現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 消防車架装でお馴染み「モリタ」のEV火災対策用品が凄い! 被せるだけの「車両火災用ブランケット」がいまの時代の必須アイテムだった

ここから本文です

消防車架装でお馴染み「モリタ」のEV火災対策用品が凄い! 被せるだけの「車両火災用ブランケット」がいまの時代の必須アイテムだった

掲載 7
消防車架装でお馴染み「モリタ」のEV火災対策用品が凄い! 被せるだけの「車両火災用ブランケット」がいまの時代の必須アイテムだった

 この記事をまとめると

■電動車の火災は通常の消火方法による消化が難しい

ロスの山火事で燃えたEVが危険で撤去が進まない! 他人の家の「盗電」問題も噴出! 「そうまでしてEV普及させる意味ある?」の声が出てくる可能性

■電動車の火災を消火するために「車両火災用ブランケット」の普及が進んでいる

■「車両火災用ブランケット」は窒息効果と火災の延焼防止を狙ったもの

 駆動用バッテリーに引火した車両火災の消火は困難

 近年、BEVなど駆動用バッテリーを搭載した電動車が増えてきている。これまでのクルマとは扱いが違う部分もあるが、それは車両火災時も同じだ。通常の水を用いた消火方法では消火が難しいことがある。そこで現在普及が進んでいるのが、車両火災用ブランケットだ。

 なぜBEVの車両火災で有効なのか

 BEVの駆動用バッテリーにはリチウムイオンバッテリーが使用されることが多いが、このバッテリーは燃え始めると結構くせ者だ。事故の損傷などにより発熱や発火が起きると熱暴走状態となり、自己発火を繰り返してしまう。これが水だけでは消火できない主な理由だ。

 火災は酸素が供給されることによって行われるため、酸素の供給をなくす窒息効果を狙うのが消火の方法としてある。車両火災用ブランケットはこの窒息効果と火災の延焼防止を狙ったもの。車両すべてを覆うことができる耐熱性のブランケットをかけることで酸素の供給を絶つのが火災抑制のメカニズムだ。

 通常のガソリン車の火災でも使用することができるが、二酸化ケイ素を主成分とした高純度シリカでできており、1600℃という高温にも耐えることが可能。そのため、高温となるリチウムイオンバッテリーの火災でも窒息効果を発揮しながら、火災の延焼防止ができるのだ。

 また、水をブランケットの上からかけて、プラスで冷却効果を発揮させることも可能となっていて、冷却効果が有効なBEVの初期消火に有効なアイテムといえる。

 じつは消火の手順はまだ統一ルールがない

 車両火災用ブランケットは、消防機関はもちろんBEVを取り扱うディーラーや自動車メーカーなど幅広いユーザーが購入しているとのこと。じつはもともとBEVを大量運搬しているフェリーで、BEVの火災により運んでいた車両が全消失してしまったことが開発の経緯にあるのだ。使用回数に制限はないそうだが、車両の破損した突起部などで穴が開いてしまった場合は窒息効果が望めないため交換が必要となる。

 じつは各都道府県、そして世界的にもBEVの消火活動に関する明確な取り決めが整っているケースは少なく、車両火災用ブランケットを配備していない消防機関もある。以前、BEVの火災があったときも「車両火災用ブランケットがあればもっと早く消火できたはず……」という声があったケースもある。

 そうなると具体的に消火までどれくらい時間がかかるのか? という疑問が聞こえてきそうだが、コチラはケースバイケースだ。というのも燃え方はもちろん、バッテリー容量や車両の大きさによっても異なってくるからだ。

 ブランケットは初期消火のためのアイテム

 ただBEVの車両火災において、完全なる消火は車両火災用ブランケットだけでは足りないとされることもある。冒頭でお伝えしたように熱暴走で自己発火を繰り返すからだ。車両火災用ブランケットは初期消火のアイテムと考えておくべきといえる。

 完全なる消火に必要なのは長時間の冷却だ。車両全体を沈めることができる大きな水槽に一定時間以上付けておくのが完全な消火に必要とのこと。そこで今回取材協力をして頂いた株式会社モリタでは、水をその場でせき止めることが出来る止水板で簡易的なプールを作ることをセットで提案しているそうだ。

 今後増えていくであろうBEVの車両火災。もしものときのためにも、各機関で車両火災用ブランケットは初期消火の必須アイテムとなるだろう。

文:WEB CARTOP 西川昇吾

関連タグ

【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

日産「セレナ」オーテックモデルもマイチェン! 収納性特化モデルをラインナップ追加
日産「セレナ」オーテックモデルもマイチェン! 収納性特化モデルをラインナップ追加
グーネット
最高出力1360ps!? メルセデスベンツ コンセプトAMG GT XXがモンスターマシンすぎる件
最高出力1360ps!? メルセデスベンツ コンセプトAMG GT XXがモンスターマシンすぎる件
ベストカーWeb
日野、北海道・東北・関東の直営販社5社を台湾の和泰汽車に売却
日野、北海道・東北・関東の直営販社5社を台湾の和泰汽車に売却
日刊自動車新聞
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売に反響殺到! 「“87万円オトク”なら購入検討したい」「内装が想像以上に豪華」「四駆だし雪道で強そう」の声も! 装備充実の「eビターラ」最高級モデルに注目!
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売に反響殺到! 「“87万円オトク”なら購入検討したい」「内装が想像以上に豪華」「四駆だし雪道で強そう」の声も! 装備充実の「eビターラ」最高級モデルに注目!
くるまのニュース
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストでオーバーテイクを促進する“P2Pシステム”を将来に向けた検討としてテスト
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストでオーバーテイクを促進する“P2Pシステム”を将来に向けた検討としてテスト
AUTOSPORT web
シンプルでカッコよく 快適な乗り心地を実現! ヤマハが開発した“電動アシスト自転車”「パスクレイグアリー」ってどんなモデル?
シンプルでカッコよく 快適な乗り心地を実現! ヤマハが開発した“電動アシスト自転車”「パスクレイグアリー」ってどんなモデル?
VAGUE
ロロ・ピアーナのオーバーコート──クラシックな定番アイテムから『GQ』が選ぶベスト・オブ・ベスト
ロロ・ピアーナのオーバーコート──クラシックな定番アイテムから『GQ』が選ぶベスト・オブ・ベスト
GQ JAPAN
やっぱスーパーカー世代のヒーローは「ミウラ」だよね! 半世紀以上前に登場した「黄色いランボ」がオークション登場 どこから見ても美しい“後期型”の価値とは
やっぱスーパーカー世代のヒーローは「ミウラ」だよね! 半世紀以上前に登場した「黄色いランボ」がオークション登場 どこから見ても美しい“後期型”の価値とは
VAGUE
大幅刷新の三菱「新型デリカD:5」正式発表! 斬新「4枚刃」グリルを「卒業」!? 精悍「黒マスク」で超カッコいい! 唯一無二の「SUVミニバン」どう変わったのか
大幅刷新の三菱「新型デリカD:5」正式発表! 斬新「4枚刃」グリルを「卒業」!? 精悍「黒マスク」で超カッコいい! 唯一無二の「SUVミニバン」どう変わったのか
くるまのニュース
驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
レスポンス
日産 パトロールはどれくらいランクルを意識しているのか!? 日本導入を前にズバリ聞いてみた!!
日産 パトロールはどれくらいランクルを意識しているのか!? 日本導入を前にズバリ聞いてみた!!
ベストカーWeb
ホンダ旧横型ミニ系「北米専用」モデル「SL70」フルレストア フレームをパウダーコーティングでオールペイント!!
ホンダ旧横型ミニ系「北米専用」モデル「SL70」フルレストア フレームをパウダーコーティングでオールペイント!!
バイクのニュース
トヨタの新スーパーカー「GR GT」はなぜ“カーボンモノコック”ではなく“アルミ骨格”を選んだのか? LFAの悔しさが生んだ“新生フラッグシップ”のねらいとは
トヨタの新スーパーカー「GR GT」はなぜ“カーボンモノコック”ではなく“アルミ骨格”を選んだのか? LFAの悔しさが生んだ“新生フラッグシップ”のねらいとは
VAGUE
NISMO渾身のコンセプトモデルにマイナーチェンジの「Z」や北米人気の「ROCK CREEK」のカスタマイズ車両など豪華絢爛! 日産の「東京オートサロン2026」の展示車両から目がはなせない
NISMO渾身のコンセプトモデルにマイナーチェンジの「Z」や北米人気の「ROCK CREEK」のカスタマイズ車両など豪華絢爛! 日産の「東京オートサロン2026」の展示車両から目がはなせない
WEB CARTOP
日産「セレナ」待望のマイナーチェンジ! 魅力アップの「ルキシオン」に注目
日産「セレナ」待望のマイナーチェンジ! 魅力アップの「ルキシオン」に注目
グーネット
日産『セレナ』改良新型、「LUXION」「ハイウェイスターV」が新グリルで表情一新…278万5200円から
日産『セレナ』改良新型、「LUXION」「ハイウェイスターV」が新グリルで表情一新…278万5200円から
レスポンス
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
THE EV TIMES
ベスパ誕生80周年を記念した「“新型”スクーター」登場! 市販化最初のモデル「98」に着想を得た特別仕様車に注目! 「Vespa 80th」イタリアで発表
ベスパ誕生80周年を記念した「“新型”スクーター」登場! 市販化最初のモデル「98」に着想を得た特別仕様車に注目! 「Vespa 80th」イタリアで発表
くるまのニュース

みんなのコメント

7件
  • kur********
    BEVに限らず 旧車やスーパーカーなどにも効果ありそう・・・
    安くなれば欲しいアイテムです
  • bduggeh00l7
    積んでて燃えたら取り出せない件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村