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新体制下での第1弾 スマート#1 プレミアムへ試乗 高完成度な電動ハッチバック

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新体制下での第1弾 スマート#1 プレミアムへ試乗 高完成度な電動ハッチバック

ジーリー・ホールディングスとの協働

新しいスマートが登場した。若い世代ならすぐに納得できると思うが、モデル名はシャープ・ワンではなく、ハッシュタグ・ワンと読む。開発陣がどんな年齢層をターゲットにしたのか、読み取ることができる。

【画像】新体制下での第1弾 スマート#1 プレミアム 欧州で競合する電動ハッチバックと比較 全132枚

SNSへこびたような名前だが、中身はしっかりしている。優れたバッテリーEV(BEV)だといっていい。

スマートは、腕時計メーカーのスウォッチと、当時のダイムラー・ベンツが1994年に立ち上げた自動車ブランド。しかし、充分な利益を得られずスウォッチは撤退。ルノーの協力も得ながら継続されてきたが、満足できる結果は残せないと判断された。

そこでメルセデス・ベンツは、ジーリー・ホールディングスとの合弁会社を2019年に設立。中国のローコストなBEV技術と欧州の経験を融合させ、新たなモデルが作られることになった。

その最初の成果となるのが、このコンパクト・ハッチバックの#1だ。実容量で62kWhの駆動用バッテリーがフロア下に敷かれ、ボディサイズはフォルクスワーゲン・ゴルフと同等。よりSUVライクな#3も控えている。

スマート#1のパワートレインは271psを発揮する永久磁石同期モーターで、後輪を駆動する。高性能なスマート#1 ブラバスには、フロント側に156psの2基目のモーターが追加され、システム合計で428psを発揮する。

このクラスのBEVとしてはお手頃な価格

#1の航続距離は439kmがうたわれる。急速充電能力は最大で150kW。ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックなどと、充分に渡り合える性能を持つ。

英国価格は、エントリーグレードのプロ+で3万5950ポンド(約578万円)から。上級のプレミアムを選ぶと3万8950ポンド(約627万円)へ上昇するが、このクラスのBEVとしてはお手頃な部類に加えられるだろう。

AUTOCARでは2022年9月に#1へ試乗しているが、まだ未完成だったのか、ソフトウエアにはバグが残り、シャシーのセッティングも整っていなかった。今回試乗したのは左ハンドルの欧州仕様。前回のモヤモヤを忘れるほどの、好印象を残してくれた。

シンプルなダッシュボードには、大きなタッチモニターが据えられているが、デバッグを終えたソフトウエアは直感的に操作できる。頻繁に使う機能は2回もタップすればアクセスできるし、アイコンは大きく反応も素早い。

エアコンの操作メニューは画面の下部に常時表示され、すぐに触れられる点もプラス。スポティファイをはじめ、多くのアプリも実装され高機能だ。

ただし、キツネのイラストがボールで遊んだりするアニメーションが背景で描かれるのだが、子供は楽しめるかもしれないが、運転中は気が散ると思う。また、試乗車はアップル・カープレイとアンドロイド・オートを利用できなかった。

完全な英国仕様では、スマートフォンとの連携機能に対応するという。後日確かめてみるしかない。

適度な重みと安心感のあるステアリング

インテリアデザインは個性的。製造品質は高く、素材も上質だ。

小物入れが充実し、丸みを帯びたセンタートンネルは、最近のメルセデス・ベンツのそれに似ている。パールホワイトの化粧トリムは、標準装備のパノラミック・ガラスルーフと相まって、車内を明るくしている。

運転席の調整域は広いものの、身長の高いドライバーの場合、座面はもう少し長い方がしっくり来るだろう。リアシートも、スライドとリクライニングに対応する。空間にはゆとりがある。

荷室容量は313Lと、平均的な大きさ。荷室の床下には収納空間があり、フロントのボンネット内には充電ケーブルをしまうことができ、便利だ。

さて実際の走りだが、後輪駆動の#1は気持ちが晴れるようなドライバーズカーというわけではないものの、バランスが良い。ステアリングのレスポンスは速すぎず遅すぎず。手のひらへ伝わる感触は希薄ながら、適度な重み付けで安心感はある。

前回の試乗では、大きめのボディロールと不足気味のグリップを指摘しているが、どちらも改善した様子。タイヤはダンロップ・スポーツマックスを履いていた。

普段使いのハッチバックとして完成度は高い

サスペンションは、硬すぎず柔らかすぎず。路面からの入力を巧みに和らげ、細かな振動から車内を遠ざけている。強い負荷がかかると減衰力不足を匂わせるが、基本的に乗り心地は良い。

最高出力が271psもあるだけあって、#1はこのクラスでも活発な部類。クラスをリードするとまではいえないものの、運転は楽しい。

回生ブレーキにはスタンダードとストロング、eペダルという3モードが設定されている。スタンダードでも良く効くものの、ブレーキペダルを軽く傾けただけで制動力が立ち上がる様子。また、僅かに反応が遅れる印象もあった。

今回の試乗で示された電費は、5.6kmkWh。悪くないエネルギー効率といえ、現実的に354km程度の航続距離を得られる計算になる。

従来のシティカーとはまったく異なるスタイリングで一新した、BEVのスマート#1。普段使いのハッチバックとして、完成度は高い。ブレーキペダルの感触には改善が必要だと思うが、車内空間にゆとりがあり、操縦性や乗り心地は良く、航続距離も充分長い。

このクラスのBEVでは価格もお手頃。今回は、充分な利益を得られるかもしれない。

スマート#1 プレミアム(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万8950ポンド(約627万円)
全長:4270mm
全幅:1822mm
全高:1636mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.7秒
航続距離:439km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1725kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:62.0kWh(実容量)
急速充電能力:150kW
最高出力:271ps
最大トルク:34.7kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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みんなのコメント

1件
  • スゲー❗️カッケー❗️

    乗ってみてーなー❗️

    やっぱスマートはオシャレだよな❗️チワワ❗️
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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