6月1日に三重県の鈴鹿サーキットで開催された2024スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』の公式予選。GT300クラスはD’station Vantage GT3がポールポジションを奪い、2番手にSUBARU BRZ R&D SPORTが続いたことで、ダンロップタイヤがワン・ツーを占めた。
GTA-GT300規定車両のマシン特性も活かし、鈴鹿サーキットを得意とするSUBARU BRZ R&D SPORT。今回はサクセスウエイトわずか2kgということで、初日午前の公式練習からクラストップタイムを記録し、予選ポールポジションへの期待も高かった。
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しかし、その野望を打ち砕いたのは、同じくダンロップタイヤを履くD'station Vantage GT3となり、SUBARU BRZ R&D SPORTは0.653秒差の2番手から決勝レースに臨むことに。井口卓人に予選後話を聞くと、やはりQ1B組でのタイム差が気になる様子。
「感覚的には悪くない感じだったのですけど、777号車(D'station Vantage GT3)がものすごく良いタイムを出したので、どうしてもタイムギャップが大きかったです。正直、もう少し(タイムを)詰めたかったというのが正直な思いで、悔しいですね」
Q2を担当した山内英輝はグループ1“アッパー16”をトップタイムで終えるも、D'station Vantage GT3のチャーリー・ファグも見事な走りで0.103秒差の2番手につけ、合算タイム差0.653秒差でD'station Racingのチーム初ポールポジションが決まった。
とはいえ、今季のGT300クラスは、第1戦岡山ではブリヂストン、第2戦富士ではヨコハマがそれぞれ上位を独占するなど活躍するなか、ダンロップは結果を残すことができていなかった。今戦に向けては、5月8~9日に鈴鹿サーキットで行われたGTエントラント協会(GTE)主催専有テストでの結果が活きたと井口は続ける。
「以前の鈴鹿テストでしっかりとタイヤを選んでくることができたということと、今回の気温や気候に対して良いタイヤチョイスをすることができました。その部分がすごく良かったのではないかと思っています」
また、これまでSUBARU BRZ R&D SPORTは予選一発の速さには定評があったが、決勝では徐々に順位を下げてしまう傾向があった。このことも鈴鹿テストでの走行を踏まえて対策が行われたという。
「一発の速さより、決勝を強く戦えるようにリヤの低下を少なく、コントロールしやすいようにというセットアップをどんどんと探しました。今回はその部分を含めてトライしていくようなレースになると思いますけど、やっぱり重要なのは決勝ですからね」
ただ、気になるのは今季からのタイム合戦方式予選になってからの井口と山内のふたりにある0.5秒ほどのタイム差。これはQ1とQ2のコンディションや路面状況なども含まれるため、一概に比較することはできないが、井口はきっぱりと「たぶんドライビングの差だと思います」と語った。
「細かく山内選手との差を見ていくと、いろいろと自分に足りてない部分もあります。その部分は今後に向けてどんどんと良くしていかないといけない部分なので、しっかりとアジャストできるように頑張ります」
決勝レースに向けては雨の予報も出ているが「そのあたりも含め、新パターンのウエットタイヤが実戦でデビューするんじゃないかという楽しみもあります。どういったレースになるか少し分からない部分もありますけど、どんな状況でも良い選択をして、みんなで力強くしっかりと戦いたいです」と井口は抱負を語った。
今回の第3戦では、参加条件のBoP重量が軽減され、燃料補給装置給油リストリクターの適用により給油時間の短縮が予想されるSUBARU BRZ R&D SPORT。サクセスウエイトの軽さもあり、この鈴鹿はチャンピオンシップに向けて“落とせない”一戦になるはずだ。
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