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「とてもアグレッシブなマシン」フォーミュラEシーズン9で導入されるGen3の乗り味をドライバーが語る

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「とてもアグレッシブなマシン」フォーミュラEシーズン9で導入されるGen3の乗り味をドライバーが語る

 スペインのリカルド・トルモ・バレンシア・サーキットで12月13日から開催されている2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン9の公式プレシーズンテスト。このテストでは、シーズン9からフォーミュラEに導入される新型シャシー“Gen3”による初めての合同テストとなるが、そのGen3の乗り味を各チームのドライバーたちがフォーミュラE公式サイトに語った。

 シーズン9から導入されるGen3は、フォーミュラE史上最速となる最高速度322km/h(理論値)を誇るフォーミュラE史上最速のマシンだ。レースで使用されるエネルギーの40%以上を回生ブレーキでまかない、最大出力350kW(470BHP)の電気モーターによる電力効率は内燃エンジンの約40%に対し、Gen3では約95%を達成するフォーミュラ・レーシングカー史上最も効率的な車両になっている。

フォーミュラEテスト3日目は1時間のセッション5が行われる。ニッサンのナトが総合トップに

 さらにフォーミュラカーとして初めてフロントとリヤにパワートレインが搭載され、リヤの350kWに加え、フロントに搭載された新パワートレインで250kWを追加し、現行シャシー“Gen2”の2倍以上となる合計600kWの回生能力も実現する。エクステリアは戦闘機の空力フォルムにインスパイアされた特徴的なデザインを持っているフォーミュラカーだ。

 フォーミュラEのシーズン9は2023年1月14日にメキシコシティE-Prixで開幕を迎えるが、12月13~16日にはスペインのバレンシア・サーキットでGen3初の合同テストが行われており、Gen3をドライブしたドライバーたちが初走行のインプレッションを語った。

マキシミリアン・ギュンター(マセラティMSGレーシング)
「Gen3ではフロントアクスルにモーターが搭載され、フロントとリヤの合計で600kWの発電量になったことで、さまざまなチャレンジが可能になった。ブレーキングのフィーリングも違うし、エンジニアと一緒にソフトウェア側でコントロールできることも増えたから、その可能性はかなり広がっている」

「パワーがGen2の250kWから100kWと大幅に向上して、タイヤも従来とは違う特性のものを使っているから、ストリート・サーキットでも速く走れるだろうね。全体としては、とてもアグレッシブなマシンに仕上がっていると思う。今のところは、このマシンでの走行を楽しんでいるよ」

エドアルド・モルタラ(マセラティMSGレーシング)
「マックス(ギュンター)は、昨年ここで出したファステストラップをすでに上回っている(テスト2日目に1分25秒449を記録)。もっと大きな差が出るはずだが、それはマシンをより良く使いこなすことで得られるタイムだ」

「まだ発見することはたくさんある。僕たちは昨年、Gen2マシンの性能を最大限に引き出すソフトウェアを開発し、そのマシンとパワートレインに何年も取り組んできたんだ。だから今すぐ(Gen2と)比較するのはフェアではないね」

アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)
「テストは新しいマシンを知るための楽しいプロセスだね。Gen3はパワーが大幅に向上して車両重量も軽くなっているから楽しみにしていたんだ。フロントにはパワートレインも搭載し、レースで使われる全エネルギーの40%が回生エネルギーになる非常に効率的なクルマになるから、技術的にも大きな進歩だね」

「Gen3に乗ってまだ日が浅いから、今はゆっくりとクルマを使いこなしているところだよ。メキシコのレースまであと1カ月だけど、まだ多くのことを学んで、開発しなければいけないけど、それもプロセスの一部だし楽しいことだよ」

「Gen3はGen2よりもパワーアップしているから、今のところ、あるコンディションではそれを使いこなすのは難しいけど、見ている人にとってはいいことだ。ドライバーのミスも増えるだろうし、このマシンで優位に立つことは難しいだろうけど、とてもいいレースができると思う。今はまだそれほど速くないけど、時間が経てば速くなるだろうね」

「新しいハンコックタイヤも理解しなければいけないことがある。ミシュランタイヤを8シーズンも使ってきたのだから、みんなミシュランをマスターしているんだ。新しいクルマと同じように、ハンコックタイヤにもいろいろな発見がある」

レネ・ラスト(NEOMマクラーレン・フォーミュラEチーム)
「テストではまだ誰も限界を探っていないから、シーズン中にたくさんのラップタイム更新があるだろうね。1~2年後にはもっと速くなっているはずだ。Gen3は明らかにパワーがあって、軽いからコーナーを軽快に走れるんだ。特に350kWのフルパワーラップではクルマそのものがとても速かったよ」

オリバー・ローランド(マヒンドラ・レーシング)
「Gen3はGen2同様にステアリングとふたつのペダルを持っているけど、多くの変化がある。技術的な面でリヤにはブレーキがないけど、エネルギーを回生できるフロントのパワートレインがあるから回生能力は大幅に向上している。クルマもかなり軽くなっているから、ドライバーが適応しなければいけないことがたくさんある」

「Gen3はすべてが新しくなっているから、今はまだ細かい部分をどのように出していけばいいか100%わかっていない。シーズンを通して他のチームやドライバーが、どうやってお互いに追いついていくかかが楽しみだね」

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みんなのコメント

1件
  • 市街地の特設レースばかりではなくてサーキットでも開催できないのだろうか?
    サーキットでどれくらいのタイムなのかが気になる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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