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ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォマンテ・スパイダー試乗 クーペ超える鮮烈さ

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ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォマンテ・スパイダー試乗 クーペ超える鮮烈さ

もくじ

どんなクルマ?
ー ウラカンのポテンシャルを最大限に発揮

AUTOCARアワード発表目前 これまでの5つ星獲得車 前編

どんな感じ?
ー ハードトップと遜色のないドライビング
ー ダイレクトに響くエグゾーストノート

「買い」か?
ー フェラーリとマクラーレンへの挑戦状

スペック
ー ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォマンテ・スパイダーのスペック

どんなクルマ?

ウラカンのポテンシャルを最大限に発揮

4年前にウラカンがリリースされて以来、このクルマの本当のポテンシャルを発揮してくれるモデルの登場を、心待ちにしていたいたしていたわれわれ。ウラカン・ペルフォマンテが発表されたことで、その期待が現実のものとなった。

ウラカンのどんなモデルよりもタイトに研ぎ澄まされ、素晴らしい体験を提供してくれるペルフォマンテに搭載されていたのは、これも待ち望んでいたランボルギーニ製のV10エンジン。そしてさらに、同じ心臓を得たスパイダーが登場した。

5.2ℓのV10は、640psを絞り出し、最大トルクは56.9kg-mから61.1kg-mへと増強。軽量なエグゾーストシステムや、ランボルギーニがフォージド・コンポジットと呼ぶカーボン複合素材を用いた部品に置き換えることで、車重はベースモデルのウラカン・スパイダーから35kgを削減している。

シャシーのセッティングも大幅に見直され、よりシャープなダイナミクス性能に焦点が当てられている。タイヤはずば抜けたグリップ力を誇る、ピレリPゼロ・コルサとなる。

とはいえ、最も特徴的な進化は、ランボルギーニ自慢の空力システム、「エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)」だ。フロントスポイラーに内蔵されたフラップと、タワーのようにそびえ立つリアウィングは電子制御されることで、必要に応じてダウンフォースを増強させるだけでなく、ドラッグを減らすことも可能となっている。

高剛性を保持するストラクチャーには手が加えられ、125kgの補強が施されている。トップレス化に伴うデメリットはどの程度だろうか。

どんな感じ?

ハードトップと遜色のないドライビング

サーキットでは、ペルフォマンテ・スパイダーはクーペよりもほんの僅か、コンマ数秒かは、遅いことに違いはない。しかし一般道においては、ハードトップと遜色のない、類まれなドライビングをスパイダーは味わわせてくれる。まさに水を得た魚のように素晴らしい。

それなりの高速での走行時に、荒れた路面の凹凸に出くわすと、自分を取り巻く構造体がわずかに振動することに気づくはず。また、3速の中回転域からアクセルを踏み込んで加速させる際、期待しているほどの打ち出され感はないかもしれない。

といっても、6000rpmを過ぎた辺りから、このペルフォマンテ並の加速をするクルマがほかにも存在することが信じられないような、力強さを披露してくれるのだけれど。

また、同時にいくつかの激しいアクションを求めた際、シャシーがそれに追いつけていないようにも感じられる。例えば、コーナリング中にハードブレーキングをする場面では、路面からクルマが乖離してしまうような瞬間がある。

もし、ひたすらにクルマの挙動に集中すれば、スパイダーがクーペから妥協してしまった部分に、気付くこともできると思う。しかしそうでもしない限り、トップレス化による悪い面での変化は知覚できないだろう。

ダイレクトに響くエグゾーストノート

それ以上に、エグゾーストシステムの改良によりサウンドは豊かになり、キャンバストップを下ろせば、ダイレクトに音響を楽しむことができるようになった。現在、購入可能なエンジンの中でも、もっとも刺激的なユニットだと思う。

7速のツインクラッチATの変速は電光石火で、まるでパドルを引く前に変速を開始しているように感じられるほど。

段差を超えるときに便利な、ノーズリフト機能を備えるアダプティブダンパーは、5148ポンド(78万円)のオプションとなるが、乗り心地の設定も絶妙。ボディコントロールに無駄はなく、グリップレベルも信じられないほど高いうえ、4輪駆動システムのトラクションも際限なく凄まじい。

ただし、ステアリングは可変アシストと可変レシオが採用され、慣れるまでに少し時間がかかるだろう。少しシャープ過ぎ、レスポンスも過剰に感じられるほどで、走り始めからある種の緊張感を漂わせてしまうまう。

トップを閉めたときのヘッドルームはかなりタイト。専用設計となる背もたれが固定式のバケットシートも、自宅の心地よい椅子が羨ましくなるような仕立てで、少し期待はずれだった。教会の椅子のようともいえるだろうか。1時間半も運転すれば、背骨が真っ直ぐに伸びて痛くなりそうだ。

もちろん、スパイダーは屋根がなくなっていても、クーペより価格は上乗せとなる。

「買い」か?

フェラーリとマクラーレンへの挑戦状

箱型の剛性に優れるボディを廃しながら、サーキット走行も視野に入れたクルマを作ることは、そもそも出発点がズレているように思える。しかし、ランボルギーニはそれを成り立たせてしまった。

とはいえ、サーキット走行でコンマ数秒を争うような本気度の高いドライバーは、クーペを選択したほうが良いだろう。

それ以外の多くのドライバーに対しては、わずかに動力性能で劣る点があるとはいえ、陶酔してしまうような鮮烈なドライビングを、スパイダーで体験できるに違いない。

ウラカン・ペルフォマンテを通じて、ランボルギーニはフェラーリとマクラーレンに挑戦状を突きつけてしまったようだ。

ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォマンテ・スパイダーのスペック

■価格 23万8000ポンド(3641万円)
■全長×全幅×全高 4506×1924×1180mm
■最高速度 323km/h
■0-100km/h加速 3.1秒
■燃費 7.1km/ℓ
■CO2排出量 320g/km
■乾燥重量 1507kg
■パワートレイン V型10気筒5204cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 640ps/8000rpm
■最大トルク 61.1kg-m/6500rpm
■ギアボックス 7速ツインクラッチAT

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