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中升 ROOKIE AMGが参戦初年度にチャンピオン。レースはDENSO RC Fが今季2勝目/スーパー耐久第7戦決勝

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中升 ROOKIE AMGが参戦初年度にチャンピオン。レースはDENSO RC Fが今季2勝目/スーパー耐久第7戦決勝

 11月12日、静岡県の富士スピードウェイでENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE第7戦『S耐ファイナル 富士4時間レース with フジニックフェス』の決勝レースが行われ、ST-Xクラスの31号車DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/嵯峨宏紀)が総合優勝を飾った。ST-Xクラスの2023年シーズンのチャンピオンには、3位でフィニッシュした14号車中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/蒲生尚弥/平良響/片岡龍也)が輝いた。

 全7戦で争われた2023年のスーパー耐久最終戦は、9クラス59台が出走。チャンピオンが決していないクラスが多い中で行われた4時間のレースは、気温13度と肌寒い曇り空のもとでスタートが切られた。

【順位結果】2023スーパー耐久第7戦富士 決勝

 GT3カーで争われるST-Xクラスは、ポールポジションの14号車中升 ROOKIE AMG GT3が首位を守りTGRコーナーへ入るが、3番手スタートの31号車DENSO LEXUS RC F GT3を駆る小高がフロントロウスタートの23号車TKRI松永建設AMG GT3に仕掛け2番手へポジションアップ。31号車は勢いそのままに、ダンロップコーナーで14号車もパス。トップに躍り出た。

 序盤は上位4~5台による接近戦がレースを盛り上げたが、小高は次第に14号車の平良との差を広げていく。その後はどのスティントでAドライバーを投入するかで首位争いは転じていくことになるが、序盤3番手につけていた1号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3の平木玲次が首位に浮上。永井宏明に交代した31号車が続く展開となる。このレースでは1号車、31号車の決勝ペースが速く、終盤は2台の優勝争いとなっていった。その後1号車は、スタートを担当した平木湧也、最後に鳥羽豊と交代。リードを護っていたが、永井から嵯峨、ふたたび小高と交代した31号車が112周目に逆転。第5戦もてぎ以来となる優勝を飾った。

 一方、フロントロウからスタートした2台のメルセデス勢は、平良から鵜飼、蒲生、そしてフィニッシュに監督兼務の片岡が乗り込んだ14号車が安定したペースでフィニッシュまで走り切り、3位表彰台を獲得。ROOKIE RacingにとってのST-X参戦初年度での栄冠を獲得した。タイトルの可能性を残していた23号車TKRI松永建設AMG GT3は、序盤の走路外追い越しのペナルティも響き4位に。開幕から続けていた連続表彰台が最終戦で途絶えた。

 GT4カーで争われるST-Zクラスは、4番手スタートの26号車raffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4と5番手スタートの20号車ナニワ電装TEAM IMPUL Zという2台のニッサンZ GT4がTGRコーナーでまさかの接触。大きく順位を落としてしまった。一方ポールポジションの22号車Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは、スタートを務めた千代勝正がリードを築いていった。

 ただ、22号車は1回目のピットストップでAドライバーハンデキャップ10秒のストップ消化しなければならず、代わって序盤から激しい争いを展開していた今季クラス王者の52号車埼玉トヨペット GB GR Supra GT4、885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOがが先行。22号車は3番手へポジションを下げた。2台のGRスープラGT4は緊迫した争いを展開していたが、最後は52号車に軍配が上がり、優勝で2023年シーズンを締めくくった。2位は885号車となり、3位には22号車が入り今季初表彰台を獲得した。

 ST-TCRクラスに参戦していた2台のホンダ・シビック・タイプR TCRは、97号車Racer HFDP CIVICがリードを広げたが、95周目に白煙を上げてスロー走行。ガレージへマシンを戻しリタイアとなった。これで5号車AI' CIVICがクラス首位に立つも、レース終盤にグリーンファイト100Rコーナーの外側にマシンを停めリタイアに。このクラスは完走なしという結果となった。

 ST-1クラスは、織戸学/谷口信輝コンビでの参戦で注目を集めた47号車D'station Vantage GT8Rが序盤から2号車シンティアム アップル KTMをリード。ただ47号車は、谷口への交代直前に事前に定められていたAドライバーハンデキャップの90秒ストップを行い、2号車がリードを奪い、織戸と谷口が追い上げた47号車が少しずつ差を詰めていく展開となった。

 しかしレース中盤に2号車KTMがインタークーラーに関連するターボトラブルを起こしガレージイン。47号車がリードを奪い、今シーズン2勝目を飾った。2号車KTMはブーストが上がらないもののエンジンは動く状態で、完走条件は満たしていたことから残り約5分ほどでコースに戻りチェッカーを受けることに。タイトル獲得条件となっていた完走を果たしたことで、2号車KTMがクラスタイトルを獲得した。

■ST-2クラスはHonda R&D Challengeが大逆転
 ST-2クラスはスタート直後に、13号車ENDLESS GR YARISと225号車KTMS GR YARISがAドライバーハンデキャップを消化するためにピットへ。逆転タイトルを目指す743号車Honda R&D Challenge FL5がリード、13号車ENDLESS GR YARISと225号車KTMS GR YARISがピット時間を短縮し追い上げる展開となる。

 ただ、ランキングをリードして最終戦を迎えていた13号車ENDLESS GR YARISにレース中盤まさかの事態が。エンジントラブルを抱えたかエキゾーストから白煙をあげスローダウン。なんとかピットに戻り再度コースインするが、トラブルは深刻で、再度ピットへ。完走を諦めまいと、急遽エンジン交換の大作業をスタートさせた。一方優勝がタイトルへの絶対条件となっていた743号車に対し、コンスタントに追い上げた225号車が首位を奪取。しかし、今季たびたびトラブルが発生していた225号車にはまさかのエンジントラブルが発生。これでふたたびトップに浮上し優勝を飾った743号車が逆転でクラスタイトルに輝いた。2位には6号車新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10、3位には新菱オートDIXCELエボ10が入り、シンリョウレーシングチームは2台揃って表彰台獲得となった。

 ST-3クラスは、予選でワン・ツーとなったTRACYSPORTS with DELTAの39号車エアバスター WINMAX RC350 TWS、38号車ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSの2台がリードするが、岡部自動車とTEAM ZEROONEのニッサン・フェアレディZ勢が追い上げ、5番手から追い上げてきた15号車岡部自動車フェアレディZ34が24周目にトップに立つ。

 しかし、39号車RC350は2時間が経過した時点で39号車は15号車を抜いてクラス首位の座を奪い返し、僚友38号車も2番手に続く。39号車はペースを緩めることなくレースを制し今季初優勝。そして、25号車raffinee 日産メカニックチャレンジ Zのタイヤが外れてしまうトラブルもあって3位フィニッシュを果たした38号車がST-3クラスのタイトルを獲得した。

 ST-4クラスは、ポールポジションの3号車ENDLESS GR86がトラブルによりグリッドに着くことができず、2番手の884号車シェイドレーシング GR86がレースをリード。ランキングトップの41号車エアバスター WINMAX GR86 EXEDYが5番手から追い上げ2番手に続く。884号車は、30分が経過したころにAドライバーハンデキャップでドライブスルーを行ってポジションダウンし、6番手スタートから追い上げてきた18号車WedsSport GR86が41号車と首位を争いトップに立った。

 レース中盤の第2スティントに入りペースを上げてきたのは86号車TOM'S SPIRIT GR86の坪井翔。2時間が経過したころにアドバンコーナーで18号車を抜いてトップに浮上。その後も86号車は松井孝允、河野駿佑とバトンを繋ぎ、最終的には2位に1周の差をつけてトップでチェッカーを受けた。そしてランキングトップの41号車は、レース終盤に一度は先行を許した18号車を抜き返して2位表彰台を獲得し、クラスタイトルに輝いた。

 ST-5クラスは、ポールポジションからスタートを切った72号車OHLINS Roadster NATSがリードするも、タイトルを争う17号車DIXCELアラゴスタNOPROデミオが4番手から追い上げ、7周目のコカ・コーラコーナーでトップに立つ。

 対する72号車は、燃費走行を行ってライバルよりもピットタイミングを遅らせる作戦を採り、1時間40分のロングスティントを終えてピットイン。ピットアウト時には再びトップに立つことに成功し、Bドライバーの山野哲也に交代してリードを広げていく。2番手の17号車もレース終盤には追い上げるも、再逆転は叶わず。72号車が27秒のリードを保ってトップでチェッカーを受け、クラスタイトルを獲得した。

 6台の開発車両がエントリーしたST-Qクラスは、フロントバンパーやリヤウイングを改良してきた271号車CIVIC TYPE R CNF-Rに、今季の集大成としてリヤスタビなどの改良を行ってきた28号車ORC ROOKIE GR86 CNF conceptが続く展開。271号車が総合24位で120周を走り切り、同一周回となった28号車が続いた。エンジンパワーを上げて最終戦に臨んでいた55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは総合27番手でチェッカーを受けている。

 クラス4位の61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptは総合29位、クラス5位の12号車MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptは総合31位となった。液体水素を使用するORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptも大きなトラブルなく完走を果たしている。

 2024年シーズンのスーパー耐久シリーズは、4月20~21日に宮城県のスポーツランドSUGOでの開幕する予定だ。

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