越しで見る以上に雰囲気やプレッシャーがあり、スタッフひとりひとりがものすごい重圧のもとで戦っているのだな、ということを改めて感じました」

「ラリーの場合だと、(ステージとサービスパークとの距離があるため)チームメンバーの支えを間近で見られていなかった部分があったのですが、今回はル・マンで違う角度からその点を感じることができたので、すごくいい刺激になりました」

 チームスタッフの働きに間近で触れたことで、ドライバーとしての立ち回りについても考えるきっかけとなり、外からレースを観戦するよりもさらに深い経験が得られたようだ。

「もしトヨタが優勝していたとしたら、また違う気持ちになったかもしれませんが、悔しいからこそ感じることもありました」

「あんなに多くの人数があれだけ努力しても、ほんのちょっとのことや運だったりで結果が左右されてしまうというのは、残酷でもありましたが、仲間として応援する思いが強まりましたし、自分自身もさらに頑張りたいと感じました」と、最終スティントまで勝利を争ったトヨタメンバーの雄姿が刺激となったと語った。

 その勝田がドライバーを務めるTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームは、現在マニュファクチャラー選手権において、首位ヒョンデ・シェル・モービスWRTを10点差で追う2位につけている。

 これからのシーズン後半戦に向けては「どれだけ日曜日をプッシュできるか」がポイントになってくると指摘。土曜日時点と日曜日のみの順位で換算する今年の新ポイントシステムに合わせた戦い方が必要になってくる。

「去年までのポイント換算なら、トヨタがリードしている状況ですが今は10ポイントの差をつけられています」

「トヨタはいままで『クルマの強さ』を武器にしてきました。ただ今年は『土曜日までクルマが保てばいい、日曜日はリフレッシュ』といったような戦い方になってきています。なので、改めてチーム全体で今までと違うアプローチで取り組んでいきます」

 勝田にとって今回のポーランド戦は、一貫して苦境のなかでの戦いとなった。迎える後半戦に向けては、以前から「狙っていきたい」と語っていた第9戦フィンランドや、ホームラウンドとなる『ラリー・ジャパン』も待っている。接戦のマニュファクチャラー選手権でリードを得るためにも、まずは次戦ラトビアで良い流れを掴みたいところだ。

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