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CX-3もCX-30もMT廃止! 3ペダルを操る楽しさはマツダ車から消えてしまうのか?

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CX-3もCX-30もMT廃止! 3ペダルを操る楽しさはマツダ車から消えてしまうのか?

 クルマを操ることにこだわり、あらゆるモデルにMT(マニュアル・トランスミッション)を設定してきたマツダ。そのマツダが、MTの削減に動いている。もはやマツダ車でシフトワークを楽しむチャンスが失われるのか? 真相を探ってみた!

文/小鮒康一、写真/マツダ

CX-3もCX-30もMT廃止! 3ペダルを操る楽しさはマツダ車から消えてしまうのか?

■ATがラクチンだろうとクラッチ蹴ってクルマを操りたい!

とうとうMT設定が廃止されたマツダ CX-3。多数の車種にMTが設定されていたマツダだが、徐々に姿を消しつつある

 クラッチべダルが備わる3ペダルマニュアルは、すでに一部の愛好家か2ペダル車に馴染みのない年輩ドライバーのものになって久しい。

 確かに常に効率の良い回転数を使うことができるCVTの方が燃費性能は優れているし、スポーツカーなどでタイムを狙う走りをする場合も、今やクルマ任せで変速した方が速くて正確なのも分かっている。

 ただそれでもなお、わざわざクラッチペダルを踏みつけてシフトノブを操作し、自らでギアの操作をしたい! というコアなマニアにとってありがたい存在だったのが、マツダというメーカーだろう。

 ロードスターというスポーツモデルはもちろん、コンパクトカーのMAZDA2やSUVのCX-5など、幅広い車種に3ペダルマニュアルを用意してくれていたのだ。

 しかし、最近はそんなマツダ車も改良のタイミングで3ペダルマニュアルが徐々に姿を消しているのである。

■一時はラインナップの半数以上に3ペダルマニュアルが存在していたマツダ

マツダ ロードスターのインテリア。現在、マツダ車のラインナップで3ペダルマニュアルを選べるのは、MAZDA2、MAZDA3、ロードスターの3車種のみ

 現在のマツダの乗用車のラインナップは、大きく分けるとMAZDA2、MAZDA3、MAZDA6、CX-3、CX-5、CX-8、CX-30、CX-60、MX-30、ロードスターというものとなる。

 この中で3ペダルマニュアルが存在しなかったのは、CX-8、CX-60、MX-30の3車種だけで、それ以外の車種については3ペダルマニュアルのグレードが何かしら存在していたのだ。

 しかし、現在では、MAZDA6、CX-3、CX-5、CX-30からも3ペダルマニュアル仕様は姿を消し、現在マツダ車のラインナップの中で3ペダルマニュアルを選ぶことができるのは、MAZDA2、MAZDA3、ロードスターの3車種だけとなってしまっているのである。

 一時はデビュー当初には3ペダルマニュアルの設定がない車種でも、改良のタイミングで追加するほどで、そのうち全車に3ペダルマニュアルが設定されるのでは? というほどの勢いだったマツダだが、果たしてなにがあったのだろうか?

■選択と集中によって3ペダルマニュアルの設定を変更中

デビュー直後よりもMT比率が上がっているマツダ MAZDA3

 3ペダルマニュアル車の減少についてマツダに問い合わせたところ、“市場の変化とユーザーの選好の変遷に対応するため”と、“ユーザーへより質の高い製品提供を目指す結果”との返答があった。

 特にCXシリーズにおいては、3ペダルマニュアル導入直後の1年程度の期間では、CX-3で6.0%、CX-5で3.0%、CX-30で3.1%のMT比率があったが、直近1年ではCX-3が1.8%と大きく落ち込み、CX-5が3%のまま、CX-30も2.6%と微減であった。

 ある意味、3ペダルマニュアルを必要とするユーザーにはすでに行き届いたという判断もあったのかもしれない。

 MAZDA6についてはデビュー時から廃止直近まで、MT比率は7%ほどで安定して推移していたそうだが、こちらはモデル末期ということもあり、グレードを絞って人気の高い仕様に注力するための廃止ということになるだろう。

 一方、現在でも3ペダルマニュアルが残るMAZDA2では同じくデビュー直後の5.0%から、直近でも5.3%と比率をキープしており、MAZDA3に至っては、デビュー直後は5.1%だったのに対し、直近では8.5%と比率を上げていることから現在も残されている。

 この2車種はモータースポーツの世界でも活躍しているというのも、3ペダルマニュアルを残している要因のひとつであることは間違いないだろう。

■わざわざMTをラインナップしているマツダに感謝!

MT設定を残すマツダ MAZDA2。前述のとおり、MT設定を残すのは3車種のみとなったが、むしろ「よく今まで多数のMT車を残してくれた」とマツダには感謝したい

 ちなみにスポーツカーであるロードスターは、デビュー直後からMT比率は72%と驚異的な数字を残していたが、直近1年ではその比率を76%まで上げてきており、もともとMT比率の高いスポーツカーの中でもずば抜けて高い数値をマークしているようだ。

 このようにさまざまな要因によって3ペダルマニュアルを残す車種と廃止する車種を決めているマツダだが、これはあくまで現時点での措置であり、今後も段階的に3ペダルマニュアルを廃止していくというワケではないようだ。

 今回、3ペダルマニュアルが廃止となった車種においても、ニーズが未だに高い海外の国や地域では引き続き設定されている車種も少なくないため、日本国内でのニーズが高まれば再び設定される可能性も大いにあるといっていいだろう。

 それより今回のデータを見て驚いたのが、1割にも満たない比率でありながら、3ペダルマニュアル仕様をラインナップしてくれていたマツダの心意気だ。

 もちろん、国外仕様にある程度3ペダルマニュアル仕様の需要があってそちらでペイできるとしても、日本国内で異なるギアボックスを持つ仕様を販売するにはその分のコストは発生する。

 それでもなお3ペダルマニュアル仕様を用意してくれたマツダに、いち3ペダルマニュアル車好きとしては感謝したいところである。

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みんなのコメント

39件
  • vod********
    3車種残してくれているだけでも貢献してくれていますし、MT車で考えるとその3車種が妥当ですからね。
     
    今は30年超えたMTの旧車に乗っているけど、部品の関係で維持が出来なくなったらマツダ車に乗ろうと思っています。
  • bul********
    マツダ3やマツダ2は需要ありそうだけど、他のコメントにもあるように、SUVをMTで乗りたい需要ってどれくらいあるか考えると縮小するのも仕方ないのかも。
    このご時世頑張ってるメーカーだと思うよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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