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【メルセデス・ベンツ EQS SUV】シリーズの起爆剤になり得る電気SUV

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【メルセデス・ベンツ EQS SUV】シリーズの起爆剤になり得る電気SUV

新車試乗レポート [2023.06.22 UP]


【メルセデス・ベンツ EQS SUV】シリーズの起爆剤になり得る電気SUV
文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

メルセデスベンツ 7人乗り新型SUV「EQS SUV」発売/航続距離最大593kmのEV

 メルセデスベンツが電気自動車(BEV)でフルラインナップを構築しようとしている。“自動車”を生み出したメーカーはもっともオーセンティックでありながらラジカルな部分も持ち合わせているようだ。


3列シートを備える高級SUV

EQS 450 4MATIC SUV
 EQシリーズがそれで、これまでEQA、EQB、EQC、EQE、EQSをリリースしてきた。だが、その中身を整理すると、EQA、EQB、EQCはSUV、EQEとEQSはハッチバックドアを持ちながらのセダン系となる。そこで現れたのが今回のEQS SUV。セダン系ボディではできなかった3列シートを持って登場した。確かに3列シートはフルサイズSUVならではの特権といえるだろう。そして、もう少しサイズダウンしたEQE SUVも追っかけ市場導入される予定だ。


EQS 450 4MATIC SUV
 ではEQS SUVの概要だが、サイズは5130×2035×1725mmで、ホイールベースは3210mmとなる。背の高くないEQSの同じパワーユニット(450+)が5225×1925×1520mmだから全幅と全高が大きくなっていることがわかる。見た目のボリュームはさらに高まった感じだ。エクステリアデザインもそれに準じ、ディープブラックグリルの厚みは増え、リアピラーの角度は立っている。3列目シートのヘッドクリアランスを鑑みれば、当然そうなるであろう。それでも空気抵抗値0.26を達成させたのは立派。格納式シームレスドアハンドルを含めかなりこだわったようだ。


ダッシュボード全面がディスプレイになる「ハイパーMBUX」を採用

EQS 450 4MATIC SUV
 インテリアはEQシリーズの未来的デザインがドライバーをお出迎えする。一枚パネルのディスプレイがそれで、オプションの助手席ディスプレイを装着するとさらに未来感は高まる。助手席側の乗車を検知すると起動するお利口なシステムだ。フェラーリ・プロサングエや新型ポルシェ・カイエンも装備する助手席ディスプレイは今まさに高級車のトレンドアイテムと言っていいだろう。今後このクラスのデフォルトになると考えられる。

 シートに関しては2列目シートに前後130mmスライド機能が付いていたり、3列目シートにシートヒーターが内蔵されているのがポイント。要するに3列目へのアクセスと快適性をしっかり確保しているということだ。快適性の面では、オプションのHEPAフィルターやDolby Atmosのサウンドシステムも用意されるが、個人的に驚いたのは前席のマッサージ機能。通常それはバックレストだけで完結するが、それが座面にまで及んでいた。お尻部分までしっかりと効く。その破壊力は想像以上だ。


EQS 450 4MATIC SUV

とにかくノーストレス
 では実際に走らせた感想だが、今回試乗したEQS450 4MATIC SUVはとにかく使いやすい。街中では適切なスピード域のままノーストレスで走れるし、高速道路では思った以上にパワフルな場面を見せた。システムの最高出力360psもそうだが、800Nmの最大トルクが効いているのだろう。太いトルクが生むEVらしい加速でアクセル開度に対しグングン加速する。が、“EVらしい加速”といっても電気的に起こる急激なトルクの立ち上がりではなく、少し間をもたせるのが好印象。言ってしまえば、ガソリン車に近い加速を味わせてくれる。EQシリーズ第一弾のEQCに似た感覚だ。コンパクト系のEQAやEQBはいわゆるEV的な加速だが、こちらはもう少し上質な加速感を持たせている。それと加速時の電子音がいい演出になっている。EQSを走らせた時に驚いた効果音が、それがここでも聞けた。

 乗り心地に関してはエアサスペンションが広い範疇で働く。ドライブモードの設定で乗り味を変えるからだ。とはいえ、どちらかというとスポーティに振ってある印象が強い。コンフォートでも「ふんわり柔らかく」ではなく「しっかり安定させる」仕上がりだ。

 取り回しはリアアクスルステアリングが効力を発揮する。サービスエリアでの駐車でそれがはっきりわかったが、リアアクスルが逆位相で最大10度切れることでかなり小回りできる。最小回転半径5.1mは驚異的だろう。新型プリウスの5.4mより小さい。また、高速コーナーでは同位相することで滑らかなコーナリングを楽しめるのもグッド。ここでの稼働もサイズを感じさせない大きな武器と言えそうだ。

 この他では“D Auto”に着目したい。回生を任意で強めたり弱めたりするのではなく、前走車の距離を検知してクルマが勝手にやってくれるシステムだ。言うなれば自走式ACC。まぁ、そこは文字で説明してもリアリティがないのでぜひ体験してもらいたい部分である。


EQS 450 4MATIC SUV

まとめ
 以上が新型EQS SUVとのファーストコンタクトだが、このクルマには売れそうな香りがプンプンする。「SUV」、「3列シート」、「BEV」というのがポイントだ。それと「最新のインターフェイス」もそうかな。GLSからの乗り換えも多いのではないだろうか。いずれにせよメルセデスのEQシリーズ戦略は侮れない。

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