初代オデッセイにステップワゴン、さらにはCR-Vといわゆるクリエイティブムーバーたち。これらの初代モデルときたらまさかの100万円台スタート!! エアコンレスと非現実的な内容ながら、こんな割り切り今でもアリでは!? 高くなりすぎた今の新車たちに一石投じるにはどんな作戦がいいかね!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
おおマジかよ、安っす!! 初代オデッセイとステップワゴン100万円台スタートだったの!? エアコンも取っ払っちゃう割り切り作戦アリじゃね!?
■今や乗り出し400万円!! 初代オデッセイにステップワゴンが100万円台ってマジか
いまやボディも大型化し値段も超絶アップ!! でもオデッセイの良さって初代の価格設定やコンパクトなサイズじゃなかった!?
1990年代中盤に登場したホンダの「クリエイティブムーバー」シリーズ。
1990年代初頭に流行していたRV車(現在のミニバンやSUVを一括りとしたジャンル)を持たなかったホンダが満を持してリリースしたモデルたちを指す。
具体的には1994年デビューのオデッセイ、95年デビューのCR-V、そして96年デビューのステップワゴンとS-MX。そして99年デビューのラグレイトの5車種となる。
この5車種のうち、現在でも現役モデルとして存在するのが、オデッセイ、ステップワゴン、CR-Vということになる。
オデッセイは本年冬に日本市場に復活、CR-Vは海外専売モデルだが、まもなく再復帰を果たす予定。
これらの3モデルのエントリーグレードの価格は、今では考えられないほど低価格となっていたのだ。
■安さにウラあり……まさかのエアコンレス仕様だった
とはいえ180万円以下でこの高級感ならアリじゃないか!?
その価格はオデッセイが179.5万円~、CR-Vが172万円~、ステップワゴンが154.8万円~(すべてデビュー時の東京での希望小売価格)と軒並み180万円を下回っていた!!
現在のちょっと良いクラスの軽自動車並みの金額ということになる。
もちろん20年ほどの時代の流れはあるものの、2L~2.2Lクラスの車両としてはかなり安価な価格設定となっていたのだが、これには理由があったのだ。
エントリーグレードとして用意されたオデッセイの「B」、CR-Vの「B仕様」、そしてステップワゴンの「N」グレードに共通していた特徴が、エアコンがオプション設定だったのだ。
■ないのはエアコンだけじゃない!! 無塗装バンパーに衝撃の1スピーカーAMラジオだけ
今出せば爆裂ヒットになりそうなオデッセイフィールドデッキもあった!!!!!!!!
現在の車種でも上級グレードになると、オートエアコンが標準となり、ベースグレードはマニュアルエアコンというモデルは珍しくない。
だが、ホンダのクリエイティブムーバーシリーズはエアコン自体がオプションとなっており、選択しなければ当然ながら真夏の炎天下でも涼しい風を浴びることが不可能となっていたのである。
この20年で真夏の平均温度はかなり上昇しているとはいえ、オデッセイやステップワゴンのような広い室内空間でエアコンレスはなかなかにヘビーであったことは想像に難くないだろう。
ちなみにオデッセイとCR-Vでは、エアコンはディーラーオプションとなっていた。
部品代以外の工賃などは取り付けるディーラーによって金額が変わっていたので、正確な金額は不明だが、ステップワゴンはメーカーオプションとなっており、その金額は14.7万円となっていた。
なおステップワゴンでエアコンが標準装備となる「G」は179.8万円で、「N」との価格差は25万円。
エアコンをオプションで装着するとその価格差は10万円ほどに縮まるが、「N」はバンパーやドアハンドルが無塗装樹脂となるだけでなく、オーディオは1スピーカーのAMラジオ!!
集中ドアロックも備わらないなどの装備の簡素化に加え、なんと3列目シートが備わらない5人乗りとなっているという割り切りっぶり。
完全にスタート価格を安く見せるための“釣りグレード”といっても過言ではないものとなっていたのである。
■カタログ数値を重視したスペシャル仕様はほかにも……
クリエイティブムーバーシリーズは、そのスタート価格でインパクトを持たせるために、ほぼ購入者がいないであろうエントリーグレードを設定していたが、こういったケースは他にも存在していた。
それが、初代アクアとの熾烈な燃費競争を繰り広げていたノート e-POWER(先代型)とフィットハイブリッド(先代型)だ。
エンジンで発電してモーターで走行するという新感覚の走行フィールで、瞬く間に人気車種となったノートe-POWER。
だが、デビュー時はそこまでの人気になるとは想定していなかったようで、他のハイブリッド車と同じく燃費性能をアピールしていた。
そのときのカタログ燃費が37.2km/Lで、当時のアクアの37.0km/Lを超えるものとなっていたのだが、この燃費性能を持っていた「e-POWER S」というグレードは、エアコンすら備わらなかった(しかもオプション設定もなし!!)。
燃料タンク容量も他グレードよりも6L少ない軽量なモデルとなっており、明らかに燃費性能でアクアを超えるためだけのグレードとなっていた。
2013年9月に登場したフィットハイブリッドも同様で、当時のアクアのカタログ燃費の35.4km/Lを超える36.4km/Lという燃費性能を引っ提げて登場しているが、こちらも該当するのは最も安価なグレードだけ。
さすがにエアコンレスまではしなかったが、フィットの美点のひとつであった豊富なリアシートアレンジをもつウルトラシートも備わらずに一体可倒式に。
燃料タンクは当然のように他のハイブリッドグレードよりも8L少ない軽量なもの。そして極めつけはコストのかかるアルミ製のボンネットを採用して軽量化を図るなど、あらゆる手段を投じていたのである。
なおアルミボンネットは走りのグレードであるRSにも採用されずに、燃費スペシャルのハイブリッドグレードのみの設定となっており、マニアの間では純正流用の軽量化手段として使用されているとか。
いずれにしても努力の方向を間違っている感があることは否めず、現在はこういった見た目の数値だけのスペシャル仕様はほぼ見られなくなっている。
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みんなのコメント
給料は劇的に上がってないが、車両価格は倍以上になってしまった。
ファミリーカーに17インチのタイヤとか嫌がらせやしねw
今の車の価格が高いだけちゅーの!