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蘇る90年代WRC!! インプやランエボのライバル、フォード エスコートがタミヤからRCカーで登場!!

掲載 更新 1
蘇る90年代WRC!! インプやランエボのライバル、フォード エスコートがタミヤからRCカーで登場!!

 実車では手が届かない憧れのクルマが、RCカーで手に入る。プラモデル感覚で組み立てて、実際に走らせることもでき、いつでも手にして眺めることもできる。そんな楽しみ方ができるのもRCカーの魅力だ。

 今回、「フォード・エスコート」がRCカーでリバイバルすることを、タミヤが発表した。

電動化しかないのか!? モータースポーツの近い将来はどうなる?

 このクルマは、1998年頃にWRCで活躍した一台であり、スバルインプレッサや三菱ランサーエボリューションと激闘した「フォード・エスコートWRカー」のロードカー版として登場する予定だ(筆者はまさにこの頃のWRCにハマった世代だ。こうしてご紹介できるのは非常に光栄だ)。

 今回は、90年後半のWRC通ならばよく知っているフォード・エスコートのRCカーを見ながら、1997-98シーズンでのWRCの様子を振り返ってみようと思う。

文/吉川賢一、写真/株式会社タミヤ、Ford、MITSUBISHI、SUBARU

【画像ギャラリー】98年のWRCマシンのRCカーが続々と復刻!! エスコート、インプレッサを写真でチェック!!

■WRカー黎明期に登場したフォード・エスコートWRカー

タミヤが発表した、1/10 RCカー「1998 フォード エスコート カスタム」。1997年にWRCにてデビューしたフォード・エスコートWRカーのロードカーバージョンだ

1/10RC 1998 フォード エスコート カスタム (TT-02シャーシ)(リンク先)

 この白いボディの写真だけだと、これが何のクルマなのか、分かる人は少ないだろう、だが、このクルマが活躍した97-98年にかけてのWRC黎明期を知れば、興味がわいてくるかもしれない。

 1996年から1997年にかけて、WRC(世界ラリー選手権)は、ルールが大きく変わった。それまで、トヨタや三菱、スバルといった日本車メーカーのマシンが大活躍していたグループA規定が終わりを迎え、1997年からは、新たな車両規則「WR(ワールドラリー)カー」が開始したのだ。

 それまでグループAのラリーカーのベースとなっていたのは、4人乗りの大量生産車のみで、外観は市販車そのもの、かつ、連続する12か月間に2500台以上生産された車両という、厳しいルールだった。

 また、改良車を使う場合には追加生産が必要でもあった。ランエボが毎年のようにエボリューションモデルを市販していたのは、グループA規定に対応するためだ(ちなみに三菱はWRカー規定開始後もグループAで参戦していた)。

 新しい「WRカー」規定は、このグループAよりも改造範囲が大きく、車幅(トレッド)の拡大や、駆動方式の変更までも認められたことで、前年まで参加していたメーカーはそれぞれ新型のWRマシンを開発してきた。その中で、フォードが開発してきたのが、「フォード・エスコートWRカー」だ。

多くのワークスチームのハンドルを握ったカルロス・サインツだが、1997年はレプソルカラーのフォードエスコートをドライブした(写真はイベント走行時のもの)

 前年まで使用していたエスコートRSコスワースをベースにしたエスコートWRカーは、1997年のモンテカルロでデビューした。当時のフォードチームのエースドライバーは、1996年にドライバーズランキング3位を獲得したスペイン人の名ドライバー「カルロス・サインツ」。

 第1戦モンテカルロ、第2戦スウェーデンと連続で2位入賞するも、その後は2戦連続リタイヤ。第6戦のツール・ド・コルス(フランス)で、サインツがスバルのコリン・マクレー(インプレッサWRカー)に7秒差まで迫る2位に入賞。

 ようやく初勝利を上げたのは第8戦のアクロポリスで、サインツとカンクネンがワンツーフィニッシュを達成。その後の11戦目ラリーインドネシアでもサインツ、カンクネンが1-2フィニッシュを挙げた。

 しかし、スバルインプレッサを駆るマクレーと、三菱ランサーエボリューションを駆るマキネンの強さについていけず、この年は、ドライバーズタイトル3位(1位はマキネン、2位はマクレー)、マニュファクチャラーズは2位(1位はスバル)という結果となった。

スバルのインプレッサWRカー。「優勝するかリタイヤか?」コリン・マクレーの走りは本当に速かった!!(写真はイベント走行時のもの)

 続く1998年シーズンも、同じエスコートWRカーで参戦したフォードは、サインツに代わってエースドライバーとなったユハ・カンクネン(サインツはトヨタチームへ移籍した)が、モンテカルロ2位、アルゼンチン、アクロポリス、フィンランドで3位入賞。

 その後は、WRC最終戦のラリー・オブ・グレートブリテンで2位、3位に入賞したものの、ドライバーズ4位、マニュファクチャラーズ4位と低迷。翌年からは次世代のWRカー、フォーカスWRカーへとバトンタッチをした。

 ちなみに98年のドライバーズチャンピオンはマキネン、マニュファクチャラーズも三菱が獲得した。

1998年1月に登場したランサーエボリューションV。エボ史上、初めて車幅1700ミリ越えた。WRCには98シーズン途中の第5戦カタルーニャより参戦し、残りの9戦中4勝を記録した

 フォード・エスコートWRカーは、フォードの慢性的な資金不足が原因で開発費がたびたび削られ、戦闘力向上はほとんどなされなかった悲運のマシンであった。また、インプレッサ、ランエボ、そしてカローラといった日本車メーカーが猛威を振るっていた時代だけに、応援したくなったクルマでもあった。

筆者のコレクションの一つ、フォード・エスコートWRカー(1998)。ホワイトとオレンジのカラーリングと、REPSOLのスポンサーロゴがポイント。REPSOLとはスペインの石油企業の名前

 この97-98シーズンのWRCは、筆者にとっては記憶に残る名シーズンだ。ちなみに筆者は当時から、スバルインプレッサWRカー、そしてマクレーの大ファンだ。

■タミヤのWRカーシリーズは熱い!!

同じ時代に世界ラリー選手権を戦ったスバルインプレッサWRカーもタミヤから再販された。写真は1999年のWRC第一戦モンテカルロラリー仕様を再現したモデル

1/10RC スバル インプレッサ モンテカルロ '99 (TT-02シャーシ)(リンク先)

 タミヤからは他にも、WRCマシンを再現した、10分の1サイズのRCカーが多く出ている。

 既に絶版になってしまったが、セリカ、ランチアデルタ、ランサーエボリューションIV、V、フォーカスWRC、カローラWRC、プジョー306MAXI、ランチア 037 ラリーなど。現在も販売されているものでは、ヤリスWRC、アウディクワトロA2ラリーなどがある。

 アウディA2に至っては、なぜいま1983年のマシンが出てくるのか、まったく理解できないが(そこがかえって嬉しい)、予想をしていなかった過去の名車を、RCカーとして登場させるタミヤのGREATなセンスには脱帽だ。熱いリクエストを出せば、もしかしたら、作ってくれるのかもしれないぞ。

4WDラリーカーの先駆者としてその名を歴史に残しているアウディクワトロ その中でも1983年中盤から投入されたクワトロ A2を再現したRCカー

 特別なサーキットに行かなくとも、公園や原っぱで土煙を上げながら走らせれば、もうそこにはWRCの世界が再現できる。本当にカッコ良く見える。

 中には、氷の張った湖の上で、特設サーキットを作って走行会をする愛好家たちもいる。ラリーカーベースのRCカーで氷上レースなんて、楽しいに決まっている。今年は取材に行くのを自粛したが、来年こそは行ってみたいものだ。

 当時、WRカーに憧れたクルマ好きの皆様、ぜひともRCカーで、WRCコレクションをしてみてはいかがだろうか。

筆者が持っている98シーズンのWRカーコレクション。スバル、ミツビシ、トヨタ、そしてフォードの4雄の激突は忘れられない。奥に見えるマルティニカラーのマシンは、99シーズンのフォード・フォーカスWRカー

【画像ギャラリー】98年のWRCマシンのRCカーが続々と復刻!! エスコート、インプレッサを写真でチェック!!

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みんなのコメント

1件
  • タミヤはステッカーの版権の期限等が切れたら絶版になり再び版権取ったら再販になる。
    ミシュランの版権切れてるからラリーカーは結構なモデルが絶版になってる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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