現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 環境に配慮するマクラーレンの新型ハイブリッド・スーパーカー「アルトゥーラ」目指す世界最高水準のドライビング体験

ここから本文です

環境に配慮するマクラーレンの新型ハイブリッド・スーパーカー「アルトゥーラ」目指す世界最高水準のドライビング体験

掲載
環境に配慮するマクラーレンの新型ハイブリッド・スーパーカー「アルトゥーラ」目指す世界最高水準のドライビング体験

エンジン×モーター+電気で走る、“マクラーレン”の新型プラグインハイブリッドカー『アルトゥーラ』に乗り、軽井沢へ夫婦でドライブ旅へ。その走りをドライバー目線でレポートする。

目指すところはあくまでも“世界最高水準のドライビング体験”

低燃費22.8km/ℓを実現!ルノーのコンパクトSUV「キャプチャー」にE-TECH HYBRIDモデルが登場

日本は消費者意識的にもやや取り残されている感があるが、世界のEVへのパラダイムシフトは待ったなしだ。欧州は法の規制も強い。好むと好まざるとエンジン車の新車販売は制限され、いずれ無くなる。

その状況下で世界のスーパーカーブランドも続々と新しいフルEVモデルを発表しているなか、サーキットの雄、“マクラーレン”は独自路線を行く。直近の上陸モデル『アルトゥーラ』は、エンジン走行にEV走行もプラスしたプラグイン・ハイブリッドだ。

現在の日本におけるPHVやEV普及率(合わせて2%未満)を考えれば十分に未来をゆくシステムだが、プラグイン・ハイブリッドカーはニュースとしては決して新しくない。事実、10年も前に“マクラーレン”はハイブリッドカーをつくっている(『マクラーレンP1』というアルティメットモデルでその価格は1億だったが)。

だが、このタイミングでフルEVではなくPHVというところがミソ。“マクラーレン”の戦略がここにある。

“マクラーレン”が目指すところはあくまでもユーザーの“世界最高水準のドライビング体験”だ。

現時点のEV製造技術で”マクラーレン”が理想とする最高水準の走りが得られないなら、フルEVはつくらない。

ときにEVやPHVの進化はまるでパーソナルコンピューターの歴史のよう。たった数十年の間に、ブラウン管テレビ並みに大きかったそれは、より頭脳もキャパシティも進化した上で極薄ノート型となり、機能の大部分は手のひらサイズのスマホでも代替できる。

“マクラーレン”が理想とする超軽量な人馬一体の走りに、フルEV製造の技術的進化が追いついたときに初めて“マクラーレン”のフルEVモデルが発表されるのだろう。

つまり、あえてのPHV。

“マクラーレン”は『アルトゥーラ』をこの先10年のモデル開発を見据えたモデルと位置付けている。パワートレインもシャシーもコクピットも全て新開発されたオールニューだ。

さて、その中身は。

ミッドシップの後輪駆動で、新開発のM630 、3.0L V6ツインターボエンジンを搭載。ちなみにV6は“マクラーレン”初である。V8の『マクラーレンGT』より小さいが、最高出力は1リッターあたり195PSで、なんとアルティメットシリーズの『Senna』や『Elva』に匹敵するハイパワーなんだとか。

併載するEモーターは 10年前のマクラーレンP1より、大きさは半減、パワーは33%も上昇した。フルエレクトリックモードでは、最大距離31km、最高時速130kmまでの走行が可能だ。

ご存知の通り、エレクトリック走行のためのバッテリーは、車重を増やす大きな原因であるが「重たいけどバッテリーの低重心のおかげで車体が安定するから、車重増加には目をつむろう」というメーカーも多い中、“マクラーレン”はここでも徹底的に軽量化にこだわる。

驚くことに、バッテリーを搭載しているにもかかわらず、車体全体のエレメントをとことん無駄を省いて軽量化し『アルトゥーラ』の乾燥重量はわずか1,395kg。もちろんクラス最軽量だ。

いざ乗ってみると、際立つのは静音性だ。静かに無表情に電源が立ち上がり、エンジン音ではなくコクピットのモニターだけが、走行準備が整ったことを示している。

シューーンという近未来的なか細いモーター音を密やかに鳴らしながら、騒音も排気ガスも撒き散らさずにお行儀良くスタートを切る。意表をつくほどの静けさに助手席の妻がいたく感動している。騒音でご近所に迷惑をかけているのではないかと、気が気でなかったらしい。

もちろん“マクラーレン”が行儀がいいだけのクルマであるはずがない。ステアリングの指先ひとつでパワートレインをエンジンにシフトすれば、聞き馴染みのある力強いエグゾースト音が唸り出し、アクセルを踏みしめると、その微細な加減通りに加速が実行される。そのパワーはより包容力を増している。高速道路では胸のすくような伸びやかな加速を実感した。車体の中央の低い位置に薄べったいバッテリーを配置しているため、コーナリングの安定感は抜群だ。公道では制限速度のために一定以上のスピードは出せないが、まだまだいける、という期待感に気持ちも躍動する。

オリジナル開発の薄く平たいバッテリーを車体中央の低い位置に配置しているため、コーナリングの安定感も上々だ。

正直なところ、このご時世、周りの目も気になる。環境に配慮したクルマを所有することは、社会からの好印象を得られ、キャリアにおいてもプラスに働く時代だ。SDGsが叫ばれる今、スーパーカーは羨望の眼差しだけでなく、爆音や大きな排気量に冷ややかな目線もなくはない。その辺に敏感な妻はE走行時の静音性に感動している。そのうえ、パワフルになったエンジンを今なお堪能できる喜びがある。胸を躍らすエグゾーストサウンドも健在だ。

シーンに応じてスイッチひとつでCO2ゼロ走行にもチェンジでき、環境に対する罪悪感も相殺してくれるプラグイン・ハイブリッド・スーパーカー『アルトゥーラ』は、パラダイムシフト真っ只中において、社会にも家族にもギルトフリーで楽しめる最適解なのかもしれない。

主要諸元 McLaren Artura

エンジン     V6エンジン ツインターボ 電動ハイブリッド
最高出力     680ps/7500rpm
最大トルク    720Nm/2250rpm
全長×全幅×全高 4539×1913mm×1193mm
車両重量     1395kg
車両本体価格   ¥30,700,000
※写真の車両はオプション装着車です。
(問)マクラーレン・オートモーティブ

写真/McLaren Automotive,THE HIRAMATSU 構成/林 公美子

こんな記事も読まれています

テレビ視聴やナビ操作ができるデータシステムのTV-KITシリーズに『ヴェゼル/ヴェゼルハイブリッド』の適合が追加
テレビ視聴やナビ操作ができるデータシステムのTV-KITシリーズに『ヴェゼル/ヴェゼルハイブリッド』の適合が追加
レスポンス
自由を高める全輪駆動能力! 個性的なルックスに多用途性を秘めた、新型「ジープ・アベンジャー 4xe」が導入
自由を高める全輪駆動能力! 個性的なルックスに多用途性を秘めた、新型「ジープ・アベンジャー 4xe」が導入
LE VOLANT CARSMEET WEB
スバルが新「4ドアセダン」を初公開! 同時に「BRZ改」もお披露目!? 3年目の集大成とは
スバルが新「4ドアセダン」を初公開! 同時に「BRZ改」もお披露目!? 3年目の集大成とは
くるまのニュース
ハイパーカー増大の余波で、ル・マンのパドックレイアウトに“悲鳴”。痛い出費の連続にチームからは不満の声
ハイパーカー増大の余波で、ル・マンのパドックレイアウトに“悲鳴”。痛い出費の連続にチームからは不満の声
AUTOSPORT web
現行JL型『ジープ・ラングラー』がさらに進化。エントリーグレード新設に加え限定モデルも導入
現行JL型『ジープ・ラングラー』がさらに進化。エントリーグレード新設に加え限定モデルも導入
AUTOSPORT web
クルマのドアに装着された「謎のバイザー」どんな機能!? 「付いてないクルマ」と何が違う? 気になる「効果」や取り付け方法とは
クルマのドアに装着された「謎のバイザー」どんな機能!? 「付いてないクルマ」と何が違う? 気になる「効果」や取り付け方法とは
くるまのニュース
麺225gの「油そば」を特製ダレでガッツリ堪能! 上信越道から人気の道の駅「ららん藤岡」へ
麺225gの「油そば」を特製ダレでガッツリ堪能! 上信越道から人気の道の駅「ららん藤岡」へ
バイクのニュース
マクラーレン、『キング・オブ・モナコ』のセナを偲ぶトリビュートカラーを発表。イエローのMCL38でモンテカルロを戦う
マクラーレン、『キング・オブ・モナコ』のセナを偲ぶトリビュートカラーを発表。イエローのMCL38でモンテカルロを戦う
AUTOSPORT web
メルセデスF1から上級スタッフがまたひとり離脱。一方で積極的に優秀な人材を獲得しているとTDアリソンが明かす
メルセデスF1から上級スタッフがまたひとり離脱。一方で積極的に優秀な人材を獲得しているとTDアリソンが明かす
AUTOSPORT web
おお…カッコいい…ランクル250発表直後に大人気の理由と実力
おお…カッコいい…ランクル250発表直後に大人気の理由と実力
ベストカーWeb
トヨタ「GRヤリス」をF1好きが昂じてレッドブル仕様に! 参考にしたのはロバンペラの「GRカローラ」でした
トヨタ「GRヤリス」をF1好きが昂じてレッドブル仕様に! 参考にしたのはロバンペラの「GRカローラ」でした
Auto Messe Web
運行中止になる可能性もある重大事案! 路線バスのゆれや加減速でケガをしたら誰の責任?
運行中止になる可能性もある重大事案! 路線バスのゆれや加減速でケガをしたら誰の責任?
WEB CARTOP
豊田合成、杉の成分配合プラスチックを開発 内外装部品に適応 杉花粉低減の可能性も
豊田合成、杉の成分配合プラスチックを開発 内外装部品に適応 杉花粉低減の可能性も
日刊自動車新聞
『ヴェルファイア/ヴェルファイア・ハイブリッド』用が販売開始、HKSのサスペンション「ハイパーマックス S」
『ヴェルファイア/ヴェルファイア・ハイブリッド』用が販売開始、HKSのサスペンション「ハイパーマックス S」
レスポンス
【ストリーモ】「東工大発ベンチャー」の称号を取得 
【ストリーモ】「東工大発ベンチャー」の称号を取得 
バイクブロス
開催危機のMotoGPインドGP、運営ドルナも決断の時迫ると認める「数日のうちに分かるだろう」
開催危機のMotoGPインドGP、運営ドルナも決断の時迫ると認める「数日のうちに分かるだろう」
motorsport.com 日本版
シェフラーの「モーションテクノロジー」とは?…人とくるまのテクノロジー展 2024で披露を予定
シェフラーの「モーションテクノロジー」とは?…人とくるまのテクノロジー展 2024で披露を予定
レスポンス
なぜ背の高い「SUV」増えた? 新車“6割”を占める現実… 「セダン」「ワゴン」より何が優れている? シェア拡大の理由とは
なぜ背の高い「SUV」増えた? 新車“6割”を占める現実… 「セダン」「ワゴン」より何が優れている? シェア拡大の理由とは
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2965.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2990.03470.0万円

中古車を検索
アルトゥーラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2965.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2990.03470.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村