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【海外試乗】メルセデスAMG C43 4マティック「ニュージェネレーションの高効率MHEVという意欲作」

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【海外試乗】メルセデスAMG C43 4マティック「ニュージェネレーションの高効率MHEVという意欲作」

そもそもは、従来の「AMGスポーツ」から進化する形で登場したのがメルセデスAMGの「43」シリーズ。3L V6ツインターボエンジン搭載でデビューして成功したが、今度の最新世代「43」シリーズはパワーユニットを一新。電動機構を備えた新しい過給システム採用の2L直列4気筒エンジンを搭載する。その挑戦の結果を試した。(Motor Magazine2022年9月号より)

量産モデル初の電動・排気ターボチャージャーを採用
ここに来て電動モデルのラインナップを拡大中のメルセデスAMGが新たに世に送り出した新型C4マティックは、やはり電動化のメリットを活用して、これまでにないドライビングファンを実現したモデルと評することができる。とは言え、突如BEVやPHEV、ハイブリッド車になってしまったわけではない。搭載されたのは、量産車初となる電動・排気ターボチャージャーを組み合わせた最新の内燃エンジンだ。

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排気だけでなく、減速時に回生によって蓄えた電気でも駆動されるこのターボチャージャーの狙いは、アクセルペダル操作レスポンスの向上。従来型の排気ターボチャージャーが、いわゆるターボラグに見舞われやすい低回転域やペダルオフ時などに電気の力でタービンを回すことで、常にアクセルペダル操作に即応するレスポンスを実現するのである。

新しい電動・排気ターボチャージャーは、直列4気筒2Lユニットに組み合わされる。エンジン型式はM139L。これは要するに、A45S 4マティックなどが積むM139の縦置き版。従来のC43 4マティックが積む3L V6ツインターボエンジンはメルセデス・ベンツの量産ユニットだったが、新型は「ワンマン、ワンエンジン」の哲学に則り手組みされたエンジンを手に入れたのだ。いまの時代、その価値はますます大きいと言っていい。

スペックは最高出力408ps、最大トルク500Nm。ここにRSGと呼ばれるベルト式スタータージェネレーターのもアドオンされる。トランスミッションはトルクコンバーターの代わりに電子制御多板クラッチ採用のAMGスピードシフト9G MCT。これに前後駆動力配分を31対69とした4マティックを組み合わせる。

シャシも相応に強化されており電子制御式ダンパーやリアアクスルステアリングなどが標準装備される。タイヤは18インチが標準だがオプションで20インチまで用意されており、今回の試乗車はセダン、ステーションワゴンともにこの20インチ仕様だった。

このホイールは空力を意識したデザインで、一見スポーク形状だがよく見るとリム部分はデッシュタイプとなっている。まさにメルセデスAMG定番の精悍な仕立てとされた外装とのマッチングは上々である。

きわめてダイレクトな反応。新鮮な走りの歓びを満喫
実際に走らせてみると、そのレスポンスの鋭さは想像以上だった。低回転域から際立ってピックアップが良く、アクセルペダルの操作に対して間髪入れずに欲しいだけの力感がもたらされる。しかし決して過敏なわけではなく、きわめてダイレクトという印象だ。

吹け上がりはビート感があって小気味良く、回転上昇に伴ってリニアにパワーを盛り上げていく。低回転域からラグを感じさせずに力が湧き出る分、トップエンドの刺激性は強くないとも言えるが、その類まれな一体感の前では些細なことと言っていい。

この電動・排気ターボチャージャーは低回転域でだけでなく、全域で機能している。たとえばアクセルペダルオフ時には電気の力でタービンの回転を維持。そうすることで次のペダルオンの際には即座に過給効果が得られ、瞬時に加速態勢に入れるという具合だ。

こうした新鮮な走りの歓びを存分に満喫できるのは、フットワークの良さのおかげである。操舵に対する正確な応答性のおかげでワインディングロードが楽しく、それでいて雨の中でも安定感は上々だった。この懐深さには、リアアクスルステアリングの効果が大きいことは間違いない。

正直、事前にはエンジンのダウンサイジングにちょっと寂しい気もしていたのだが、実際に乗ってみると、むしろ走りの魅力をさらに増大させるその高い完成度に、俄然嬉しい気持ちにさせられたのだった。先代ではブランドの販売台数増大に大きく貢献したC43 4マティック。新型も間違いなく、多くのユーザーに支持されることになるはずだ。(文:島下泰久/写真:メルセデス・ベンツ日本)

■メルセデスAMG C43 4マティック主要諸元
●全長×全幅×全高:4791×1824×1450mm
●ホイールベース:2865mm
●車両重量:1765kg(EC準拠)
●エンジン:直4DOHC電動アシストターボ+モーター
●総排気量:1991cc
●最高出力:300kW(408ps)/6750rpm
●最大トルク:500Nm/5000rpm
●モーター最高出力:10kW(14ps)
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・76L
●WLTPモード燃費:11.0-11.5km/L
●タイヤサイズ:245/45R18

[ アルバム : メルセデスAMG C43 4マティック はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

8件
  • こうやって一々欧州排出ガス規制に対して意欲的なダウンサイズ高出力エンジンを出せるのは
    メルセデスならでは。

    アウディはいきなりEV化して完全にコストカットに逃げてますからね。
    世界的に売れ行きが下がって華僑の資金源にも見放されたアウディは運転資金もキツイんだろうね。

  • ニュージェネレーションって
    トヨタみたいな言い回しだな
    ものはいいようですね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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