電動バイクレースFIM Enel MotoE World Championshipの第1戦フランス大会が、ル・マン-ブガッティ・サーキットで行われた。ドゥカティがマシンサプライヤーとなって初めてのレースは、激しい優勝争いが展開され、オールタイムラップ・レコードが更新された。
電動バイクレースMotoEは2023年で5年目のシーズンを迎え、ひとつの転換期を迎えた。ワンメイクマシンサプライヤーがエネルジカ・モーターカンパニーからドゥカティになり、選手権としては、2019年から2022年まで「FIM Enel MotoE World Cup」として開催されてきたが、2023年からは「FIM Enel MotoE World Championship」となった。
MotoGPのヨーロッパ開催グランプリに併催されることは変わらず、全8戦16レースという過去最多のレース数が予定されている。2023年は、各戦、土曜日に2レースが行われるタイムスケジュールだ。参戦ライダーは、9チーム18人。日本人ライダーの大久保光も、チームをTech3 E-racingに移籍してMotoE参戦3シーズン目を迎えている。
今季のMotoEで注目を集めているひとつは、ドゥカティの電動レーサー、V21Lだろう。これはドゥカティがMotoEのためにゼロから設計した電動レーサーである。最高出力は110kW(150HP)、最大トルクは140Nm、車両重量は2022年のMotoEマシンから22kg軽量化し、225kgになった。当初、ドルナスポーツがドゥカティに対し求めたのは車両重量237kgだというから、それを下回る車両重量を実現したことになる。
また、バッテリーパックがフレームの一部として構成され、リヤブレーキにはブレーキディスクやキャリパーを備えずモーターがブレーキを発生させるといった電動レーサーらしい機能も備えている。V21Lにはこれまでなかったトラクションコントロールなどの電子制御が搭載され、ライダーにとってセッティングの幅が広がったという点も特徴と言えるだろう。
V21Lの性能は初日の金曜日から証明された形になった。プラクティス1のトップタイムは1分42秒251で、この時点ですでにオールタイムラップ・レコードを更新している。最終的に、オールタイムラップ・レコードはレース2でマッテオ・フェラーリ(Felo Gresini MotoE)が記録した1分40秒101まで短縮された。2022年のレコードを3秒以上縮めている。
セッションが始まる前日、フランス大会の木曜日に行われたMotoEのプレスカンファレンスでは、新たなMotoEマシン、ドゥカティV21Lでどのようなレースが期待できるか? という質問があった。
それに対し、2020年、2021年MotoEチャンピオンのジョルディ・トーレス(Openbank Aspar Team)は「みんな、同じようなラップタイムで走っている。そして、バイクはとても安全だから、かなりアグレッシブになれる。おそらく、今年はオーバーテイクが激しくなるだろうし、オーバーテイクするためにラインが交錯するんじゃないかな。きっと今年は激しいレースになるよ」と回答した。
2019年MotoEチャンピオンのフェラーリもトーレスの回答に同意した上で「昨年よりもグリッドポジションが重要になるだろう。フロントロウからスタートすれば、1コーナーに攻めて入っていき、ギャップを広げられる。集団の中ではなくてプッシュできる。僕は開幕前のシミュレーションレースはしていないけど、ブレーキングポイントでかなりプッシュできるから、オーバーテイクはしやすいだろうね」と答えた。MotoE参戦経験豊富なチャンピオン二人は、MotoEマシンのパフォーマンスが上がったことで、以前よりも接戦、激戦になるだろうと予想していた。
フランス大会のMotoEは2レースともに各8周で行われた。土曜日のレース1では、序盤にフェラーリとエクトル・ガルソ(Dynavolt Intact GP MotoE)が接戦のトップ争いを展開した。その後ろで3番手を走り、静観していたのはトーレスだ。5周目にフェラーリが転倒を喫すると、トップ争いはガルソとトーレスに役者を変えた。そして最終ラップに、車両重量225kgのMotoEマシンを巧みに操った無理のない、しかし深めのブレーキングによって3コーナーでガルソのインを突いたトーレスが優勝した。
レース2では、序盤にトップに立ったフェラーリがハイペースで後方を引き離す展開となった。フェラーリはレース1の黄旗中の転倒によりレース2でロングラップ・ペナルティを受けており、ペナルティを消化する前にできるだけギャップを築いておきたかったのだろう。2番手との差を1.4秒に広げたフェラーリは、5周目にペナルティを消化して3番手で戦線に復帰した。そして、残り3周で前を走るガルソ、そして最終ラップでトップのトーレスをかわし、優勝を飾った。
2レースともにトップ争いは接戦となったが、その接戦を演じたのは、トーレス、フェラーリ、ガルソというMotoE参戦経験を持つライダーだった。少なくとも2023年シーズン初戦であるフランス大会は、電動レーサーの走らせ方、攻め方を知るライダーたちの縮まった差のなかで展開された接戦だった、と言えるだろう。
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みんなのコメント
そのトラコンの制御技術が良くなっているから、ハイパワーを手なずけられる様になった
後はバッテリーのサイズと重さと チャージのタイムロスを解決できれば、車体の重量バランス変化も0で いよいよレシプロを凌ぐ事になるのだが、レシプロの 制御がなかったアナログマシンでは、ギア選択とクラッチとアクセレーションに依る 回転数コントロールで、ハイパワーをタイヤにかけ 路面に伝え 巧くいった時の充実感は、タイムは遅くても センサーだらけのマシンでは、味わえないモノだ