憧れだった渡米に大興奮
2024年の1月は日中の最高気温−5℃前後という日が続き、久々にとても寒い冬日となったミュンヘンですが、2月はそれがすっかりウソのような春の陽気が続いています。そんな極寒の日々が和らいだある日、真冬のドイツを抜け出してマイアミへと飛びました。アメリカに旅行されたことがある方も多いと思いますが、初めて行くアメリカに私はドキドキがマックス。それも長年願い続けていたデイトナ24時間レースの生観戦がやっと叶った日でもあったのです。
なつかしのシルエット! マツダ「サバンナRX-7」を「デイトナ24時間レース仕様車」を作った人は何台もレース仕様を製作していました
レーススタートまではコース脇でピクニックを楽しむ家族も!
初渡米にコーフンしていたのか、飛行機の中では11時間20分の間に一睡もできず(笑)。私より30分後にパリから到着したフランス人ジャーナリストのヴァレンティンと到着ロビーで合流し、レンタカーをピックアップ。私たちに用意されていたのは、長旅でぐったりしたアタマとカラダも吹っ飛ぶ鮮やかなファイヤーオレンジのBMW「M4 コンペティション カブリオレ」!
キーを受け取ると、素早くスーツケースをトランクに積み、真っ暗なハイウェイ95をひたすらまっすぐ、デイトナビーチのホテルまでの268マイル(約431km)をノンストップで駆け抜けました。とは言っても、私は今回の旅では助手席でゆっくりさせてもらうだけでしたが……。
ホテルに着いたのが夜中、シャワーを浴びてすぐベッドにもぐり込むも、翌朝の起床時間は6時半でまだ真っ暗。長い1日に備えて朝からがっつりバイキングで腹ごしらえです。日本にもヨーロッパにもあるのに、やっぱりベーグルやパンケーキに飛びついちゃいますね。陽が上る頃にヴァレンティンとM4でサーキットを目指します。
サーキットまでの道中では、一度見たら忘れられない、あの傾斜が激しいバンクで有名な巨大なグランドスタンドが見えて、テンションマックス! これまた驚く事に、サーキット手前のセキュリティの方から、みなさん本当に笑顔でフレンドリー。ヨーロッパに住んでいると、いまでもアジア人に対して「ん?」となる方もおられるのですが、短い滞在中でしたが、デイトナではそんな体験を一度もすることはありませんでした。
スパ、ル・マン、ニュルブルクリンクといったヨーロッパの有名24時間レースのスタートは大体午後3時や午後4時頃が多いのですが、なんとデイトナのスタートは午後1時40分と随分早めです。グリッドプレゼンテーションの時間はたっぷり取ってあり、デイトナ特有なのでしょうか、グリッド横の芝生に寝転んだり、ピクニックをしたりとかなり自由です。
そして、31度というかなりの急傾斜のバンクでも自由に楽しむ人々で大賑わい! ヨーロッパの24時間レースのスタートグリッドも相当な人出で、例えるならば、昭和の原宿竹下通り、またはピーク時の埼京線のような賑わいなのですが、さすがに家族でピクニックや寝転んでいる人たちはいません。アメリカのレース文化に初めて触れて、とてもステキだなと思いました。
あっという間の5日間で再訪を決意!
レースは、序盤から激しいクラッシュが続き、荒れた展開に。レースウィークは気温は26℃前後でとても蒸し暑く、歩いているだけで汗をたっぷりかきました。陽が落ちてからは少しマシにはなりましたが、疲れも溜まって結構ぐったりしてしまいました。レースは24時間ずっと続きますが、私とヴァレンティンは日付が変わる少し前に、一旦ホテルへ戻って仮眠をとることに。
翌朝、7時にロビーに集合。眠い目をこすりながら、ふたりとも無言のままサーキットへM4で向かっている際に、ぼんやりとサイドミラーを見ると、光輝く巨大キドニーグリルが……信号で横並びになり、気になって窓を開けると、なんとBMW M GmbHのファン・メール社長のドライブする「XM」ではないですか。赤信号で横並びになった際に、あちらも窓を開けてくださり「ステキなおクルマですね」と(笑)。その後、何度も抜きつ抜かれつを繰り返し、デイトナ インターナショナル スピードウェイまでの10数分をBMW Mの社長とランデブー走行をするという、とてもステキなサンデーモーニングでした。
長い24時間のはずが、あっという間にチェッカーフラッグを受ける時間が近づきました。良いのか悪いのか、レース序盤にクラッシュでリタイアしたチームのピットテントがすっかり撤収されており、スタート/ゴールラインの真向かいという特等席で、ゴールシーンを観られてとても得した気分に。キャデラックとの接戦を勝ち抜いて、ポルシェ「963」が今大会の総合優勝を飾りました。
初デイトナの滞在はたった5日間で可能な限り愉しもうと気合を入れていたのですが、まったく時間が足りませんでした。また機会があればぜひとも再訪をしたいですね!
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