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「サンクターボ」遂に復活? アルピーヌA290へ試乗 EVでもホットハッチを諦める必要ナシ!

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「サンクターボ」遂に復活? アルピーヌA290へ試乗 EVでもホットハッチを諦める必要ナシ!

モーターやサス、サブフレームは独自アイテム

電動ホットハッチが、遂に、本当に誕生した。ヒョンデ・アイオニック5 Nも優れた1台だが、高価で大きく重く、公道にはパワフルすぎる印象は否めなかった。

【画像】「サンクターボ」遂に復活? アルピーヌA290 電動のホットなハッチバックたち 全119枚

アルピーヌA290は、古くからのクルマ好きにも響くに違いない。英国での販売は2025年3月からで、価格は約3万9000ポンド(約757万円)になる見込み。

A290が基礎骨格とするのは、AMPRと呼ばれるバッテリーEV用プラットフォーム。新しいルノー5 E-テックと共有する。ボディの寸法は、全長3990mm、全幅1820mm、全高1520mm。ホイールベースが2530mmと長い、小柄なハッチバックだ。

駆動用モーターの最高出力は、180psか220psから選択可能。車重は1479kgと重くなく、前輪駆動となる。フロア部分に敷かれる駆動用バッテリーは、52kWh。ケースは強固で、シャシー剛性の一部も担う。

スタイリングは、1980年代のルノー5 ターボを彷彿とさせる。直線基調で、ボディサイドにはキャラクターラインが彫られる。シャープなアルミホイールもカッコいい。

サスペンションの構造は、5 E-テックと同等。前がストラット式で、後ろがマルチリンク式となる。しかしスプリングとダンパー、アンチロールバー、油圧式バンプストッパーなどはA290の専用品が組まれる。

サブフレームも独自設計。駆動用モーターの位置も、5 E-テックとは異なるという。前後の重量配分は、57:43と若干前寄り。ブレーキディスクの直径は、前が320mm、リアが288mm。キャリパーは、アルピーヌA110と同一とのこと。

上質でゆとりある車内空間 カップホルダーなし

A290のインテリアを、筆者はとても気に入った。素材は全般的に上質で、造形は機能的。タッチモニターは、グーグルの技術を利用したソフトウエアが実装され、反応は良好。ナビの目的地設定も簡単だ。

エアコンやヘッドライト、運転支援システム、スタビリティ・コントロールなどは、実際に押せるハードスイッチで操作できる。デジタルとのベストブレンドに思える。

インフォテインメント・システムには、お遊び機能も備わる。0-100km/h加速を測るストップウォッチや横Gメーター、コーナリング技術の解説などが盛り込まれている。アクセル操作でのリフトオフ・オーバーステアなど、専門的な部分にも触れていて好ましい。

ステアリングホイールは、アルピーヌがF1から影響を受けたというデザイン。リムは円形ではなく、スポーク部分に復数のボタンが並ぶ。一方はドライブモード用で、他方は追い越し時などに便利なブースト機能用。回生ブレーキの強さを選ぶダイヤルもある。

フロントシートは大ぶりで、座り心地が良い。小さなハッチバックだが、後席側の空間も充分。身長が178cmの場合、前後に問題なく座れる。膝前にも頭上にも、5cm程度の余裕を残して。

シフトセレクターは、センターコンソール上。そのかわり、5 E-テックに備わるカップホルダーはない。前側のドアポケットは小さく、後ろ側にはそもそもない。荷室容量は326L。開口部が広く、広くはないが荷物は載せやすい。

公道で不満ないパワー 乗り心地は穏やか

さて、確認はこのくらいにして発進。今回試乗したのは、220psのA290だ。0-100km/h加速6.4秒と主張されるが、駆動用モーター自体は180psのユニットと同じ。ソフトウエアで、最高出力が調整されている。

動力性能は、公道用のモデルとして不満なし。レスポンシブで、穏やかな発進も容易。有り余るほどではないが、必要なパワーを即座に引き出せる。かつてのルノー・クリオ(ルーテシア) 197のように、変速ミスの心配もない。

最大トルクは30.4kg-m。旋回中にトルクステアを招いたり、荒れた路面でフロントタイヤを暴れさせるのに、充分なたくましさ。リミテッドスリップ・デフはないが、ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能でタイトな旋回を叶えている。

ブレーキペダルは感触に優れ、回生から摩擦ブレーキへの推移も自然。ステアリングホイールの裏にパドルを追加し、回生ブレーキの効きを変えられれば一層面白いかも。人工サウンドは2種類から選べるが、排気音などを真似たものではない。

公道でのA290は素晴らしい。乗り心地は穏やかな側にあり、アバルト500eとアイオニック5 Nの中間といったところ。従来のメガーヌ R.S.ほどシリアスではなく、ゴルフ GTIへ迫るしなやかさがある。快適と表現できる。

ダンパーの減衰力は調整できないが、ドライブモードによってコーナリングは変化する。セーブ、ノーマル、スポーツ、パーソナルのどのモードでも、重心位置が低いため、基本的には機敏に身をこなす。

鋭い旋回と意欲的な加速 サーキットでも鮮烈

ステアリングは軽め。反応は正確で線形的。公道の速度域での情報量は薄いが、パワーオンでの手応えがあり、運転している感覚を強めてくれる。

旋回中はリア内側のブレーキを制御し、回頭をアシストするのと同時に、フロント内側のブレーキも効かせトラクションを向上。減速させることなく、意欲的な加速を可能としている。以前のフォード・フォーカス RSに備わった機能の、進化版といえるかも。

ルノー・メガーヌでは特殊なステアリング・ナックルを採用し、鋭いコーナリングを得ていた。A290にこの設計は施されていないが、一層のパワーアップが可能なら、実装されても良さそうだ。こんな話題へ電気自動車で触れられるなんて、非常にうれしい。

サーキットでは、A290は公道以上に鮮烈な印象を残した。電動だから、従来以上に驚きを感じたのかもしれないが。

A290は、これまでのルノーと同様に、アクセルペダルの加減でコーナリングラインを調整していける。グリップ力は素晴らしく、縁石に乗り上げても乱されることはない。

コーナー入口でブレーキを引きずると、リアタイヤを流せ、アクセルペダルの角度を変えると荷重が前後へ移動。侵入時にきっかけを与えれば、カウンターステアを当てながら突っ込める。

スタビリティコントロールは、ボタンで簡単にオフにできる。サーキットを本気で4周させたが、システムがセーブモードに切り替わることもなし。ブレーキもタレない。アルピーヌの技術者の、ホットな気持ちが伝わる。

本格的なホットハッチを諦める必要ナシ

さて、A290の航続距離は363km。長いとはいえないが、52kWhの駆動用バッテリーで軽めの車重に抑えているから、避けられないトレードオフといえる。慎重に運転すれば、このカタログ値へ接近することは可能なようだ。

気ままに普段使いしても、290km前後は走れるだろう。急速充電は、最大100kWまで対応する。サーキットの全開走行では、約7分で15%の電気を消費した。今後、ピットにも急速充電器が普及していくはず。

ちなみにタイヤは、専用開発された19インチのミシュラン・パイロットスポーツS5。技術者が指定する225/40のサイズが、このシャシーには最適なはず。純粋な操縦性を享受するために。

エネルギー効率やソフトウエア的な楽しませ方ではなく、トルクステアやリフトオフ・オーバーステアについて語れることが喜ばしい。バッテリーEVでも、本格的なホットハッチを諦める必要はないようだ。

英国価格は、かつてのようにお手頃とはいえないが、アバルト500eより楽しく、アイオニック5 Nより安価。もちろん、筆者はぞっこん気に入った。

◯:素晴らしいサーキットでの走り アクセルで調整できるコーナリングライン 公道でも楽しめる動的能力
△:もう少し公道へフォーカスしても良いかも 車内に小物入れが足りない

アルピーヌA290 GTS(欧州仕様)のスペック

英国価格:約3万9000ポンド(約757万円/予想)
全長:3990mm
全幅:1820mm
全高:1520mm
最高速度:169km/h
0-100km/h加速:6.4秒
航続距離:363km
電費:6.0km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1479kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:52.0kWh
急速充電能力:100kW
最高出力:220ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

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みんなのコメント

11件
  • *****
    リアフェンダーが張り出してない!
    やり直しっ!(`・ω・´)キリッ
  • y12********
    顔はブサいけど全体的には良いデザインだと思う
    なんでライトを変態面にしたんだろう…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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