プロダクト全般に美学を注ぐプジョー
製粉業にはじまり、コーヒーミルやクリノリン(スカートを膨らませるフープ状の骨組み)、電気工具など様々なものづくりを行ってきたプジョー。世界に冠たる自動車メーカーのひとつとなったいまも、プロダクト全般に独自の「美」を見出す姿勢は1800年代から連綿と受け継がれている。
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そのプロダクトデザインのDNAを象徴するのが「プジョーデザインラボ」の存在だ。同ラボは、プジョーデザインセンターの技術的スキルや人材を自動車以外の世界にも活用するべく2012年に設立した。パリを本拠地とし、中国・上海と米サンフランシスコにサテライトを設置。これまでにピアノやヘリコプター、高級ヨットのデザインなどを手掛けてきた。
奏者の「手」を際立たせるピアノ
プジョーデザインラボがコラボレーションしたピアノメーカーは、フランスの老舗名門プレイエル社。伝統的なピアノブラックであるラッカー塗装を継承しながら、これまで見たことのない、まったく新しい楽器のカタチを創造した。
鍵盤の高さを引き上げることで、ピアニストの手元にスポットライトが浴びるようにした画期的デザインを採用。また、演奏機構からのサウンドを、奏者自身がダイレクトに受け止めることもできるのも特徴だ。ボートの外観を彷彿させる空力的に優れた形状にも、自動車デザインに通じる練度の高さを感じさせる。
独創的なコクピットを“移植”したヨット
エアバス ヘリコプターズの「H160」は、最新のイノベーション技術を投入した次世代中型双発機。低騒音の“ブルー エッジブレード”と、視界の広いキャビン設計を特徴とした、未来的なシルエットをもつヘリコプターだ。
また、フランスのボートメーカー、ベネトウとは「SEA DRIVE CONCEPT」を製作している。先進的なヨットのコンセプトモデルには、プジョー車と同じi-コクピットを採用。小径ステアリングホイールやトグルスイッチが広がる光景は、最新の208にも共通するお馴染みの雰囲気。17インチの大型スクリーンを据え、あらゆる情報は先進のインターフェイスで表示・操作が可能。ドライバーの正面に設置したメーターディスプレイはタブレット式とし、必要に応じて着脱することができるようになっている。
ブラジルに第3の拠点を開設
そのプジョー デザインラボが、第3の拠点をブラジルのサンパウロに開設した。ブラジル部門長を務めるのは、若き41歳、フランス出身のファビアン・ダルシュ。フランスのコンピエーニュ工科大学、オーストラリアのクイーンズランド工科大学でエンジニアリング的素地を鍛えてきた技術者兼デザイナーだ。
ファビアンは、2001年からPSAグループのデザイン部門へ加わり、プジョーやシトロエン、DSのコンセプトカーや市販モデルを手掛けてきた。2011年よりラテンアメリカのデザインセンターに参加してきた彼が、今回サンパウロスタジオのディレクターに選任された。
世界各地にサテライトを設置するプジョー デザインラボの活動は、ヨーロッパ以外の地域でのブランディング構築に繋がっている。
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みんなのコメント
なぜ日本は良いデザインが出来ないのか・・・
会社の上層部で老害がハバきかせてるとしか思えない。