■ミニバンだってMTで駆け抜けたい!
日本では設定される車種も年々減少傾向で、なにかと冷遇されがちな変速機「マニュアル・トランスミッション」。(以降「MT」)
【画像】3台以外もあるぞ!激レアすぎるMTミニバンを見る(30枚)
しかし搭載車種の絶対数は少なくなろうともファンからの人気には根強いものがあり、今でも確かに生き残っています。
そんなMT車ですが、スポーツカー、SUV、コンパクトカー、商用車などに辛うじて残存するなか、ひとつ忘れられがちな車種タイプがあります。
それがミニバンです。
今回は、「6人以上で多人数乗車をしながら、MTを堪能したい!」という願いを叶える、ウルトラレアの「MTのミニバン」を3台厳選して紹介します。
●トヨタ「エスティマ・ルシーダ」、「エスティマ・エミーナ」
1992年に発売されたトヨタのミニバン「エスティマ・ルシーダ」と「エスティマ・エミーナ」。
兄弟車であったこの2台は販売される系列店や若干のスタイリングこそ違えど、基本的には同じクルマです。
ミニバンらしく、それぞれ7人乗りと8人乗りから好みのグレードを選択することが可能でしたが、それに加えてミニバンでありながら4速ATのみならず5速MTを選択することが出来た貴重な存在でした。
両車の起源は、1990年に発売されたトヨタの初代「エスティマ」に遡ります。
「天才タマゴ」という印象的なキャッチフレーズで登場した初代エスティマは、エンジンを床下に配置して広大な車内空間を実現する”ミッドシップレイアウト”や、一筆書きで描いたように滑らかな”ワンモーションフォルム”のスタイルを持った、斬新で未来的なミニバンでした。
しかしそんな優れたエスティマにも”大きな”欠点が一つ。それはその文字通り、”大きい”という点です。
当時の一般的なファミリーカーが「5ナンバー」という規格サイズだったのに対し、エスティマはワンランク大きい「3ナンバー」。
1989年度の税制改正で双方の維持費の差は無くなったものの、当時はまだ「3ナンバーお断り」の駐車場が少なからず存在し、また狭い道での取り回しの懸念もあったことから、エスティマの大きさは販売上での障壁となっていました。
そのエスティマを小型化し、5ナンバー化することで販路を拡大したのが「エスティマ・ルシーダ」と「エスティマ・エミーナ」です。(※排気量のためガソリンエンジン搭載グレードのみ3ナンバー)
エスティマで1800mmもあった全幅は1690mmまで抑えられ、使いやすいサイズ感となりつつもエスティマ本来の魅力をそのまま継承した2台は、”子エスティマ”とも呼ばれて狙い通りの人気を獲得。長いモデルライフを送ることになります。
しかし2000年に兄貴分であるエスティマがフルモデルチェンジを迎え、同時に3車は統合されるかたちとなり、ルシーダとエミーナは一代のみで歴史を終えました。
そんな2台の名前、ルシーダは「明るい星」、エミーナは「優秀・卓越した」、そしてエスティマは「尊敬・立派な」という言葉を語源として名づけられたものです。
家族みんなが明るく出かける、そんな願いをかなえた優秀な2台の小さな天才タマゴ。ルシーダとエミーナは、同時にMTユーザーの願いも叶える立派なミニバンだったのです。
●三菱「デリカスペースギア」
いうなれば「ミニバンの姿をしたパジェロ」。
1994年に三菱の発売した「デリカスペースギア」は、そう呼ぶに相応しいミニバンです。
デリカスペースギアは、ミニバンでありながら、世界的な本格4WDであった2代目「パジェロ」をベースとして開発されました。
内容はパジェロの強靭なボディ骨格だけでなく優れた4WDシステムまでも継承するもので、その結果デリカスペースギアはミニバンという枠を逸脱した悪路走破性能を持つ、かつてない個性的なオフロードレジャー向けモデルとして完成したのです。
当然のようにミニバンとしての性能も優れており、最大乗車人数は7人から10人。ショートボディとロングボディの2種類が用意され、またルーフの高さもハイとローの2タイプから選択できました。
もっとも巨大な「ロングボディ×ハイルーフ」タイプともなると全長は5mオーバー、全高も2mを超える巨体を誇りましたが、全幅は1.7m未満に抑えてあり、現実的な使い勝手はしっかり確保していたことがうかがえます。
また、ハイルーフ仕様のモデルには、広大な5枚ものサンルーフを装備した「クリスタルライトルーフ」という装備も設定され、デリカスペースギアならではの高い車高も相まって、抜群の開放感を楽しむことが可能でした。
そんなデリカスペースギアには、4速ATと5速MTも用意されており、ミニバンとSUVを兼ねたMT車という類を見ない希少なモデルだったといえるでしょう。
現行モデル「デリカD:5」でも、SUVミニバンというデリカの特殊性は変わりなく引き継がれ愛用されていますが、残念なことにMT搭載モデルは無くなってしまいました。
■世界一醜い!? 海外からやってきた「愛されミニバン」
●フィアット「ムルティプラ」
奇妙奇天烈な形状を持つこのクルマは、フィアットの「ムルティプラ」です。
日本でも2003年に発売されたムルティプラは、「世界一醜いクルマ」と英国のジャーナリストに認定されてしまったことでもその名を轟かせました。
まず真っ先に目に入る、フロントガラス直下に設置されたライトはハイビーム用のもので、「なぜここに配置したのか」と誰もが度肝を抜かれたものです。
しかし、ムルティプラの特殊性はそのスタイリングにとどまりません。
当然のように内装デザインでも独特の世界観を披露してくれますが、このクルマの最大の特徴は「2列シートのミニバン」という点に尽きます。
ムルティプラはシートレイアウトが何よりもユニークで、「フロントシートに3人、リアシートに3人」が乗車でき、最大乗車人数は6人にも上ります。
このシートレイアウトはなかなかの妙案でした。フロントのセンターシートを一段後方にスライドさせることで、左右の乗員と肩をずらし、6人全員が快適に乗車することが可能でした。
また「3列シートミニバン」にありがちな、運転者と後方乗員の会話が困難という状況もムルティプラなら無縁です。
ただしこのシートレイアウトを実現した結果、完成したボディサイズは全長3995mm×全幅1870mm×全高1670mm。長さはとても短いのに横幅は果てしなく広いという、まるでゆるキャラのような3サイズとなりました。
そんなムルティプラの変速機ですが、なんと驚くことにMTしかありません。
つまりATユーザーお断り、かつ幅の狭い道での慣れが必須と、オーナーになるハードルがあまりにも高かったムルティプラは、デザインを大きく変更するマイナーチェンジをおこなうものの成功といえないまま、2007年に日本での販売を終えました。
しかしこのようなクルマだからこそ、ハマったオーナーには深い満足感を与えてくれます。
また、搭載する1.6リッターのエンジンはパワフルとはいえませんが、ショートでワイドなボディと相まって、コーナリングを楽しく駆け抜けてくれる力は十分に備えています。
意外というと失礼ですが、エンジンを回して走ると実に楽しかったムルティプラは、MTのミニバンを求めるユーザーにとって案外と面白い選択肢だったのです。
当時酷評されたスタイリングも、今では個性的で可愛らしいと思える、かもしれません。
※ ※ ※
シフトレバーを駆使して運転する楽しさと、大勢で外出する楽しさ、その両方を一台で味わえる、希少なMTを搭載するミニバン。
現在もハイエースやキャラバンなど商用を兼ねるモデルには新車として残存していますが、MTユーザーの一人として、今後も残って、そして増えて欲しいと願ってやみません。
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みんなのコメント
ライターが知らないってだけ。
ってか、こういうライターはコラムのマニュアルとか乗れないんだろうな。こんなのでよく、自動車関連の物書きになろうと思ったもんだ。