アメリカン・スポーツカーの元祖はどこか欧州的な雰囲気をまとう
2023年5月30日に富士スピードウェイで行われた「CHEVROLET FAN DAY 2023」には歴代のシボレー「コルベット」が集結したが、初代C1コルベットは非常に珍しい存在であった。そんななか、とてもキレイで極上といえるコンディションが保たれているC1コルベットを発見。オーナーの浅田さんに話を聞いてみた。
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コルベットを愛して20年以上、C1を3台とC2を1台所有
1953年に登場したコルベットは今日のC8型まで続く、アメリカを代表するスポーツカー。その初代モデルが、浅田さんが所有するこの1955年式C1コルベットだ。1963年にモデルチェンジしたC2以降のモデルではクーペボディが標準的となるが、このC1コルベットはオープンスポーツカーとして知られており、アメリカンマッスル的でワイルドなイメージが強い他の歴代モデルと比べ、どこかヨーロッパ車を思わせる美しいデザインを持つ。C1のボディは量産車初のFRP製で、浅田さんは何といってもこのデザインに惹かれたそうだ。
「初めてC1コルベットを知ったとき震えましたね。『なんてカッコイイんだ!』って、そこからC1コルベットの虜(とりこ)です」
こうしてデザインに惚れてC1コルベットの虜になった浅田さん。じつは他にもC1コルベットを2台所有しているそうで、心底C1コルベットに惚れこんでいるのが分かる。当日会場に乗ってきていた1955年式のほかは、1954年式と1959年式だそうだ。
なお、C1以外にも1963年式のC2コルベットを所有しており、そちらではドラッグレースを楽しんでいるとのこと。コルベット歴は20年以上に及ぶそうだ。
知人から受け継いだ1955年式コルベット
それだけコルベット歴が長いと、この1955年式C1との思い出も沢山……と思いきや、じつはこのC1コルベットはまだ所有して1年ほどで、知人から受け継いだ個体だそうだ。
愛車に思い入れがある人ならば共感してくれると思うが、愛車との別れを考えると、「嫁ぎ先」は自分で信頼できるところにお願いしたくなる。きっと前オーナーも手放すことを考えたとき、C1コルベットに心底惚れこんでいる浅田さんならば安心して渡すことができると思ったはずだ。
そんな前オーナーの思いを汲み取ってか、「このクルマでどんなことをしていきたいか?」と浅田さんに尋ねると「できるだけ現在のオリジナルの状態をキープしていきたいです」との答えをいただいた。前オーナーはもちろん、きっとこのC1コルベットも幸せであることは間違いないだろう。
一番のお気に入りはリアのスタイル
そんなこのC1コルベットには4.3LのV8エンジンが搭載されている。1955年式からコルベットに初めてV8がラインナップされた。コルベットといえばハイパワーなV8エンジンをイメージする人が多いかもしれないが、その伝統はこの1955年式から始まったのだ。
C1コルベット、とくにデザインに惚れこんでいる浅田さんに「一番のお気に入りポイント」を聞くと、「後ろから見たデザイン」という答えを頂いた。たしかに丸目4灯をモチーフとした他の歴代モデルと比べると、C1コルベットのリアビューはオリジナリティあふれるデザインとなっている。この他にはないデザインが気に入っているそうだ。
そして浅田さんのカーライフでのこだわりは雰囲気にあるという。当日はオープンカラーシャツにシルバーのアタッシュケースという組み合わせ。乗るクルマに合わせて当時の雰囲気を意識した服装を選んでいるのだそうだ。
当時のままの様子が残されたC1コルベット。今後も50年代当時の雰囲気をオーナーとともに醸し出してくれるに違いない。
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