トヨタは2019年10月9日、東京2020オリンピック・パラリンピック大会で使用されるAutono-MaaS(自動運転・乗り合いミニバス)専用EV「e-Palette(パレット)東京2020年仕様」の詳細を公表した。このe-パレットは、10月24日~11月4日までの12日間にわたり東京ビッグサイトとその周辺で開催される「第46回東京モーターショー2019」トヨタブースに出展される。
東京オリンピック・パラリンピックの選手村での移動に使用
【東京モーターショー2019】アイシン 自動運転コンセプトカーを出展
トヨタは2018年1月に、自動車メーカーから人々の様々な移動を支えるモビリティ・カンパニーへの変革を宣言し、その象徴として電動化、コネクティッド、自動運転技術を盛り込んだMaaS用のミニバス「e-パレット・コンセプト」を発表した。
トヨタはオリンピック・パラリンピックのワールドワイド・モビリティパートナーとして、様々なモビリティソリューションを提供する。東京2020大会では、トヨタ初のAutono-MaaS専用EVとしてe-パレット(東京2020仕様)を10数台提供し、選手村内を巡回するバスとして選手や大会関係者の移動をサポートすることになっている。
e-パレット(東京2020仕様)は、オリンピック・パラリンピックで使用されることを前提に、それぞれの選手に過去大会の選手村内での生活の様子などを調査し、もっと手軽で便利、そして快適なモビリティが実現できるようにe-パレットの仕様に反映させている。
デザインは、前後対称のワンボックス・デザインを採用し、タイヤを四隅に配置することで、広い室内空間を実現するというパッケージング最優先のコンセプトだ。身長や年齢に関係なく使いやすい手すりやシート、色弱者の方にも配慮し、色の明度差をつけた床・内装トリム・シートなど、“すべての人にモビリティをというフィロソフィで統一している。
利便性を高めるために、大開口スライドドア、低床フロア、電動スロープ、停留所への正着制御(誤差なく、できるだけ隙間なく停車する制御)の採用により車椅子ユーザーを含めた複数人のスムースな乗降を実現している。
レベル4の自動運転車
e-パレット(東京2020仕様)は、車両制御プラットフォームに専用開発の自動運転システム(自動運転制御ハードウェア、ソフトウェア、カメラやLiDARなどのセンサー類)を搭載し、高精度3Dマップと運行管理によるレベル4の低速自動運転を実現している。ただし、実際の使用時には周囲をモニターし、必要があれば運転を行なうドライバーが1名乗車する。
周囲360度の障害物を常に検知し、周囲の状況に応じて最適な低速度で運行。また、システム異常時には、車両に同乗するオペレーターが安全に車両を停止できる緊急停止ブレーキを装備している。
自動運転時には歩行者とコミュニケーションができるよう、アイコンタクトのように車両の状況を周りに知らせるフロント、リヤの可変制御ランプを採用している。
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